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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第三部

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225/499

225 小さなオアシスにいたら盗賊がやってきた

 2時間ほど歩くと緑が見えてきた。小さい緑の塊だ。パラソルを片付けて、歩く速さを並みにして近づく。木が生えているね。見たことがない木だ。大きな実がなっている。砂漠特有の木なのかもしれない。

 オアシスの周りには囲いも何もない。歩いているといつの間にか木が増えて多少涼しくなっていた。泉の周りに隊商宿が一軒と20軒ほどの家が取り囲んでいる。それだけでおしまい。小さなオアシスだった。


 隊商宿から娘さんが出てきた。奥に駆け込んで行った。

 「お母さん、知らない人が来たよ。お客さんかもしれないよ。それか盗賊だよ」

 物騒なことを言う。


 父親らしい人が少し近づいて来た。

 「こちらには何しに?」

 「砂漠が珍しいので、来てみました。小さいオアシスですね」

 ステファニーさんが答えた。僕子供だから。


 「泊まりですか」

 「夕方涼しくなったら出ようと思います」

 ステファニーさんがこちらを見るから頷く。

 「それまで泉のほとりでベーベーを休ませたいと思いますが、いいでしょうか」

 「どうぞ。泉はみんなのものです。汚さなければいいですよ」

 「有難うございます」

 まだ幾分警戒されているね。建物からも視線を感じる。まあいいや。夕方は出るから。


 ベーベー達はベーベー用の水飲み場に行って水を飲んでいる。すぐ戻ってきた。不味いそうだ。

 僕たちは、テントを張って中で休憩。横になる。

 あれ、なんだかオアシスに近づいて来るぞ。ベーベー20頭くらいだ。駆けてくる。やだなあ。またトラブルか。誰だいトラブル招致体質者は。アカがあなたですと言っています。そうですか。

 とりあえず急いでテントを片付ける。ベーベー達も近くに呼び寄せる。


 先ほどの隊商宿のおじさんが、棒を握り締めている。周りに男たちが集まって来た。粗末な武器だな。

 僕らは専守防衛だ。


 やって来ました。盗賊団。隊商宿に向かっていたが、こちらに気がついたようだ。

 「女だ。上玉だ。捕まえるぞ」

 方向転換して襲ってきます。我らが防衛ラインを越えた。


 マリアさんが抜刀する。久々のキラキラ剣だ。片手棍は使用するまでのことではないみたいだ。ステファニーさんは鞭を握ってニンマリしている。オリメさんは暗殺剣、アヤメさんは暗殺針だ。ブランコ、エスポーサ、ドラちゃん、ドラニちゃんが回りを固める。盗賊達の。


 一応聞いておこう。

 「こんにちは。みなさんは盗賊さんですか?」

 盗賊達の足が止まりました。

 「何を当たり前のことを。女を捕まえるぞ。チビ女は後だ」

 ああ、余計なことを。暗殺剣と暗殺針が消えた。代わりにメラメラと二人の両拳が。僕、しーらない。バキ、ボキ。ああ、もう口はきけないね。口は災いの元だ。

 マリアさんの剣が光跡を残してスパスパ。ステファニーさんの鞭が黒い光跡を曵いて振られる。胸に穴が開いている。

 「一人くらい残しておいてよ」

 あっという間に一人残して倒れ伏した。


 「みなさんはこれで全部ですか?」

 「ーーーー」

 口をききませんね。

 おや、倒れている人が動いています。ビュッと音がしました。股間を押さえて悶絶。


 「もう一度聞きます。これで全部ですか」

 「俺たちスコーピオンを舐めるなよ」

 「そうですか。エスポーサ、ブランコの骨接練習をしてきてください」

 エスポーサが男をくわえてブランコの背中に放り投げた。ブランコと消えていく。


 ベーベーが男を踏んづけている。なになに、ラシードさんのところにいた男だと。なるほど。まだ生きていますね。聞いてみましょう。

 「もしもし、ラシードさんのところにいたんですか?」

 口をききませんね。

 おや、エスポーサが戻ってきました。

 事情をきこうとしたら悶絶してしまったそうです。手足があちこち曲がっていますね。

 「それじゃ、こちらを連れて行ってください。盗賊さん、怪我は治してあげましょう。気をしっかり持って練習台になってください」


 マリアさんとステファニーさん、オリメさん、アヤメさんは夕食の準備をしています。ドラちゃんとドラニちゃんが周りをウロウロ。味見がしたいようだ。手足が曲がった方を除いて消してしまいましょう。夕食が美味しくありません。はい、消えました。


 エスポーサとブランコが戻ってきました。またまた手足が曲がっています。

 「さて、手足の曲がったお二人さん。お聞きしたいことがあります。みなさんはスコーピオンだそうですが、どこにアジトがあるのですか。言ってくれれば手足の曲がりは治してあげましょう」

 「言う。言うから治してくれ」

 素直なことはいいことです。治してあげました。


 「アジトはどこですか?」

 「この先にある岩山」

 「そうですか。構成員は何人ですか?」

 「100人は超えている」

 「どうやって食べているのですか?」

 「普段はあちこちのオアシスで暮らしている」

 「どうして今集まっているのですか?」

 「隊商がこの先の国に行った。商品と金を持って帰ってくる。そこを襲うため全員集まっている」


 「なるほど、皆さんはどうしてここを襲ったのですか?」

 「食料調達に来た」

 「いつまでに戻らなくてはならないのですか?」

 「明後日だ」

 「それはどうしてですか?」

 「二、三箇所、小さいオアシスを襲ってから戻る予定だったから、明後日だ」


 「みんな何か聞くことある?」

 「ない」

 「そうですか。オアシスの皆さんも聞くことありますか?」

 「なさそうですね。ではお仲間のところに行ってもらいましょう」

 一瞬嬉しそうな顔をしましたね。

 「行く先は地獄でしょうけど」

 消しました。

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