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目覚めた世界で生きてゆく 僕と愛犬と仲間たちと共に  作者: SUGISHITA Shinya
第二部

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207 ゴードンブートキャンプ (最終日 解散式)

 訓練の最終日。

 ゴードンさんが、今日は槍と弓を簡単に教えるから最後の解散式の時に来てくれれば良いというので、槍と弓を50ずつ渡して、城の客室に戻り、自宅スパ棟に転移。みんなとまったりする。昼にはステファニーさん、マリアさん、オリメさんも戻って来て、昼食。昼寝。ごろごろ。夕方になるね。解散式に出よう。全員で行く。城の客室に転移。


 城外に歩いていく。

 ゴードンさんが号令をかける。

 「セイレーツ」

 エレーネさんが一番前。あとは整列した。

 「気をつけ」

 「ササゲー トオー」

 全員抜刀。エレーネさんは右斜め下に剣を向け、兵は剣を握った拳を顔の前に、剣を垂直にたてた。


 ゴードンさん、これがやりたくて僕らを帰したのだね。どこで覚えたんだ、捧刀なんて。

 僕軍人じゃないからね。頷いただけ。いいんだろう。きっと。

 「休め」

 みんな納刀した。


 ゴードンさんがニヤニヤ笑っている。

 「どうでした?」

 しょうがない。

 「びっくりした。良かったよ。ありがとう」

 ドラちゃん、ドラニちゃんは珍しいものが見られたので喜んでいる。


 「では、これから王都に行く100人の名前を呼ぶ。諸君らは皆優秀なので甲乙つけ難い。今回は、行進する際の見栄えを重視し、体格をそろえたと言うことで了解願いたい。100人は明朝エレーネさんのもとに出頭願いたい。本日はこれからシン様主催の解散式大野外パーティーが引き続きここで行われる。準備の間しばらく待っていてくれ」


 アカ、そうなの。そう。へえ。城の中から二百人衆がゾロゾロ出てくる。テーブルをセットし、あっという間に会場ができた。

 「では、シン様よりご挨拶がある。傾聴するように」

 ゴードンさん、覚えていろよ。

 しょうがない、挨拶しました。


 「次は、エレーネさんに一言いただいて、乾杯の音頭をお願いします」

 二百人衆がダイギンジョウをついて回る。何人連れて来たんだ。あっという間に乾杯の準備ができた。

 エレーネさんが挨拶している。


 「では、シン様、御一統様に深甚なる感謝と、みなさんのますますの研鑽を願って、乾杯」

 「カンパーイ」


 会場の隅にロシータさんが娘さんといるね。いいことを思いついた。ゴードンさんめ。見ていろよ。


 オリメさんに耳打ちする。ニコニコしているね。エスポーサにオリメさんとアヤメさんを裁縫棟まで送ってもらうことにして、エスポーサにも耳打ちする。オリメさんへの耳打ちの内容はわかっているから、他のことだ。エスポーサもニコニコ。

 物陰で転移していく。ふふふふ。


 ゴードンさんがこっちを見て、びくついているね。勘がいいのだろうけど、内容はわかるまい。うははは。

 ゴードンさんが不気味だという顔をしている。


 楽しいな、足も弾みます。であちこちまわります。エレーネさんがいた。

 「本当にありがとうございました。なんと言っていいか言葉にしようもありません」

 執事長も侍女長も頭を下げる。

 「いやいいんですよ。通りがけの暇つぶしですから。気になさることはありません」

 長居をすると延々とお礼を言われそうだから逃げる。


 兵隊さんに囲まれた。

 「シン様。あの剣は、滅びの草原の魔物を切っても全く刃こぼれもなく、まさに神剣と思いますが、もらって良いものでしょうか」

 「どうぞ。皆さんのために作った物ですから、存分に使ってください」

 ここもお礼が多い。数打ちとは言えなくなった。


 やっぱり三馬鹿や二百人衆が気楽だな。ゴードンさんは今日は近づかない。勘がいいね。でも逃さないよ。

 三馬鹿さんによると、牧場の巨木は、馬が守っていて、誰も近づけないのだそうだ。へえ。なるほど。今度こっそり見に行こうかな。でも神国にローテートしてくる馬に聞けばいいか。


 もうオリメさんとアヤメさんが戻ってくる頃だな。準備準備。

 ロシータさんを見つけて、アカと行く。

 「ロシータさん、娘さんちょっと話があるんだけど」

 物陰に呼んで僕の企てを話す。ロシータさんは真っ赤になった。娘さんはリリアナちゃんというのだそうだけど、嬉しいと言っている。もう企ての半分以上は成功だ。

 まず、いつもの水を二人に飲んでもらう。二人とも光った。こちらは準備完了。


 アカが客室にオリメさんとアヤメさんが戻ったから行こうと言っている。二人を連れて転移。部屋の中にシャワー棟を出し、シャワーを浴びてもらって、控室でオリメさんとアヤメさんが着付けと髪のセット、お化粧などをした。二人は器用だ。装うこと全て完璧だな。


 アカが、着替えてと言う。え、僕も?そうです。役目があります。そうですか。青年になって着替える。アカも人化して着替えた。


 エスポーサがハビエルさんを連れてきた。

 跪いて挨拶された。

 「ピンクパンサー事件ではご活躍だったそうで」

 ハビエルさんが笑っている。

 「愉快な方々です。三馬鹿ハルトさんも宰相殿も。そうそう、宰相殿の花街の女将さんがお腹が大きくなったそうですよ」

 「それはまたからかい甲斐のある事件ですね」

 二人してひとしきり笑った。アカもニコニコしている。


 三馬鹿ハルトにも一役買ってもらおう。進行がいいな。転移で呼ぶ。

 跪かれた。

 どうも苦手なんだよね。この格好。

 ハビエルさんや三馬鹿ハルトは慣れているからすぐ立ち上がるからいいのだけどね。


 「ロシータさんとゴードンさんの結婚式を行おうと思うのだけどどう?」

 「どうも何も、もうくっついています」

 「へえ、そうなの。どうりでテントが一緒のわけだ。それで司会進行と会場整理をやってくれる?あとは二百人衆が手伝うから」

 「承知しました。ゴードンさんの慌てふためく様が見られるわけですね」


 ロシータさんとリリアナちゃんが出てきた。びっくりして平伏した。

 「ほら、衣装がだいなしになってしまいますよ。立ってください」

 「神様?」

 リリアナちゃんが聞く。

 「シンです。こちらはアカですよ」

 「やっぱり神様だったんだ」

 リリアナちゃん個人の感想です。


 「じゃ、式場を作って待っています」

 三馬鹿ハルトが出て行った。張り切っているね。


 三馬鹿ハルトは会場に着くと二百人衆とあっという間に式場を作ってしまった。


 ゴードンさんは悪い予感がするようだけど、前後左右を二百人衆に固められ逃げられない。

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