第14話「光と闇を受け入れろ 双矢後編」
全ての罪を知った、全ての罰を知った。
――それはただの罪という文字だよ。
と断罪することは出来る。だが、意味を与えてくれたのは、中身を入れてくれたのは皆だ。その意味を知り。受け入れる……。
「――だが断る――」
『『!?』』
光と闇のソウヤは驚いた。
「確かに、俺には最高最善の面もあるし。最低最悪の面もあり。どっちも本当だと言うことも理解できるし。受け入れられる」
『『じゃあなぜ断る!? 拒否する!? 自分で作ったルールだろ!? 自然の摂理を応用した大魔法だろ!? 何故拒否する!?』』
「わからないのか? 俺なのに」
――その理由は。
――決まっている。
「それじゃつまらねえからだ!」
『『!?』』
「ルール作って、完璧なルール作って。そのルールを、『型』を破って! その時初めて最高なんだ! その時初めて俺なんだ! 俺は、光も闇も、闇も光も受け入れるし! そのルールも受け入れられるが! 【それじゃつまらねえんだよ!】――だから断る!」
『『!?』』
「お前らを受け入れるのなんて当たり前だ! その上で俺は先へ行く! ……俺はそんな陰陽論はもう飽きてんだよ。何年そのネタで引っ張るつもりなんだよ! ザコは引っ込んでろ!」
『『……! で、これ以上の理論をお前は展開できるのか?』』
「今はまだ無い。単純も発展もまだ無いが。3次元的に捉えられるかもしれないが。そんなルール知ったこっちゃねえ。テメエでルール作って! テメエでルールをぶっ壊す! ソレが俺だ! お前を受け入れられないほど! 俺の器は小っちゃくねえんだよ! お前ら光と闇の俺は、一生そのルールの殻ん中で過ごすつもりか!? 俺はゴメンだね! 俺はそのルールの先の先まで遊び尽くしてえんだ!」
『『……、なるほど。俺達、光と闇のソウヤは、……そこで思考停止してしまったってワケだ』』
「そういうことだ」
『『「思考停止はこのゲームでは敗北を意味する!!!!」』』
光と闇のソウヤは、なおも声を重ねて言う。
『『……俺達、光と闇の負けだ。さっさと次のステージへ行け』』
「あ、あ、そうさせてもらうぜ!」
『『楽しみにしてるぜ! 善と悪、光と闇、過去と未来、その先の世界!』』
ガシ! っと3人は手をグーポーズでアクションしてそしてそれぞれ別々のリアクションをした。
「さあ、次の冒険が待ってる! 何でも来やがれってんだ!」
《イベント名「光と闇を受け入れろ」。プレイヤーソウヤ、ゲームクリア!》
四重奏が散り散りになった広場に再び帰って来るソウヤ。
「あ! ソウヤくん! どうだった!? 怖いこととかなかった!?」
「あぁ、前半は確かにビビったが! 後半は余裕だったぜ! 強がりじゃねえぜ? ……本当だぜ? 受け入れるだけの簡単なお仕事だったぜ……?」
その時。アユミとソウヤの間には、ドコか懐かしい温かみが広がっていた。
2人は2人の過去を受け入れて、まだ観ぬ先、未来へと歩き出した。
(はぁ、……なんとか乗り切ったぜ……)
実際、結構危ない橋を渡ったような気がしたソウヤだった。
「さて、それはそうと……」
2人はセンクウとヨスズのゲートを観て。
「大丈夫かアイツら……特にヨスズは……」
「大丈夫だよ、2人とも強いもん。光にも闇にも、きっと負けない! あ! フラグじゃ無いよ!?」
「それがフラグだぜ……」
センクウとヨスズはどうやってこの試練を乗り越えるのか……。
「特にヨスズはなぁ~……あいつ貯め込みタイプだし……」
「デート戦争の時もしんどそうだったもんね~~……」
2人はゲートの向こう側を観た。