表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
172/499

172 神国でゆったりと過ごす (上)

 目覚める。鳥たちがおしゃべりしている。今日もいい天気ーーなどと言っているみたいだ。神国だ。


 久しぶりに全員揃って寝たな。右にアカ、左にマリアさん、ステファニーさん、オリメさん、アヤメさん。足元にブランコ、頭の上の方にエスポーサ。お腹の上にドラちゃんとドラニちゃんがへそ天で寝ている。

 アカが、起きるの?、うん。そっとドラちゃんとドラニちゃんをおろす。少し動いたから撫でてやる。また寝た。よしよし。


 アカと外に出る。小鳥ではないが今日もいい天気だ。

 今日は一日のんびりして、明日は世界樹に会いに出発しよう。

 湖面が朝日に照らされて光っている。


 ブランコとエスポーサが起きて来た。

 続いてドラちゃんとドラニちゃんが起きて来て、起きたらいなかった、勝手に先に起きたと拗ねている。二人を抱えてヨシヨシする。機嫌は直ったようだ。

 ブランコが湖に向かって走ってダイビングする。ドラちゃんとドラニちゃんが後を追いかけてダイビング。三人で水にもぐったり水中深くから浮き上がって来て水面から飛び出たりして遊んでいる。


 マリアさん、ステファニーさん、オリメさん、アヤメさんが起きて来た。

 「明日から世界樹に会いに行きたいと思うけどいい?ドラニちゃんとステファニーさん、オリメさん、アヤメさんは初めてだよね」

 4人が頷く。


 「ここから魔の森まで行って、その中に泉があるからそこで水筒に水を補充して、世界樹のある台地下の崖まで行って、崖を登り台地の上に上がって、台地の中心に世界樹がある。というわけなんだけど、みんな強いからなんてことはないよ。ステファニーとマリアさんは学校は大丈夫?」

 「じゃ学校の手配をしておきます。しばらく休講ですね」

 「オリメさん、アヤメさんは大丈夫?」

 「日常使う服は縫い子さんで十分ですし、クリーニングも人をつけてもらったので大丈夫です」

 「そうか、じゃ明日出かけようね。今日は1日準備してね。いざとなったら転移で帰ってくればいいからそんなに持ち物はいらないよ」


 「シン様は今日は何をするんでしょうか?」

 マリアさんだ。

 「そうだねえ。神国にしばらくもどらなかったから、あちこち回ってみるよ」

 「じゃ、ご一緒します」

 学校は?ステファニーさんが苦笑いしている。妹のことだからいいんだろう。


 「その前に食事にするか。大食堂に行ってみよう。おーい、帰っておいで、食事に行くよ」

 ブランコとドラちゃん、ドラニちゃんが水から上がってくる。

 暖かい空気の塊を作って中でクルクル回って遊んで乾かしている。すぐ乾いた。


 大食堂に行くと早起きの二百人衆が並んでいる。列の最後尾につくと、前の人がお先にどうぞと言ってくれたが、急ぐことでもないのでお礼を言って並んだ。


 後から夫婦が生まれたばかりの子供を抱いてやってきた。双子だ。

 「シン様、おととい生まれました。名前をつけていただけませんか」

 「神国で一番最初に生まれたお子さんか。男の子と女の子かな?」

 「そうです」

 「じゃ男の子はプリメーロで、女の子はプリメーラでどう?」

 おっと、双子の赤ちゃんが光った。プリメーロとプリメーラに決まりだな。へえ。さすが神国生まれだ。アカが線指輪もしてやってと言っている。病気にかからないからだそうだ。じゃ線指輪も進呈しよう。まずは水をポタポタ唇に垂らす。口をもぐもぐやっている。光る。線指輪を赤ちゃんにしてやる。光るねえ。赤ちゃん二人が同じように光った。

 「丈夫な子に育ちますように」

 頭を撫でてやる。両親も赤ちゃんも嬉しそうだ。お礼を言って宿舎に帰っていった。


 「シン様私の子が生まれたら名付けてください」

 列の先の方からお腹が大きい女性が呼びかけて来た。

 「いいよ」

 私も、私もと声がする。

 いいよーと返事したが、出産ラッシュになりそうだ。これは男女数十人の名前を考えておくようかな。大変だ。アカがおめでたいことだからいいんじゃないと言っている。みんなにも考えてもらおう。


 食堂は定食を食べたけど美味しかった。畑で作物ができるようになって徐々に神国産の野菜などが使われるようになった。アカに言わせると神国では肥料要らずだそうだ。それに害虫もつかないと言っている。

 孤児院の農場ではうまく堆肥ができたかな。まだ日数的にできないかな。

 前に旅館の周辺に放しておいた観察機能付小動物はどうなっているかな。あれ、増えている。知らなかった。

 かまってくれないと怒っている。ごめんね。旅館はどう?順調だよ。色々な国の偉いさんが泊まっている。シン様がいなくなってから気楽に来られるみたいだよ。そうかい。ありがとう。また教えてね。

 何人か孤児院の農場に行ってくれる?いいよだって。希望者を募って孤児院の農場に転移させた。堆肥はどう?まだ堆肥は出来上がっていなかった。そう急いではいけないね。何かあったら巨木に登ってね。巨木は僕の関係者しか登れないから安全だよ。じゃまたね。

 今気がついた。観察機能付小動物は観察機能だけつけたつもりだったけど、会話ができていた。えええ、どうなっている。もう知らん。牧場はお馬さんに聞けば良いので観察機能付小動物はいらないね。


 アカ、マリアさん、ブランコ、エスポーサ、ドラちゃん、ドラニちゃんと散歩だ。畑に行ってみよう。

 たくさんの種類の野菜が育っている。丹精している様だ。

 ヘチマもある。ヘチマ水をとっているね。

 あれ、農具はどうしているんだろう。アカが作って渡したの、そうなの。ありがとう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ