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184 小さな街に入り、悪党に目をつけられる

 街へ入るには何も手続きはなかった。街道を歩っているといつの間にか街を歩っていることに気付いた。


 さてどうしようかな。広場に行ってみよう。街の中心部に向かって歩いていく。そう大きい街ではない。15分くらいで街の中心らしい広場に着いた。街の大きさは差し渡し歩いて30分というところだろう。露店が沢山ある。お腹が空いたので串焼きでも買おうと思ったが、いけない。お金がない。


 串焼き屋さんに聞いてみよう。

 「おじさん、このお金使える?」

 一番近いアングレア王国の金貨を出した。

 「何だ、見たことないな。どこの金貨だ?」

 「西隣のアングレア王国のだよ」

 「知らないなあ」


 隣の露店の爺さんがやって来た。

 「どれどれ見せてみろ」

 爺さんに金貨を渡した。

 「ああ、子供の頃見たことがある。その頃はこの金貨も流通していた」

 「今は流通していないの?」

 「この5、60年は見てないな」

 「そうかあ、使えないか」


 「その金貨は金の含有率が高い。金の地金屋でも喜んで引き取るぞ。同じ重さのこの辺りで流通している金貨と引き換えてくれるだろう。金の含有量の差が儲けだ。地金屋がだいぶ儲かる」

 アングレアの金貨が溶かされちゃうのも可哀想だ。そうだ森で何頭か倒して収納してあった。あれを売ろう。


 「おじさん、肉屋さんを知らない?」

 「買うのかい?少しなら売ってやるが」

 「ううん。売りたい。丸ごと」

 「それじゃ、食肉組合か、肉屋だな。大量だと食肉組合、少量なら肉屋で引き取ってもらうのが良いだろう」


 「食肉組合はどこ?」

 「西から来たんだろう。街へ入って、一本裏の通りだ。街道に看板が出ているぞ。ところで何を売るんだ」

 「何にしようかなあ。猪とか」

 「猪は近頃出回っていないぞ。どこで獲った?」

 「西の方だよ」

 「ふうん。猪はどこだ」

 「街の外に隠してあるんだ」

 「そうかい。気をつけな」

 「商売の邪魔しちゃったね。ありがとう」

 僕らはお腹が空いたし、人目のないところまで行かなきゃね。


 「おい、今の坊主をどう思った。持っていそうだな」

 「ああ、女も上物だ」

 「やるか」

 「やろう。若い者に後をつけさせる」


 ついて来るね。聞こえちゃうんだよね。悪巧み。こっちに来てから何もなく飽きていたから、嬉しいな。

 食肉組合の看板があるね。ま、後でいいね。


 郊外まで来た。街道をそれて小さな森の中へ。ついて来るね。大きな岩の後ろに掘立小屋を作ってそれらしくする。アジトですよ。アジト。ワクワクするなあ。


 後をつけて来た二人のうち一人が帰って行った。仲間を迎えに行くんだろう。一人は見張りだな。ここで夜まで待っているのも退屈だからどうするかな。

 思いついた。観察機能付小動物さんに頼もう。スパエチゼンヤの旅館にいる小動物に頼もう。


 『もしもし、皆さん。ちょっと二人くらい手伝ってくれる?』

 『いいよー』

 だって。それじゃ転移してもらおう。

 『ここで見張っていてくれるかなあ』

 『ここはどこ?』

 『アングレア王国の隣の小さな森なんだけど、悪者が僕たちを襲おうとしていて、一人見張りに残っている。一人は仲間を呼びに行った。多分夕方ごろには襲って来ると思う。それまで見ていてくれる?』

 『わかったー』って言ってるね。

 『食事とお菓子を置いていくからね。僕たちは荷車を作ったりしに神国に戻っている。集まって来たら映像を見せてくれる』

 『僕たちもたまには神国に行きたい』

 そうか。

 『それじゃ交代で神国に来る?』

 『行くー』ってさ。


 さて、ここは任せて、神国自宅スパ棟に転移。まずはお腹が空いた。食事をした。

 それから荷車だね。行商人さんの荷車やすれ違った荷車を真似して小ぶりな物を作った。構造はどこでも同じだけど、細部の様式が違ったりするから真似をした。違和感があってはいけないからね。みんなで引けるようにした。バトルホースでは目立つからね。人力で引く。材木は古材に見せかけた。


 しばらく昼寝。ぐっすりと寝てしまった。小動物さんの連絡で起こされた。『来たよー』って言っている。どれどれ、映像をみる。なるほどなるほど、鮮明な映像だ。えーっと8人くらいおいでになったな。小動物さんはお役目ご苦労さん。スパエチゼンヤに転移させる。

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