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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第二部

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213/499

213 僕たちはエレーネ女王一行に合流する

 朝を迎えた。バトルホースに乗って行こう。馬車の人たちが僕らを歩かせるわけにはいけないと遠慮して降りてしまうといけないからね。何頭だ。頭数が増えても目立ち過ぎだから、僕とアカ、マリアさん。ステファニーさん。オリメさんとアヤメさんの三頭でいいか。足らなければすぐ転移させればいいから、三頭にしよう。二百人衆に三頭連れてきてくれるように頼んだ。


 さて、どこに転移するかな。ど真ん中でもびっくりされてはいけないし。山から降りてきたようにすればいいか。エレーネさんたちは朝食後、隊列を整えたので、500メートルくらい後ろに転移した。


 最後尾の兵隊さんが気づいたね。それじゃちょっと急いで隊列が動き出す前に追いつきますか。兵隊さんから挨拶を受けて馬車に近づく。

 すぐみなさん馬車から降りてきた。僕らもバトルホースから降りた。

 「おまちどうさまでした。今日から同行させていただきます」

 「よろしくお願いたします」

 エレーネさんが跪いた。そんなに堅苦しくなくても。


 「道中何かありましたか」

 「峠の手前に王弟の手のものが潜んでいましたが、小さな落石があり気がつきまして、排除できました」

 「それはよかったです。では行きましょうか」

 「どうか馬車にお乗りください」

 「いや僕らはバトルホースを連れてきましたのでバトルホースで行きます。どうぞ馬車にお戻りください。王都近くなったら一旦離れますが、王都の宿泊はどこでしょうか」

 「私の屋敷です。兵を目立たぬように平服で先発させましたので受け入れ準備は終わっていると思います」

 「そうですか。それではお屋敷で合流しましょう」

 「ではそうさせていただきます」


 エレーネさんが合図して、馬車に乗り込み、隊列が動き出した。

 僕らはぐるっと隊列を一周して、最後尾につけた。規律もよく、行進も見事だ。訓練の成果が遺憾なく発揮されている。今日の午後には十分王都に着くだろう。


 順調に進み、昼には王都の城壁が見える位置まで進んだ。

 昼食だ。僕が渡した兵糧があるからね。おいしい昼食だ。兵は、靴を磨き、身だしなみを整え、ここから剣を佩いていくようだ。

 まさに行軍して城内に入るのね。目立つぞ。軍服から違うし、剣はお揃いだ。体格が揃った兵100名がゴードン流の行軍をしていく。


 見ものだねえ。観察ちゃんに記録してもらって、いかん。

 『シン様、呼んだー?』

 『ーーーーー』

 『お手伝いしたいーー』、『お役に立ちたいーー』

 『ーーー二人だよ』

 『順番決まってるー』

 二人手を挙げている。

 負けた。手元に転移させる。

 ヨシヨシしながら言い聞かせる。

 「危ないことをしちゃだめだよ。兵隊さんたちの行軍を記録するだけだよ』

 『はーい』

 嬉しそうに走っていく。


 ここからは、先頭に兵20人、馬車、兵80人、最後に荷車などの隊列でいくらしい。

 執事長の訓示がある。

 「ここからは敵地と考えよ。いつ何が起こるかわからない。ゴードン教官の常在戦場の言葉を忘れるな。ものども行くぞ」

 「オー」

 いやはや気合が入っているね。僕らはここで一旦離れよう。執事長に目で合図して下がった。


 兵を先頭に列が動いていく。城壁に近づいていくに従って人が増える。兵の整然とした行進を何事かと見ている。こういう行進は見たことがないのだろう。衛兵がかけてくる。

 先頭の兵が一斉に抜刀した。

 「無礼者。エレーネ王女一行である」

 衛兵が慌てて避ける。確かに馬車には王家の紋章がある。


 衛兵の前を見たことのない服装をした兵隊が背嚢を背負って、剣を佩き整然と並んで手足の振り方も全く同一に行進して行く。王女はたしか流刑の地と言われている山向こうの地へ追いやられたはずだ。こんな見たこともない装備の強そうな兵を揃えられる訳がない。どうしたことかと訝しんだ。


 王女の一行は、当たり前だが、待たされることなく城門をくぐって行った。

 僕たちは、長い列に並んでいます。たまにはこういうのも良いものですが、さすがに飽きてきました。僕、飽きやすいのでしょうか。ブランコたちは面倒だからドラちゃんに乗って上空です。


 でも辛抱の甲斐あって順番になりました。

 「身分証」

 そんなものありませんと言いたいところですが、作ってあるのです。在神国リュディア王国総領事館職員の身分証明書。エチゼンヤさんがいいというものですから、前に作っておいたのです。


 入国審査の係の方は書類と僕を見比べて、奥からも人が来て、外務必携国家総覧とかの背表紙の古い本を取り出して調べています。リュディア王国は見つかったようですが、神国は載っていないようです。

 「神国というのは?」

 「新しい国ですので、その古書には当然掲載されていません」


 「なにかご不審でも?」

 ステファニーさんが聞いて、マリアさんが見つめる。

 美人二人に見つめられ、入国審査官は慌てて入国を許可しました。美人には弱いね。役人としては、リュディア王国の書類であることは確認し、リュディア王国の人間だと確認できたのでいいのだろう。


 それではエレーネさんのお屋敷に行きますか。観察ちゃんがこっちこっちと言ってます。はい、はい。道案内ありがとう。嬉しそうに前をかけていく。

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