第18話「遊びではない2035」22時59分
ゲームマスター、天上院姫は攻略組の報告を受けて今後の検討に入った。
「うん、うん、よしわかった。出来るか解らんが、やってみよう」
サブゲームマスター天上院咲も一緒に居た。
「どうしたの?」
「すぐに、選りすぐりの攻略組を集めろ。難易度Sの任務だ」
◆
現実世界、西暦2035年10月9日22時59分。
集まったのは、今までの攻略組の精鋭達だ。
四重奏、4名。
信条戦空、桜愛夜鈴、日曜双矢、京学文美。
放課後クラブ、3名。
天上院咲、天上院姫、桜愛蒼葉。
非理法権天、3名。
レジェンドマン、湘南桃花、オーバーリミッツ。
最果ての軍勢、2名。
不動武、不動文。
脳筋漢ズ、4名。
ジャンプ、マガジン、サンデー、チャンピオン。
これら全員を合わせて〈タイムパトロール隊〉と呼ぶ。
◆
ゲームマスター天上院姫は言う。
「いいか。これは、ゲームであっても遊びではない。いや、冗談ではなくマジで。この16人にやって欲しいのは他でもない。2022年の湘南桃花を守って欲しい。〈しかもかすり傷1つつけても失敗〉だと思え」
蒼葉くんが言い寄る。
「なんで?」
姫は決意を新たに言う。
「そのかすり傷でとんでもないダメージを負うからだ。そして今回はいつものVRMMORPGではない。本気で精神と肉体ごとタイムスリップしてもらう。今回任務が複数ある」
◆
その任務とは。西暦2022年XX月XX日。
1、湘南桃花と湘南桜を無傷で吸血鬼大戦から生還させること。
2、アリスと紫に事件の説明を全部すること。
3、オーバーリミッツの暴走を止めること。
4、2012年から来た、神楽スズに事情を説明して生還させること。
5、それから1ヶ月後の宴会に参加する。
◆
蒼葉くんが語る。
「でもどうやって? 過去に戻るの?」
「とりあえず、君たちには〈タイムパトロール隊〉に入ってもらう。私は神様なので何でも出来るが……。西暦2022年XX月XX日にタイムスリップしてもらう。月日は不明だが、時間はしっかり決まっているのが今回の特徴だ」
いわく……姫は語る。
「23時00分から00時00分までの1時間の齟齬を無くす戦いが始まる。それまでに、日本人、桃花と桜を南方面へ脱出させ。アリスは運命の糸の操作を正確に伝え。紫にはイタズラをやめさせるように説得する。で、一番問題なのはオーバーリミッツが暴走状態の所からスタートし。それこそ空飛ぶ戦車並の砲撃で突っ込んで来る。生身の人間じゃとてもじゃないが防ぎきれない。これも超人にやってもらう。」
姫は1つ間を置いて……。
「で、事が済んだら宴会だ」
桃花が嬉し嘆く。
「喜んでいいのか悲しんで良いのか……」
咲が作戦表を16名各全員に渡してから言う。
「ふむふむ、なるほど」
「いいか? 派手なアクションはいらない。マジで0時まで生き残る事に専念しろ。時間に気をつけろよ~そうすれば、少なくとも終わりは見えてくる」
「5番の宴会以外は、全部1時間で終わらせなきゃならないのか……」
「そう、だから最初が滅茶苦茶大事。何が起こるか解らん、何せ吸血鬼大戦の頃のメンバーも16人居るからな」
「まじか」
「きっつ」
「全員は説得しなくて良い。とにかくシャフランだ、彼女の暴走を止めろ。瞬間移動の手段はめんどくさいから神楽スズが開けたワームホール? と呼ばれているものから再突入する。危険だが、これが一番齟齬がないんだ」
桃花が言う。
「クビになったりしない?」
姫が言う。
「わしらはそのあとの時間軸へ行きたいんじゃよ……」
そして、姫はワームホールを開ける。
「いいか? この先から出たら。本物の戦場だ、何が起こるか解らない、命の保証は出来ない。ゲームだが、死んだら彼岸花の一部になると、そう思え。で、戻ってきたら西暦2035年10月9日23時00分。だ1分後にまた会おう」
全員頷く。
「よし、じゃあ! 3! 2! 1! 今!!!!」
ギュイン!!!!
〈タイムパトロール隊〉は西暦2010年XX月XX日22時59分へと、ワームホールを使い。飛んだ。
◆
〈紅魔の館〉上空。西暦2010年XX月XX日22時59分。
そこには、シャフランがフランを刺そうとして。
更に、湘南桃花がそれを庇おうとして。
更に、神楽スズがシャフランを妨害して……。
更に、そのワームホールから更に16人の精鋭達、〈タイムパトロール隊〉が出現した。
――今度の今度こそ守るべきものを守るために。




