07【世界地図】
人類みなニート~働いたら負けかなと思う~
主人公「葉月博、26歳」
女神「ターニャ、17歳」
異世界転生を余儀なくされ転生するも何故か女神ターニャも一緒に転生
仕方なく一緒に旅をする事になったのだが転生時に初心者パックを渡すのを忘れたりと
長く旅をするにつれ女神ターニャのポンコツぷりが露呈し始めるのであった
そんな到底女神の行動とは似ても似つかないポンコツ女神ターニャとの異世界のんびり?転生珍道中物語です
部屋に着くなりターニャはベッドに倒れ込んだ
「はぁーベッド最高~♪」
「なんで俺がソファーなんだよ」
「正真正銘イカサマ無しのジャンケンで決めたんだから文句を言わないの」
「これからずっと俺はソファー暮らしなのか?」
「さーねー♪あなたの奉仕次第かしら」
「奉仕ってお前なー」
カランカラン♪
廊下から鈴の音が聞こえてきた
「お泊まりのお客様、お食事の用意が出来ましたウサ!一階の食堂までお越しくださいウサ!」
「ほら早く行きましょ、いい席が無くなってしまうわ」
「ああっそうだな」
【食堂】
「ご注文はどうするウサ?」
「そうねオススメは何かしら?」
「この町名産品人参と魚のパイがオススメウサ」
「じゃあそれで」
「俺も」
「あとスープとワインを頂戴」
「了解だウサ」
目の前には熱々のパイが並ぶ、美味しそうだ
「「いただきます」」
一口目を頬張った瞬間、口の中に人参の旨味が広がった
「う、旨い」
「ウサウサこの町の人参は世界一ウサよ」
「確かこの美味しさは格別ね」
そこから手が止まる事はなかった
「ふぅー旨かった」
「ウサミさん、ごちそうさま美味しかったです」
「お口に合ってよかったウサ」
そう言うとウサミはワインのおかわりを持ってきてくれた
「これからどうするんだ?人族の領域に行こうにも、歩いて行ける距離じゃ無いんだろ?」
「そうね、お金も稼がないといけないしね」
「今持ってる金じゃ心許ないからな、しかしどうやって稼ぐかが問題だな」
「そんなのギルドで依頼を受ければいいじゃない、お金も稼げてレベルも上がる一石二鳥よ!」
「そんなに上手い事いかないだろ?」
「あんた私が誰だかわかってるの?」
「ニート」
「違うわよ!女神よ女神、この気高く美しい女神パワーでモンスターなんてお茶の子さいさいよ!」
「その自信は一体どこから出てるんだコイツは」
「フフフ!モンスターどもにこの女神ターニャ様の前にひれ伏させてあげるわ!アハハハッ!」
「大丈夫なのだろうかコイツは?
それにしても今日は疲れたな、さっさとベッドで寝るとするか」
「あなたはソファーだけどね」
「やっぱり」
「当たり前でしょ」
俺達の夜は更けていった
チュンチュン♪チュンチュン♪
俺は仁王立ちで腰に手を当て窓から外を眺めていた
「ふぅーこれが朝チュンってやつか」
「ふぅーこれが朝チュンってやつかじゃないわよ、気持ち悪い」
「はぁー?何がだよ」
「何もかもだよ!」
「読者へのサービスだろサービス」
「はぁーもうほら早く食堂に行くわよ!」
【食後】
「で、今日はどうするんだ?」
「昨日も言った通り買い物よ買い物!とりあえず先に地図を買いましょう」
「そうだな地図が無いことには何も始めれんからな」
「ほら早く行くわよ」
【雑貨屋】
「いらっしゃいませ~」
「地図が欲しいのですが」
「地図ですか?古代地図なら有りますが?」
「あーいえ最新のが欲しいのですが」
「ああーそれならギルドで販売してますよ」
「えっ?そうなんですか?ありがとうございます、助かります」
「いえいえ、何か入り用がございましたらその時にでも」
俺達は店を後にした
「なによあの筋肉、地図が有るなら最初から寄越しなさいよまったく二度手間じゃない」
「そういうな職業の事で俺達もてんやわんやしてたんだから仕方がない」
【ギルド】
「いらっしゃいウサ、あっ!葉月さんターニャさんウサ」
「おはようこざいます!ウサメちゃん♪」
「おはよございますウサ」
ああっ今日も美しい、そのタワワに実ったもというさ耳をモフモフさせてはくれないだろうか
「ギャッ!」
「どうしたウサ?」
カウンター越しで見えないのだろうターニャが俺の足を踏んでいる
「な、何でもないでーす」
「ウサメさん地図が欲しいのですが、ここで貰えると聞いたのですけど」
「はいどうぞウサ」
「ありがとうございます」
「んー乗り物が無いとどうしようもない広さだな、転移魔法みたいなのは無いのか?」
「古代魔法だな」
「出たわね筋肉」
「古代魔法?」
ラービ「ああ、かつて存在したと言われる古代魔法にして禁忌の魔法の一つだ」
「転移魔法が禁忌?」
「好きな所に自由自在に現れるんだぞ」
「犯罪をやりたい放題ね」
「実際、ガリューダが父を殺せた理由がそれだと言われている」
「目の前に現れてズドンか、他に転移魔法を使えた人は居なかったのか?」
「そもそも転移魔法自体使える奴が世界に三人しか居なかったって噂だからな」
「三人?」
「ああ三人の賢者たち」
「賢者がいるのか?」
「かつて存在したらしいがどうだかな」
戦争が起こるもっと昔
悪魔率いる魔王が世界を牛耳っていた
その魔王を討伐するために人々は命と引き換えに異世界より三人の稀人を召還した
金のハヤテ、銀のカケル、光のメグミ
彼らは誰も見た事の無い魔法や兵器で魔王を倒し世界は平和になりました
しかしあまりにも強大な力を持つ三人に人々は恐怖を覚え
その結果、三人は話し合い、三人は個々の力を指輪に託し、二度と会わない約束を交わし散り散りに暮らし始めました
それが今の人間領、亜人領、魔人領の3つだそうだ
「まぁーよく有る子供向けのおとぎ話だな、だが三賢者が残した古代魔術や兵器などありとあらゆる賢者達の知識が記載された書物がこの世界のどこかに眠っているらしい」
「それを見つける事が出来たらもしかしたら現世に帰ることが出来るかも」
「ちょっとこっちに来なさい」
そう言ってラービから少し離れる
「何だ?」
「忘れたの?あなたは召還されたのでは無く死んで転生したのよ、仮に現世に帰れたとしても魂だけ肉体はもう無いのよ」
博「......そうかそうだったな、ハハッ」
俺は気丈にも笑って見せた
よろしければ感想、ブックマークお願いします。