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今日は出来上がった制服を取りに行く日だ。
ラナンキュラス学園の制服はすごく可愛い。前世で登場人物たちが着ているのを見て憧れていたので、今日のことを楽しみにしていた。私が入学するのは初等部なので、主人公たちが着ていたものとは、細かいデザインが異なるんだけどね。
その制服はワンピース型になっていて、深い赤を基調としており、裾にはきらびやかな刺繍が入っている。首元のリボンは明るい黄色で、リボンを留めるシルバーの金具には校章が刻まれている。実際に見てみてもやっぱり可愛かった。
わくわくしながら、袖を通す。
試着室の鏡に映った自分を見てみる。ほぉ、なかなか似合っているんじゃないかな。
ちょっと緊張しながら、試着室を出た。
……どうでしょうか。
「うわぁ、にあってる。かっこいい!」
最初に反応してくれたのは、コリスだった。えへへ。似合ってるだって。
ん……かっこいい……?
「ほんとに似合ってるわね。可愛いじゃない」
えー。可愛いだって。
「うん。似合ってるな」
なんと、お父様にまで褒めて頂きました! やったー!
帰りにレストランによって、夕食をとることになりました。みんなに褒めてもらい、私は上機嫌だ。頼んだのは、牛肉の赤ワイン煮込みです。
うーん。お肉がとろけるー。美味しい。今日はなんて素敵な日なんだろう。
「アーメナももう学生なのね」
「そうだな」
しみじみと呟くお母様に、お父様が頷く。
まぁ、まだ入学式まで時間はあるけどね。
「学園には様々な方がいるのだから、ノーラド家の名に恥じない行動をとるのよ」
「はい。お母様」
間違っても強制退学なんていう、家名に泥を塗るようなことにならないように頑張ります。…実際、漫画のアーメナは勘当されている。本当に行動には気をつけないとな。
「アーメナ、肘をつくのはやめなさい。行儀が悪いでしょう」
思ったそばから注意されてしまった。以後、気をつけます。