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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第二部

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216/499

216 エレーネ邸に王弟の偵察員はパックンされ王弟は暗部に調査依頼をする

 僕らは歩いてエレーネ邸へ。おや、屋敷の様子を伺っている方々がいらっしゃいますね。みんなでそっと近づいて包囲、黙って同じ方を向いています。やっと気がついたようですね。


 「なにか面白いものでも見えるのですか」

 ステファニーさんが聞きます。

 マリアさんは門番の方に行きました。

 「いや、なにも」

 「そんなことないでしょう。じっと見つめていらしたでしょう」

 「見てない。見てない」

 「見てましたよ」

 「どいてくれ。おれは行く」

 ステファニーさんはご希望通り退いて差し上げました。


 おやおや、三人の足が勝手にエレーネ邸に向かっているようです。

 門には門番はいません。

 入って行きます。

 門が閉じました。

 「パックン」

 音がしましたね。遠くでお仲間が驚愕の表情をしています。

 しばらくして門が開きます。

 門番も定位置につきました。


 驚愕さんは、こけつまろびつしながら走り出します。

 パックンした方々はそのまま滅びの草原行きですよ。もちろん。

 驚愕さんが逃げていくのを確認して、僕らは屋敷に戻りました。


 ギュンター王弟邸

 王弟の執務室の扉が叩かれる。

 「うるさいぞ。どうした」

 「それがエレーネ邸の偵察に出していた5人のうち、3人が美女と話した後、エレーネ邸に乗り込み、パックンされました」

 「なんだ、パックンとは」

 「城の時と同じです。屋敷の門を入ったら門が閉じてパックンされました。残りの2人が駆け戻って、パックン屋敷、パックン屋敷と申しております。いかがいたしましょうか」

 「連れ込まれたのか」

 「いいえ、自主的に入っていったそうです」

 「連れ込まれたのなら言いようがあるが、自主的に入っていったのではな。かえって見張っていたのかと難癖つけられるだろう」


 「城にパックンとやられた者はどうした。帰ってきたか?」

 「それがパックンされた以後一向に帰ってくる様子がありません」

 「今回戻ってきた者はどうしている」

 「パックンには関わりたくないと、暇を出してくれと騒いでいます」

 「もう使い物にならないだろう。暇を出せ。それからあと一週間もない。見張りは近づかず遠巻きで良い。どうやっているのかわからないが、近づけば引き込まれてパックンだぞ」

 側近は王弟にパックンと脅されてしまった。


 わからぬ。報告が途切れてから訳のわからぬことが続いている。絶対におかしい。何かある。

 「いるか?」

 「はい」

 物陰から返事があった。

 「エレーネ邸が寝静まってから忍び入り、なにか不審があるか調べてこい」

 「承知しました」

 「まさか、こんなことにお前らを使うような羽目になるとはな。もっと貴族の暗殺とか、国王とかの時に働いてもらおうと思っていたが」

 「もったいないお言葉。エレーネ殿はやらなくていいので?」

 「ああ、夜会で恥をかいて、恥じて自害だろう」

 「承知しました」

 天井裏では観察ちゃんが満足げな顔をしている。


 『シン様、シン様、ご報告ーー』

 『何かあったかい?危ないことはしなくていいんだからね』

 『しませんよー。あのね。王弟がね、物陰に隠れた部下にエレーネ邸の屋敷に潜入調査を命じたよ』

 ほうほう、映像はないけど、音声はあるのね、なるほど。なるほど。暗部というやつでしょうか。

 『わかったよ。ありがとう。気をつけるんだよ』

 『わかったー』


 ギュンター王弟邸

 影の間

 影を全員集めて、頭領が訓示をしている。

 「我ら暗部は、本来なら、エレーネ王女につくところであったが、国王の長患い、王女の流刑に等しい辺境送りに鑑み、王弟についた。もはや引き返せぬ。今日はエレーネ邸の調査だがたまたま王女に遭遇したら楽にしてやって良い。わかっていると思うが王女とはたまたま遭遇するんだぞ。この一戦で我らの将来が決まる。夜陰に乗じて全員で行く」

 「承知」

 全員の返事があった。


 夕食です。今日は話すことがあります。

 夕食が終わって、エレーネさんに少し話がありますと申し出ました。

 執務室に案内されました。

 「早速ですが、今夜王弟の暗部の方々が寝静まった頃お見えになるようです。僕たちで対応させていただきますので、建物から出ないでください。兵舎も同様に手配願います」

 「承知しました。すぐ手配します」


 「ところで国に暗部があったのですか」

 「恥ずかしながら、国王の直属であります。今回、もしその人たちであったら、国王に見切りをつけたか、私に見切りをつけたか、王弟に誘われたかわかりませんが王弟についたのでしょう。私は暗部は不要と思っています。あるいはそういう態度を感じ取って、必要とされるだろう王弟についたのかもしれません」

 「そうですか。暗部がいなくなるかもしれませんが、構いませんか」

 「はい、暗殺組織など不要と思います」

 「それじゃ手配願います」


 シン様とアカ様が出ていった。緊張が解けたエレーネ王女。

 「緊張するわね。すぐ手配してちょうだい。それにしてもどうやって企てを知るのでしょう」

 「全くわかりません。すぐ手配します」

 執事長は兵舎に、侍女長は邸宅内に周知しに行った。

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