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第27話「夜鈴の電撃対策」

「まずい、真面目に電撃対策しなくちゃ……。このままじゃマトモにゲームプレイも出来ない」

 まあ、桜愛夜鈴さくらよすずがそのような思考に至るのは至極当然の流れで……。


「お前自分の電撃でHP減ってるもんな」

 信条戦空しんじょうせんくうは、他人事のようにそう言うわけで……。


 実際、ヨスズは。自分の〈闇雷あんらい〉で自分の脳天を貫いている……、観ているこっちが痛々しい感じに。良い感じにビリビリしている。

 ヨスズの名誉のために言っておくが、決して快楽の方では無い。本当に、痛いのだ。めっちゃ痛いのだ。自分で発電して自分でダメージを負うくらいにはコントロール出来ていない。


「ヤケドならともかく、電撃を上手く操れてないしな。ゴム装備にでもするか?」

 日曜双矢にちようそうやもあきれ果てるように言ってくるし……。


「レディに真面目にゴム装備を勧めるのはどうかと思うなぁ~。あ! でも、ゴム装備ワンピースなら少しは楽になるかもよ!?」

 京学文美きょうがくあゆみも明後日な方向に話題がどっか行くし……。


 そんなボケにツッコミを入れる余裕すら、今のヨスズには無い。

「そうなってくると、……まずは装備品かしら。何にしても、誰かしら【私の電撃対策】しておかないと、ゲーム進行に支障をきたすし。てわけで、街の中の行き先は、商業エリア? 武器工房?」

 ヨスズの問いに、ソウヤが答える。

「武器工房だろうな、防具のオーダーメイドだと。1Cエリアだ」

 

 というわけで、次の目的地は1C、武器工房エリアに決まった。



 《カルテットタウン》1C、武器工房エリア。防具屋。


「シャーシャシャラッシャッセー! 今回はどのようなご用件で!? グワアアアア!!」

 瞬間、ヨスズの〈闇雷あんらい〉によって、良い感じの従業員の脳天は貫かれた。……いやマジで洒落にも冗談にもなっていない。従業員痛そうにしてる、イヤ、実際痛いのだろう。本気を出した〈闇雷あんらい〉はめっちゃ痛いのだ。


「こ……、コイツを制御、または防げるような。良い感じの装備品を探しています……」

 電撃、……そう電撃なのだが。こいつは〈闇雷あんらい〉、良い人物には優しく〈電撃でんげき〉をかますし、悪い人物にはそりゃあもう容赦なく電撃をかます。

 しかも、言う事を聞いているようで。全く聞く耳持たない感じのエスパー電撃なのでコントロールが難しい……否。制御不可なのだ。しかも見えない、〈不可視の電撃〉なのだ。隠蔽する気満々である。


「お、おうコイツは厄介そうだな。聞くが嬢ちゃん。コイツは体内から発電してんのか? それとも体外の自然物から発電してるのか?」

 おっちゃんはヨスズ嬢ちゃんの安否を本気で心配してきてくれた。

「基本的には体外からの電撃。でもたまに体内から自家発電して脳天貫くヤバイ電撃を放って来ます」

「呪いでは無いんだな?」

「呪いでは無いです。ちゃんと話せば解ってくれるので。逆に話さないとマトモにコントロール出来ません。とりあえず、脳天電撃を何とかしたいです」

「ふーむ、となると。全体はカバーできないが。ゴム製のワンピースと、ゴム製の麦わら帽子って所かな?」

 まあ、そういう解答になるよね。っと若干諦め気味なヨスズだった。


「まあ、そうですね。何にしても。脳天を貫く電撃はマジでやめて欲しいので。ゴム制の麦わら帽子があるのなら買います」

「体内発電だったら、ポーションを定期的に飲む手法かと思ったが、嬢ちゃんはその〈闇雷あんらい〉と仲良くする気はあるって事だな」

「ですです。なので手足は素肌のまんまで行きます。問題は頭、何ならゴム製のヘルメットでも良いくらいですね……兎に角、電気を通さない絶縁体であってほしいです」


「ふーむ、あるにはあるんだが。ファンタジー要素ゼロなんだよなあ~」

「高いの?」

「いんや、安い。魔物を倒して素材をゲットしないので簡単なものしか無いんだよ。〈ゴム製のワンピース〉と〈ゴム製の麦わら帽子〉は両方2000Vだ。合わせて4000V、リアルの値段も4000円だ」

「すると何か問題でも?」

「解るとは思うが。魔物を倒して合成した装備の方が性能が上なんだ。つまり、ちょっと電撃を通す。ま~簡単に言うと粗悪品だな」

「つまり。上質なゴム素材を魔物からドロップしないと、電撃を100%シャットアウトは出来ないと……」

「ま、そうなる。どうする嬢ちゃん」


「無いので買います。絶縁体ですし、今は雷耐性0ですし」

 ということで。


《ヨスズは〈ゴム製のワンピース〉と〈ゴム製の麦わら帽子〉を買って装備した》


「不服ですけど、無いよりかはマシです」

「で、どうする? 雷耐性が付く魔物退治にでも行くか?」

 ソウヤはヨスズに、狩りに行くか聞いたが。「それはもうちょっと考えてからにします」と、先延ばしにされた。

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