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第22話「シャフラン生存ルート2035」12時00分

 ――シャフラン生存ルート。



 西暦2035年22時55分。


 天上院姫は命令するように言う。

「一つ言っておく。私は〈幸せで完璧な世界〉を望んで過去改変に来たわけじゃ無い。そんなことやったって、皆が平穏で退屈で面白く無い世界になるだけだ」


「じゃあ何故今回は出動するの?」


「そりゃアレだ……えっとー。――シャフラン生存ルート」

 ラスボスにしては照れくさそうな顔をしていた。



 西暦2010年XX月XX日、24時00分。

 他の住人は最果ての軍勢、不動武と不動文が押さえ込んでいた。


「うおおお全部てぶっ壊れろおー!」

「真紅!」

 概念階層の塔の外側はそれはもう大惨事だった。ものと言うものがひっくり返っている。まるで世界の終わりのような光景だった。


 45分後、エネルギーというエネルギーを出し尽くして。力を出し尽くしたシャフランが居た。

「ぜえ! ぜえ! ……何なんだあんたらは!」

「私は未来から来た、ココとは別の世界から来たあなた。……って言ってもわからないか」

「ふざけた口を……!」

「まあ私の目的はあなたのパワー切れだから、元から倒す事じゃ無いんだけどね。私達はもっと難しいことにチャレンジしようと思ってる。私達はつまらないけどもっと価値ある時間をあなたに与えたい……」

「はぁ~!?」

 時計の針がぐるっと廻る。


 西暦2010年XX月XX日、00時01分。

 力尽きたシャフランは、大の字になってそれこそ死にそうな顔をしながら倒れていた。


 〈昔の桃花〉が目を覚ました。

「あれ? ここは、私どうして眠って……。あなた誰!? 私!?」


 そばに居た〈今の桃花〉は語りかける。

「これがシャフラン生存ルートよ。さあ、昔の桃花、ここからはあなたの物語よ。殴る必要は無い、シャフランはもう力尽きてるから。あとはもう思いっきり抱きしめてあげるだけ。……行ってらっしゃい」


 同じ桃花なのだからやりたいことは一緒なのだろう。と思って昔の桃花は今の桃花を信じコクリ、と頷いた。

「……うん」


 力尽きたシャフランを強く、強く抱きしめる。

「よかっだぁ……、本当にィ……、よがっだぁ……」

 安堵と共に力が抜けてゆくのを感じたシャフランだった。

「! ……。」

「好きだよ、シャフラン……」

「私も好きだよ、桃花……」



 今の桃花は安堵した。

「あとはもう、アイツらの物語だし。これ以上の接触はやぼだよね……」


 言って、今の桃花はタイムパトロール隊に連絡する。

『全員撤収する! 総員退避! 〈攻略組用の転移門〉へ急げ!』

『2012年のスズちゃんはどうします?』

『彼女の好きにさせなさい。それはそれで別の物語だから』

『じゃあ撤収! 撤収ー!』

 こうして、タイムパトロール隊は転移門から未来へ戻っていった……。



 現実世界、西暦2035年10月10日00時00分。

 今の桃花は宣言する。

「現時点をもって、〈ハッピーエンド大作戦〉を完了する!」

「いつそんな作戦名にしたんだ?」

『はぁ~~~~~~…………。』


 全員緊張の糸が切れて、めっちゃドッと疲れ倒れた。

 難易度Sは何かもう色々と酷かった。



 現実世界、西暦2035年10月10日12時00分。


 オーバーリミッツと湘南桃花は語らう。

「結局、何だったのかしら? 今回の騒動は」

「要するに、私の体のピクピクの悪化を防ぐための処置でしょ? これでダメだったらもう諦めて受け入れるしか無いわな……」


「ねえ、キスしてもいい?」

「は? いや私は百合には興味な……」


 チュ。


 それは唇で重ねるキスとキス。


「えへへ、拒否権はない」

「……は~」

 呆れてものも言えない桃花。


「ん」

「ん」


 どんなに姿形で騙しても、心は、騙せないのであった。



 四重奏4人組は思った。

『このリア充め!!!!』



「タイムパトロール」編、完結。

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