200 エレーネさんの城にいる全員を鍛えることにする
翌朝、今日も管理職は忙しいようなので、マリアさん、ステファニーさん、エスポーサは置いていく。
いつものように、侍女さんがお湯を持ってきた。マリアさん、ステファニーさん、エスポーサの食事はいらないと言っておいた。
お湯はドラちゃんとドラニちゃんがドボンした。
食堂に行くといつものメンバーだが心なしか硬い。どうしたんだろうね。僕の持って来た野菜を使った美味しいスープだ。
「あの」
エレーネさんだ。
「はい、なんでしょう」
「いや、あの、兵の服を」
「そうでしたね。集めていただければいつでもいいです」
「ホールに集まっています」
「朝食も食べ終わったし、行ってみましょう」
ホールに行くと10人の兵がいる。応接室を借りて着替えてもらうことにした。
オリメさんが説明する。
「まずは都までの道中着てもらう服です。同じ服が2着あります。靴、靴下、下着、全て揃っていますので、応接室で着替えてください。リュックは行軍の時使って下さい」
一人一人にリュックを渡している。かなり大きい軍隊仕様の角形のリュックだ。迷彩柄だ。
全員着替えて出て来た。靴も革靴の編み上げだ。上下迷彩服。帽子はベレー帽だ。
服装はいいんだけど、ピリッとしないな。これはあれだ、鬼軍曹を呼ぶようかな。
オリメさんも目つきがきつくなる。せっかく作った軍服が映えない。着ている人間がなっていない。
エレーネさんは軍服に目を奪われている。
「エレーネさん。これでは軍隊としてなっていません。ダラダラ歩くだけで行進も出来ないでしょう。もしよかったら、根本的に鍛えたいのですが、担当者を呼んでいいでしょうか」
「はい、行進とかよくわかりませんが、よろしくお願いします」
「それと10人では見栄えが良くありませんし何かあった時対応できません。100人にしていただけますか。道中の兵糧などは僕が用意します」
「ええええと。反乱と疑われますが」
「手を出せない軍にすればいいのです」
「そうですか。お任せします」
「それと100人の人選は担当者に選んで貰います。それでいいでしょうか。訓練は全員参加で良いでしょうか。その間の警備はこちらがします」
「えええええええ、はい」
「それからよかったら、エレーネさんと執事長、侍女長、侍女の方も参加されたらいいと思いますが」
「ぜひお願いします」
「では、手配がありますので、今日は戻りません。明日、日の出前に城門前に参ります。訓練は日の出とともに行います」
「警備の引き継ぎにはブランコとドラちゃんとドラニちゃんを残しておきますので今日中に説明、日の出とともに引き継として下さい」
「それから今日着ていただいた服は返して下さい。着るレベルに至っていません」
「馬は4頭残していきます。何かあったら馬に頼んでください。一頭で小さな国なら瞬く間に殲滅できます」
「それじゃブランコ、ドラちゃん、ドラニちゃん、引き継いでおいてね。言うこと聞かなければお仕置きでいいよ」
厩舎に寄って、僕とアカ、オリメさん・アヤメさんを乗せてくれる?と頼んだら全員希望となったのでクジにして勝った2頭に乗る。あとは頼んだよと言うとヒヒンと返事した。
エレーネさんに会釈して城門から出る。すぐ気合いを入れて駆け出した。見えない所で転移。神国だ。二百人衆に馬を預ける。
ゴードンさんはどこかな。お茶を飲んでいるね。スパエチゼンヤの門番のところで。お茶を入れているのは、たしかロシータさんだ。へえ。
三馬鹿ハルトはどうしているかな。託児所と孤児院か。僕が行くのもなんだから、アカに行ってもらおう。ゴードンさんと三馬鹿ハルトと各自の乗る馬を借りてくれるかな?それとマリアさんに懐いている馬。彼らの集合はスパエチゼンヤ門前でいいな。明日、日の出前。いいよと腕の中からアカが消えた。
兵糧は余裕を見て、120人、100日分調達しよう。二百人衆に頼んだ。ついでに10人ほど兵隊さんの訓練を手伝ってもらいたいと言ったら希望者殺到。だいぶ揉めて10人が決まった。明日の暗いうちに泉前を出発、各自馬に乗って来てくださいと言っておいた。
ステファニーさんとマリアさんとエスポーサに説明。マリアさんとエスポーサが参加。ステファニーさんは残って管理職だ。ぶつぶつ言っていたけど。オリメさんとアヤメさんは今回残り。縫い子はいるけど、時々指導しないと同じものばかりしかできないそうだ。それはオリメさんとアヤメさんが神の領域に入っているからね。しょうがないと思うけど。
観察機能付小動物をローテートした。初めて来た子をヨシヨシしてやる。目を細めて喜んでいる。
アカが帰ってきた。オッケーだそうだ。暇なのかね。三馬鹿ハルトは出入りですかと目を輝かせていたそうだ。




