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第5話「ドラゴンの威厳」

 戦闘中の2人は環境フィールド効果で浮遊している。


 まず最初に轟音。

 飛ぶ拳撃を命中させたセンクウの方が驚いていた、「威力高すぎないか?」……と。

 一歩後ろから眺めていたヨスズも、毅然とした対応を取れず。唖然としていた。「威力高っか!?」っと。

 それと同時に、1つの疑問文が浮かび上がる。

「あんたいっつもこんな威力出してたの?」

「いや……わかんねえ……」


 ただのドラゴンは、風光拳の一撃・大爆発を受けてよろめきながら起き上がる。

 相手のドラゴンの威圧でわかったこと。

 このただのドラゴンでさえも環境フィールドの性質が違うと言うこと。何か特性を持っていることだけはわかった。


 そう感じた次の瞬間――。

「ガオオオー!!!!」

 凄まじい咆哮、四重奏の2人は威嚇により萎縮する。

 同時に、このただのドラゴンも〈環境フィールド〉を展開する準備に入った。

 最初のボスモンスターにしては釣り合っていない。しかし、今必要なものが展開される。


《ただのドラゴンは、環境フィールドを展開。『ドラゴンの威厳いげん』 が発動されました》


 周りは獄炎ごくえんという名の炎で囲まれ、持続的に圧力をかけてくる〈環境フィールド〉に変化した。

 幸い、初心者用チュートリアルだけあって、その場の空間全部を環境フィールド化はせず、相手側のフィールドの半分。味方側のもう半分はノーマルフィールドとして出来上がっている。

 つまり、戦闘可能フィールドの半分以上を踏み込むと。「獄炎で圧力をかけ続けるぞ」と言っているのだ。


 浮遊している2人だが、熱気が上昇するので。ノーダメージというわけには行かない。

 現状は、ドラゴン側のフィールドは『ドラゴンの威厳』で半分支配され。センクウ側はノーマルフィールドに自分達の体に『浮遊』を付加させている状態である。


「周りが炎なら、蒸気拳じょうきけんで何とかならないかな?」 

「やってみれば? まだ手探りなんだし」

 センクウとヨスズは、まだチュートリアル状態から抜け出せていない。

 ということで、左腕に力をためて。左足の戦車脚を空中だが重心を深く取り、踏み込み足にしながら。


「セイ!!」


 今度は水を多めに盛った、蒸気拳じょうきけんでドラゴンの巨体を崩せないか試してみた。

 当たった蒸気拳はまるで蒸気機関車のような唸りを上げてドラゴンに命中する。


「グオア! グオアアアアーー!!」

 ドラゴンが火炎弾を口から吹き出してきたので、センクウとヨスズは上空に逃げる。

 火炎弾は高度25メートルまで上がって消えた。

 ヨスズが言う。

「センクウの腕なら、この距離で風光拳と蒸気拳の連打で倒せるんじゃ無い?」

「……そうだな、チュートリアルで手間取ってても面倒だし。この一撃を決めたら、一度街へ戻ろう」


 言って……。

「だりゃりゃりゃりゃ!!!!」


 風光拳と蒸気拳の雨アラレの連打攻撃で。ドラゴンの射程距離外からじわじわとHPを減らしながら。


「トドメ! 磁界脚じかいきゃく!!」


「グーガー……!!」

 ドラゴンは倒れた。


《ただのドラゴンを討伐しました! 環境フィールド、『ドラゴンの威厳いげん』を手に入れました!》


「おろ?」

「へー珍しい、てっきりドラゴンの肉塊とか手に入ると思ってたのに。特性が手に入るのね。このゲーム」

 センクウもヨスズもボスモンスターを倒すのは始めたので。斬新だった。


「このゲームって……魔物倒す、能力奪う、私強くなる! 系なのかしら? 複数の環境フィールドが手に入るのなら、複合環境フィールドは出来るの? それとも合成で新しい環境フィールドに……?」

「さあ? それこそまた何度か戦ってみないとわからんな~」


 ヨスズは思考を巡らせるが、憶測しか出てこない。

 過去にアイテムを1個ずつ手に入れていたヤエザキだったが、個数が多くなりすぎて。最終的には合成しなければ所持も難しかったはずだ。よりパワーアップしているであろうEWO3では、〈環境の合成〉は出来ると仮説を立てることは、合理的に考えてもあってるはずだ。

 何にしても、環境フィールドが複数選択して展開できるのは嬉しい戦利品だ。


 そんなこんなで、一度、始まりの街へ帰る2人。戦闘禁止エリアへ入ってようやく一安心と言ったところだ。

 考えてみれば街の名前も、地図も周辺情報も何も無いままの狩りだった。

 豆知識8◇#ドラゴンの威厳いげん

 分類◇#モンスター #ドラゴン #環境フィールド #魔法 #領界 #特性 #EWO3 #第1章

 解説◇自身の威厳で相手の攻撃力を下げる。また自身の射程範囲に入っている敵に対して、〈獄炎ごくえん〉状態をを付加。そのフィールド内に入っている敵に対して外的な〈圧力〉をじわりじわりと与え続け、休ませない。

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