表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/30

第10話「1人はよせ」

 受付嬢、湘南桃花は、何の因果か神社で安静にしていろと言われ。寝ていた。

「どうしてだ~。……どうしてこうなっだ~……」

 自分が一番知りたがっていた。


「誰がどう見たって過労です、ありがとうございました。」

 呆れたように細め眼になりながら、オーバーリミッツがツッコミを入れた。

 


「消える螺旋丸! 改め! 消える風光拳!」

 が、そんなもの〈世界100%〉には通用しない。チェンは軽く防御する。

 一通り、攻防一体の〈世界〉と〈自分〉のチェンと連打を打ち合った後。理解する、理解したと同時に陰陽系1位絶対王者チェンは言う。

「で、ココまでが君が今まで戦っていた環境フィールドだ」

「わざわざウチの状態と同じにしてくれたって事か!」


「そういうこと」

 と、連打をお見舞いするチェンだが。その攻防は〈自分100%〉〈世界50%〉〈自分20%〉〈世界80%〉と目まぐるしく〈イコール〉を流動変化させる離れ業だった。


「これならどうだ! 天然蒸気拳!」

 何の刺激も無い、水蒸気エネルギーがチェンを襲う。が、これもチェンは軽くいなす。

「なるほど、強すぎる力と刺激を。発想を逆転させて少なくしたか、それはまあ悪くない。だが」


 チェンは助言する。

「【1人はよせ】、ここからは2人の攻防だ。僕の能力の本来の使い方をしよう」

 言って、前提条件を改める。


環境フィールド展開、【センクウとチェンの戦闘力を平等にする】すると、どうなると思う?」


「知るか! 戦車脚!」

「こうなる! 戦車脚!」


 ヨスズ、ソウヤ、アユミが交互に驚く。

「!? 同じ技!? 相打ち!?」

「いや、よく見ろ。【チェンの方が上手に戦車脚を使いこなしてる】……!」

「同じ特殊能力同士だと、そりゃ技術が上手い人のほうが勝つよねえ~」


「ち! 磁界脚高速移動!」

「ふ! 磁界脚高速移動!」


 リニア新幹線に乗ったかのような高速移動。S極とN極の狭間で肉体的攻防を繰り返す。

「この能力最大の特徴はね、性質を何でも平等にするから【攻撃が必ず当たる】ってことさ!」

「だからあとは! 自慢の体術勝負ってことか!」

「そゆこと、普段から特殊能力ばっかり鍛えてる相手には。これが滅法効くのさ、何せ大体の能力者は普段、体術を鍛えるのを怠っているからね!」

 この能力だと、相手と能力が全く同じになり。あとは体術による力押しで勝てるという戦法だ。

 そしてチェンは、体術に関してはオリンピックに出場できるレベル。並の能力者じゃ全く歯が立たないのだ。


「消える風光拳!」

「消える風光拳!」


 ドゴオン! 地響きと共に空気が揺れる。

 左右上下高低からの回転旋回、突きに連打にいなす……。

 どの攻・防・速でも勝てなかったセンクウは、最後に〈戦車脚ヒザカックン〉をされて、ビタン! っと地面にダウンする。


「ふう、今回の所はここまでにしよう。これ以上を望むと、本当に君の世界は核戦争でもしてしまいそうだしね……」

 一筋の熱血の汗を流しながら。


「お、……押忍……ッ!」

 勝負あり、チェンの勝ちだった。



「いやマジで強いし……! なんだあれ……?」

「本当よねえ~初見で知らない所からの情報でも自分の血肉にしてしまう」

「あの応用範囲の広さは本当敵に回ったら脅威だよな」

「実際、敵側なんだけどねぇ~魔王軍は~」

 帰り道、センクウ、ヨスズ、ソウヤ、アユミは交互に意見交換をしながら。

 ギルド中央広場の帰路についた。


 で……、なぜか桃花先生の体調が良くなってた。センクウが質問をする。

「何したんだ先生?」

「こっちが聞きたいわよ……」


 と、ここでメッセージウインドウが鳴った。

《1日目を終了します。メンテナンスをしますので全プレイヤーはログアウトしてください》


「お、やっぱ初日ログインからのメンテはどのゲームでも通例なのな」


 ということで、今日1日はこれにて終了。

 皆、明日からのメンテ開けに心を踊らせるのであった。

 

 EWO3の初日が終了した……。

 豆知識13◇#和を以って潰しとなす

 分類◇#ギルドリーダー #パーティーリーダー #環境/フィールド #領界 #特性 #EWO3 #最果ての軍勢 #チェン #第1章

 解説◇指定したモノとモノを平等にする。指定できるモノは、術者が知っている単語のみとする。意味を正確に理解しないでモノを指定しても、効果が誤認識することが確認されている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ