表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/30

運営陣1

 現実世界、西暦2035年10月2日。


 神道社総合委員会しんどうしゃそうごういいんかい

 ゲーム、神道社の重要責任者が集まる会議である。



 日本国首脳、今泉善次朗いまいずみぜんじろうは言った。

「ことの真偽はともかく。ここでは真実を言わないと議論が進まない、誤魔化さないで。そのままの体での意見を望む」


 家族の善神、天上院咲は言った。

「ところでさ、お姉ちゃんが昼寝したら日本のトップが寝込むし、お姉ちゃんが怒ったらロシアのトップがロケット弾発射するの……。どうなの?」

 

 自由の悪神、天上院姫は言った。

「んなこと言ったってその場の感情は操作出来ないだろ……自然の成り行きじゃし……」


 最果ての軍勢、不動武は言った。

「で、実際問題どうすんの? 安全装置セーフティも無いし。こと、そちらの姉妹神様には安全装置いると思うんだけど」


 姫は言った。

「直感の感情はどうしようも無い、体温計で数値を測るとかじゃないか?」


 咲と姫は言った。

「体温計って……、それって世界内感情測定機せかいないかんじょうそくていきって所かな?」

「名前長くね? 世界感情計せかいかんじょうけいでよくね?」


 そこには、喜怒哀楽の感情を100%として表示される体温計っぽいのが置かれていた。

「で、作った」

「速い」


 ピピピ――。


 自由の悪神、天上院姫、世界感情計。

 喜20% 怒30% 哀20% 楽30%


「お姉ちゃん思ったより楽しそう……」

「まあ、虚偽だったらな。刺激は強いしいい感じ」

「はぁ……私も測るか……」

 言って、咲も感情計を測る。


 ピピピ――。


 家族の善神、天上院咲、世界感情計。

 喜10% 怒20% 哀60% 楽10% 


 アメリカ合衆国大統領、ジョンサーガは言った。

「直感の感情はどうしようも無いが、これらの数値である程度『予測しろ』……ということか」


 姫と咲は言った。

「まあそうなる。天気予報のように予測するしか方法が無い。でなきゃ現実世界で自分からロケット弾のボタンなんて一生押すもんか」

「そりゃそうだ」


 神の御心のままに、いわゆる〈神官〉系の人が代行となってやってくれてるんだろうけど。……、とどの所この姉妹にとっては「????」でしか無いのだ。


 で、話を本来の仕事であるゲームの話へ移る。姫と咲が話す。

「で、EWO3の調子はどうじゃった? 湘南桃花は相変わらずだったけど。まああれは自業自得じゃけど、そろそろ許されていいはずじゃ」

「ゲームとしては特段問題は無いんだけど、……問題は現実世界を意識しちゃうって事だよねえ~……」


 今泉善次郎は姫に言う。

「そこは君たちが今まで知らなかっただけで、現実はこうなんだ。慣れてもらうしか無い」

「慣れねえ~……」

「それでも戦いをやめて欲しいのなら、君たち姉妹神の総意で。『戦いをやめて下さい』と言えば、言い続ければ。恐らく世界中の全ての〈いくさ〉にケリがつく」


 姫は唖然とする。

「……、そんなに?」

「人間が信じる神様を何だと思ってるんだ。それほど、人の宗教による信仰というのは、世界にとっては絶大なんだよ。ここは日本で、君たち人間の姉妹は戦争を知らず、仏教を何となく受け入れてるかもしれんが。……世界は違う」


 でなければ、世界がココまで大きく動くとは到底思えないほど。健やかに実行に移してくれているからだ。


「「……、……」」


 世界は、闘争と育成、……どちらを選ぶのか……。

 豆知識14◇#世界内感情測定機せかいないかんじょうそくていき

 分類◇#運営陣 #会議 #世界感情計せかいかんじょうけい #ゲームマスター #天上院姉妹 #EWO3 #神道社総合委員会 #第2章

 解説◇略称しても、世界感情計せかいかんじょうけい。感情の体温計のようなもの、これで普段から測定して。天気予報のように〈予測よそく〉するしか危機回避の方法が存在しない。測定は喜怒哀楽で表現され、ちょうど100%になるように感情計は測定する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ