正夢さえ逃がさない
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
恋愛です。R15です。
苦手な方はご注意下さい。
朝目覚めると、女が俺の方を向いて眠っていた。瞼を閉ざし、俺の寝巻きに指を引っ掛けて眠っていた。元々眠る時には情を交わさなくとも、抱き込んで眠る。しかし寝ている間に力が緩まるせいか、女が先に目覚めると、何処かへ居なくなってしまう事が多い。だから珍しい事でもあった。
「んっ」
今日はそんな事はさせまいと腕に力をを込めて、そのまま胸元まで引き寄せる。胸の膨らみが潰れ、互いの体温が服越しに伝わるまで、しっかりと密着する。よし。これで大丈夫だろう。暫く狸寝入りでもしてよう。
数分後、腕の中で蠢く感触が。一生懸命腕からすり抜けようとしてくる。それは体全体を使って、俺を愛撫してくるのとさして変わらなかった。
なるほど。そうやって逃げてるのか、お前は。でも今日は逃がすまいと、殊更力を込めた。
「んんっ......ん〜......」
瞼は閉ざして居るから、どんな顔をしているかは分からない。けれどもきっと、必死に顔を赤らめて居る事だろう。見えずとも可愛いと.........思う。
どうやら抜け出す事を諦めたらしい。代わりに俺の服の中に手を入れ、ぺたぺたと触れてきた。女の繊細な指が背を辿る。くすぐったいし、そろそろ......頃合だろう。
「おはよう」
瞳を開けると、困り顔の女が此方を上目遣いに見詰めていた。服から慌てて手を抜かないところから、さり気なく生身の肉に触れた事は恥ずかしくないらしい。ただ、俺の思惑通りに事が運んでいる事が、困り事のようだ。
「......構ってちゃん......出て来ちゃう......。正夢にしたくなっちゃう」
「構わねぇけど。で、正夢って?」
布団の中、至近距離、なんなら胸を潰すほどの密着感。構って欲しいなら、幾らでも付き合ってやれる程、環境が整い過ぎている。
女は黙って顔を近付けると、キスを一つ。そのまま舌を捻じ入れて、口腔を遠慮がちにまさぐる。歯茎をそろりと辿り、歯を撫でて、舌を舐める。誘われている気がして、俺もそろっと絡ませた。
「んぐ……むぅ......」
目覚めのキスにしては激しいものである。が、目覚めさせる位にはこれぐらいの方が良いのかも知れない。何だか此奴よりも、俺が構って欲しくなった。体全体を優しく撫でて、落ち着くまでキスを落とし、女の中に熱を吐き出したい気分になる。全く......欲というのは際限などなく。
しかし、その前に女の方から満足のサインが。服の中に手を入れた指が悪戯に爪を立てる。もう結構、と言う事だろう。
「朝起きてね、構ってちゃん来る前に抜けようとしたの。でも君がぎゅっとしてるから逃げられなかったの。だから仕返しにいっぱいキスする夢。その後......どうなったか覚えてないや。もしかしたら沢山体、触ってくれたのかも。君に触られると凄く気持ちが良いから、溶けて無くなっちゃったのかも」
「正夢にするか?」
幸い、今日も明日も互いに休みなのだし。俺もお前も、正夢を見た気分なのだし。
こんな夢を見ました。
抜け出そうとするのを阻止する為に、彼氏さんが抱き締める夢。
でも出来なかったから、彼女さんが構って欲しくて沢山キスする夢。
その後の事は良く覚えてません。
なんかとりあえず、
君達、幸せだねぇ〜(*´˘`*)
とか言いたくなる事をしていた気がします。
寝起ネタはもう一つ程。
寝起きの生暖かい布団の熱が、情を誘うっていうネタ。
似た話だから拗らないと。
その前にドーナツネタも出したいなーと。