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第4話「環境(フィールド)」

 EWO3、始まりの街。戦闘禁止エリア。


 街は、第1陣のプレイヤー達でごった返していた。が見た目、本当に初心者か経験者かは見分けがつかなかった。

 中には迷いの無い動きをしているプレイヤーも居たが、何せ地図は白紙。迷いの無い動きは始まりの街限定だった。

「今回はベータテスター組って言うより。EWO2を遊んでた人がこっちのゲームに来てるから。通称って何て言うのかしら?」

「EWO2経験者組って言うんじゃねーか?」

「それだと長いわね……。2(ツー)経験者組ってなるのかしら?」

「まあ2(セカンド)って他に言いようも無いもんだしな」

「あーツー経験者って言うより、〈セカンド経験者〉組の方が呼びやすいわね」

「じゃあ名称はそっちか」

 今回の機会から新たに参入してるプレイヤーがちらほら見受けられる。

 ヨスズは思った。

「無理も無いわね、ヤエザキちゃんは80万文字の記録保持者ログホルダーだったし。それに追いつこうとしたら骨が折れるもんね~」

「考えてみれば大変だもんな」

「じゃあ私達はセカンド経験者ってことか~」

 だとすれば、今こそ、この流れに乗らないと置いて行かれると思ったのだろう。そう考えてしまう〈セカンド経験者〉組の2人だった。



 ギルドの受付嬢、湘南桃花の前まで来たセンクウとヨスズは。ギルドリーダーにのみ設定が許される。まるでチュートリアルのように。特性、〈環境フィールド〉の説明を受ける。

「つまり、あ~だこ~だ……で」


「じゃあ今はセンクウがカスタム出来るわけね、いつものギルド『四重奏』のリーダーはソウヤさんだけど。今は居ないもんね」

 ヨスズが言ってからセンクウが固まった……。

「文字が多い……、ヨスズ頼む……」

 ステータス画面に効果が表示されて、文字列がずらっと行間無しに羅列されている。ヨスズは「しょうがないわね」という風に。「つまり」と付け加えてかみ砕く。


「センクウがリーダーの時は、仲間は皆で空が飛べるってこと」


「……なんだ。そんだけか」

「要約すると……、だからねポイントだけ言ったから。あとで知らなかったと言われても知らんぷりするから」

「それはそれで冷たい……」


 湘南桃花が助け船を出す。

「まぁ〈環境フィールド〉って、自分の行動が後からにじみ出るものだから。飾り程度に思っとけば良いと思うわ」

 センクウとヨスズはお礼を言う。


 そのあと、討伐掲示板を見て。手頃で倒しやすそうな大きなドラゴンの写真付き手配書を手に取り、受付嬢に渡してクエストスタート。

 Uターンして、再び狩りに出かけるために、ご飯屋さんを見つける。

 和食、洋食、中華、台湾、コンビニ。どの食事にするか考える時間が出来た。


「何を食う?」

「私が決めて良いの?」

「いいぞ」

 センクウがヨスズにそう返したので、ヨスズは特に狙ったワケでも無く、何となくで決める。

「じゃあ中華屋さんでご飯食べましょうか」


 そして、〈中華ご飯のランチセット〉を一通り食べた後に。

 再び、戦闘可能エリアへ出て。ひと狩りすることになった。


 

 ……、ドラゴンがあくびをして寝ている……。

 センクウはヨスズに言われたとおり、まず〈環境フィールド魔法展開〉をする。するとセンクウとヨスズは人間一人分の頭ぐらいの高さまで浮遊した。

 元々、空を飛ぶゲームを沢山遊んでいたので、操作方法ははじめからバッチリな2人。

 展開される〈環境フィールド〉は、だいたい半径50メートル。今回は相手の環境フィールド展開は無いので比較的楽だ。

「んじゃ、本題の戦闘訓練しましょっか」


「ウシ! まず一発! 風光拳ふうこうけん!」

 ドラゴンへ頭一発、右拳から弱攻撃を食らわせて、敵は目を開けて起き上がる。


「グルルルル!」

 ドラゴンとの戦闘が始まった。

 豆知識4◇#環境フィールド

 分類◇#ギルドリーダー #パーティーリーダー #環境 #魔法 #フィールド #領界 #特性 #EWO3 #第1章

 解説◇環境と書いてルビはフィールド。EWO3から登場の特殊固有名詞。ギルドリーダーまたはパーティーリーダー1名だけしか〈環境フィールド〉は張れない。特性として、自分に有利な環境フィールドに書き換えることが可能。EWO2のフィナーレイベントで、ギルド同士の決闘、四重奏VS放課後クラブで、センクウがヤエザキに負けた大きな理由が、今まで戦ってきた〈環境フィールド〉の違いが大きい。 仮に、小説・漫画・動画・政治、と〈変換魔法〉を執行しても微妙に歪みが生じるのがこのため。例えば、小説畑という名の〈環境フィールド〉をヤエザキが〈環境フィールド展開〉した場合、その中で戦う漫画畑のセンクウは、環境フィールドに慣れておらず不利だった。同じく動画畑という名の環境フィールドも違うので自分の土俵で戦えなかった所もある。サッカーで言うとアウェー。自分の有利な環境フィールドに書き換えられるかどうかで、その後の勝敗が大きく変わる。お互いに、環境フィールドを張った場合。境界線が生まれ、その範囲内で雌雄を決する。環境フィールド魔法は空間全域を包み込むことも出来るし、自分のギルドのみの展開や、数名・1個人のみで展開することも状況によって変化可能。カスタマイズの幅が広い。


 豆知識5◇#浮遊ふゆう

 分類◇#ギルドリーダー #パーティーリーダー #環境 #魔法 #フィールド #領界 #特性 #EWO3 #信条戦空/センクウ #第1章

 解説◇センクウの〈環境フィールド〉。この効果をリーダーが発動すると、パーティーメンバー全員に〈浮遊〉効果が付加される。空を飛べるようになり。地面タイプの技や効果を無効化する。単純明快な特性だが、消費コストが低く、応用範囲も広い。


 豆知識6◇#エンジョイメーカー

 分類◇#ギルドリーダー #パーティーリーダー #環境 #魔法 #フィールド #領界 #特性 #EWO3 #天上院咲/ヤエザキ #第1章

 解説◇ヤエザキがEWO2のフィナーレイベントで無意識下で張った〈環境フィールド〉。自分や周りが楽しめることの優先順位が第1位になる。それは例え論理が破綻しているような技や行動でも突き進むことができる。


 豆知識7◇#セカンド経験者

 分類◇#冒険者 #EWO2/EWO3 #経験者 #名称 #第1章

 解説◇過去、EWO2を含むその他色んなゲームを経験した古参の集まりを〈セカンド経験者〉組と呼ぶ。2(ツー)経験者でも良かったが、発音的に呼びにくいのでセカンド経験者と呼ぶようになった。特徴としてはその迷いの無さや、場数を踏んでるな、という感じの動揺がほぼ無い。皆、前作で鍛えられてしまったからだ。

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