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198 バトルホースで草原を駆ける ほか

198 バトルホースで草原を駆ける ほか

 その頃エレーネさんの執務室。今日はいつものメンバーに料理長が加わっている。

 例によってはじめエレーネさんが話し出す。


 「今日は自筆自白調書には驚いたわ。あれだけで十分叔父を有罪にできると思う」

 「書類的にはそうですが、武力を行使する恐れがあります」

 執事長は現実的だ。

 「そうよねえ。私の兵もシン様に鍛えてもらえないかしら」

 「頼んでみましょう」

 「神流ヒッサツ派は恐ろしいから、オーソドックスなのをお願いしましょう」


 「シン様からもらった作物はどうかしら」

 エレーネさんが料理長に聞いた。

 「まず倉庫いっぱいの作物をどこから出したかわかりません」

 「そうよねえ。わからないわ」

 「聞くことも憚れますし」

 と執事長。

 「それに作物は全て新鮮でみたこともない特級品です。王宮でもみたことはありません。作物に力が漲っています。恐ろしい作物です。齧って見ましたが料理すれば味も格別と思います」


 「ますますわからないわよねえ。あの老衰化刑も恐ろしいわね」

 「やっぱり、シン様、アカ様。ブランコ様、エスポーサ様、ドラちゃん様。ドラニちゃん様は、この世の外の方なのかもしれませんね。人ではあのような刑は思いつかないし、できないです」

 「そうよねえ。怖いわよねえ」


 「それに」

 と侍女長。

 「仕事で忙しいと言ってた人たちの気配が全くありません。部屋にいるんでしょうか」

 「それも恐ろしくて確認できないわね。部屋の掃除など、許可なく立ち入らないように徹底してもらえる。老衰化刑にはなりたくないわ」

 「わかりました。徹底します」


 「それはそうと、ゴードンさんでしたか。手紙は出しましたか」

 「はい、替えの馬もつけ、気の利いた兵2名で、亡国を通っていけるならアングレアまで行き、冒険者組合を見つけて手紙を託すように手配しました」

 「何かわかるといいわね。恐ろしいけど、話していると、優しいし、頼れる大人だと思うわ」

 姫様の顔を見て、子供の頃から仕えている三人は、おやおや子供にと思うのであった。

 それを機に散会した。


 あれ、寝過ぎた。一時間くらい寝てしまったかね。

 そうだな、今日はバトルホースで駆けようかな。

 よし、そうしよう。


 侍女さんを見つけて、馬で駆けてきますと言い置いて、行くよと厩舎に向かって声をかけるとバトルホースが駆けてきた。慌てて馬丁もやってきた。

 「いつもお世話していただき、ありがとうございます。今日は馬に乗って駆けてきます」


 一頭近づいて来たので乗ってゆっくりと城の外に出る。城から見えなくなったので、シャワー棟を出して、みんなに人化してもらう。僕も青年になります。

 鞍をつけて、一人一頭ずつだ。一頭乗る人がいないけどついて来てもらえばいい。


 じゃ行こう。僕とアカが先頭。でも好きなようにかけてもらう。バトルホースはドドドドッ、ドドドドッて駆け出した。

 「アカ、風が気持ちいいね」

 「そうね、駆けるのは久しぶりね」


 街道を駆ける。あれ、兵隊さんがいたような。まあいいか。草原に入ろう。石が転がっているから普通の馬ではかけられないな。我がバトルホースは嬉しそうに草原を駆ける。ブランコもドラちゃんもドラニちゃんも楽しそうだ。2時間ほど駆けておやつ。バトルホースは人参。たっぷり水。楽しいって、それはよかった。みんなで撫でてブラッシングしてやる。嬉しいって言っている。


 さて休んだので2時間駆けて帰りますか。

 みんな馬に飛び乗った。

 「ハッ」と気合いをいれると、喜んで走り出す。滅多に全力疾走できないから嬉しいんだろうね。人ではとても乗っていられないだろう。

 帰りは1時間半だった。しかも余裕綽々だ。


 バトルホースには人参と水をたっぷりやった。鞍をしまってブラッシングしてヨシヨシしてシャワー棟を出して、人化を解く。僕も元に戻る。アカがいいのにと言っているがそうはいかないだろうね。

 元の配置でゆっくり城に向かう。門番さんに挨拶して厩舎に。


 さて、夕食の時間が近づきました。エスポーサがみんなを連れて帰ってきました。全員揃った。オリメさんから、エレーネさんのドレスが出来たと報告があった。夕食の後に着て見てもらおうかな。


 夕食です。料理長さんが出てきました。

 「シン様。ありがとうございました。こちらにきてからは山菜尽くしでしたが、やっと料理らしい料理が作れました。素材の力が素晴らしく、私の腕ではその力を全部引き出せたかわかりませんが、精一杯作らせていただきました。どうぞご賞味ください」


 料理が運ばれてくる。スープからして違うね。野菜の煮物、炒め物、柔らかいパン。あとは肉だろうな。


 料理長さんには

 「美味しいです。今まで食べた美味しいと思った料理と遜色はありません」

 「ありがとうございます。研鑽します」

 料理長さんは厨房に戻って行った。

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