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エッセイ

どこからどこまでが「異世界」? 迷ったらガイドラインを熟読!

作者: kayako


※なろうで書き慣れた書き手様にしてみれば、今更何言ってんだお前感満載のエッセイです。どうか温かい目で読んで頂ければ幸いです。


 

「小説家になろう」での投稿経験があるかたならご存じの通り、「なろう」では新規投稿時、作品に「異世界転生」要素がある場合に「登録必須キーワード」として強制的にキーワード設定が要求されます。


 基準はガイドラインを参照すると


 《主人公が「現実世界」から「異世界」へ転生もしくは転移する要素が存在し、主な舞台が「異世界」である》


 導入当時、自分自身はなろうを始めていなかったので詳細は分かりませんが、恐らく異世界転生ものがランキングの大半を埋め尽くしていた危機的状況に対する運営側の対応だったのでしょう。このキーワードを設定すると、その作品はジャンル別ランキングには載らなくなり、「総合ランキング」と「異世界転生・転移ランキング」にしか載らなくなります。


 しかし初めてこのシステムを目にした時は正直、面食らいました。

 な、何のためにそんなことを? 意味が分からない! と。

 しかも私のなろう初投稿は、異世界転生がテーマでありながらも現実世界が舞台となる短編。


『異世界転生、されちゃいました。』

https://ncode.syosetu.com/n4789hc/


 異世界が主題ではあるけど、異世界が舞台ではない。

 主人公は異世界転生しないし、そもそも主人公と言えるキャラがいない(辛うじて主人公と言えそうなキャラが出てくるのがラスト付近)


 初投稿のしょっぱなからコレです。本当に迷って、ガイドラインを読みました。

 そして


「舞台自体は現実世界だから『異世界転生』には該当しない……多分!!」


 と判断し、キーワードはつけずに投稿。





 そしてその次に投稿した作品がまた、現実世界を舞台にしつつも異世界から来たキャラがメインという問題案件。


『解雇寸前だけど、推しに補佐されながら立ち直ります!』

https://ncode.syosetu.com/n0065hd/


 ヒロインは現実世界にいるけど、その相棒たるキャラは異世界から現実世界に転移してきてヒロインを助ける。

 どちらも主人公と言えば主人公で、いわばドラ〇もんとの〇太のような関係ですが、ここで再び問題発生。


 この場合、どちらを主人公と考えてキーワード設定すればいいんだ?


 現実世界の住人であるヒロインを主人公と考えるなら設定は不要ですが、元は異世界の人間たる相棒キャラを主人公として考えると、彼の視点からみれば現実世界への転移は異世界への転移なので異世界転移が成立してしまうのでは……いや、あくまで現実世界は現実世界だから大丈夫なのか? いや……

 などと、当時頭がぐちゃぐちゃになってしまったものです。


 一応、念のため『異世界転移』のキーワード設定をしていましたが、ついさっき改めてガイドライン読み直して、「やっちゃったか?」となり今更外しました( ノД`) 

『「現実世界」から「異世界」への転生・転移が確認される場合でも、作品の主な舞台が「現実世界」である場合はキーワード設定が不要です』とあるから、別になくても大丈夫だったかと。


 しかし、そもそもよく考えたらヒロインのいる現実世界自体が異世界かも知れん。現代日本だとはっきり明記はしてないし……一般的でないとはいえ異世界との交流手段が確立されているといえばされているし……怪獣出て来たし……異世界って、主人公って、現実ってナニ?

 ……となり、深く考えれば考えるほどキリがない。



 このように、『異世界転生(転移)』キーワード設定は作品によっては深刻な悩みの種です。

 しかし多くの場合、ガイドラインをよーく読めば大抵のパターンは解決できるようになっています。おかしな変化球ばかり投げたがる自分のような作者でない限りは!


『異世界転生・転移のキーワード設定に関して』のページから『異世界転生・転移キーワードの設定判断基準』を見てみると、相当なパターンが網羅されています。転生のパターンってホント色々あるんだなと考えさせられる。



 特に、主人公が異世界転生していたこと自体がネタバレに繋がるタイプの作品はどうするのか。また逆に、異世界転生したと見せかけて現実世界だった場合は?

 キーワード設定導入当時、この問題については散々議論されたのか。

 ガイドライン(『異世界転生・転移キーワードの設定判断基準』)を熟読するとちゃんと掲載されていました。


『キーワードを設定すること、もしくは設定しないことが読者への致命的なネタバレとなってしまう場合は、例外として設定しなくても構いません』


 さらに読むと

 ・「オチで現実世界だと分かる場合であっても、異世界転生・転移をしていると読者に認識させているような作品」⇒設定必要

 ・「転生先が現実世界だと読者に認識させ、実は異世界だと序盤で判明する場合」⇒設定必要。ただし、異世界だと判明するのがオチ部分だった場合は不要


 ……などなど書かれており色々とややこしいですが、要は『作品の大半で、読者に転生先が「異世界」だと思わせているか否か』が焦点のようです。

 ここまで細かくパターン分けされているとは思わなかった。



 しかしガイドラインを読んでもなお、分からない場合もあったりします。特に、自分のようにビーンボールばかりを投げたがる作者の場合は!!

 例えば


 ・主人公が異世界から異世界に転生する場合どうするのか?

 元々主人公が住んでいるのが異世界で、そこからまた別の(現実世界とは違う)異世界に転生・転移する場合はどうなるのか。

 現実世界からの転生ではないから設定不要なのか。それとも、異世界転生には違いないからやっぱり必要なのか。


 ・途中で話の方針が変わり、中盤ぐらいに主人公が異世界転生しちゃった場合はどうなるのか? 例えば、50話ぐらいのコメディ長編で中盤の5~6話ぐらい異世界転生したけど何やかんやで帰ってきちゃった♪とかいう場合は? 話の大半が異世界ではないなら不要という解釈で大丈夫?


 ・地獄は異世界転生に含まないとあるが、地獄自体が異世界みたいな場所だった場合はどうなるのか?

 例えば、異世界ナーロッパ風の世界にしか見えないけど神様に「そこ異世界じゃなくて地獄ですよ♪」とか言われた場合は。『実在する神話や宗教に即した地獄』ではないからやっぱりキーワード設定は必要になる……のか?



 こう考えていくと本当に、異世界転生ひとつとっても創作のパターンって様々だなぁと思います。このガイドライン読むだけでネタが2、3個生まれそうなレベルなので、書き手の皆様、一度は熟読されることをお勧めします。


 かくいう自分も、「異世界転生のキーワード設定って問題大ありじゃね? それ自体がネタバレになる作品とか投稿できないじゃん!」というエッセイを書こうと思って改めてガイドライン熟読してみたら、ちゃんとしっかり細部に至るまで書いてあったという。

 大馬鹿を晒すところでしたw




 そして、現在の流行を考えると――

 次にこのような強制キーワード設定がなされる可能性があるとすれば、そのジャンルは当然『悪役令嬢婚約破棄』もの。

 異世界転生以上に定義が難しそうな気がしますが、大まかな基準はこんな風になるのでしょうか。


「女性主人公が『婚約破棄』もしくは『追放』される要素が存在し、『貴族を中心とする社会(異世界か否かを問わず)』を舞台として物語が展開する」


 メインキャラは貴族だけど現代社会とあまり変わらない舞台で、女性主人公だけどモンスターで、主人公を追放するのが婚約者じゃなく父親でっていう作品があるんですけど該当しますかね。

『触手令嬢は、セーラー服美男子をめちゃめちゃにしたくてたまらない!』っていうんですけどw(宣伝しつこい)


 というか、異世界転生・転移のキーワード設定自体が賛否両論で、なろうの流行自体に影響を及ぼした?という話もあるくらいなのに、そう簡単に運営が同じ決断に踏み切るとも思えない。個人的には出来ればやってほしいですけどね……


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― 新着の感想 ―
[一言] 異世界物とそれ以外は全部分けて欲しいなぁと思う今日この頃。 ヒューマンドラマや他の文芸ジャンルとかも異世界設定のお話をちらほら見かける。 10年くらい前に転移転生が隔離されたけど、結局はあ…
[良い点] こちらのエッセイを切っ掛けにガイドラインを改めて読んでみたのですが、異世界転生・転移のキーワード設定判断基準がかなり詳細にカテゴライズされているので、読んでいて面白かったです。 「キーワー…
[良い点] 〉しかし多くの場合、ガイドラインをよーく読めば大抵のパターンは解決できるようになっています。 助かりますよね。ガイドライン。 忘れるので、たまに読み直しています。必須キーワードでやらかし…
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