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53【狗影流忍術】

この目的の無い異世界を旅する物語


葉月博(はづきはく)26歳】人種族

現世で死に異世界へと転生したごく普通の一般人である

カンナの婚約者で最近、ネーアとも婚約者となり領地ドラザーヌの領主と男爵を魔人王より任命された


【ターニャ17歳】女神族

天界で失敗続きだったので、神により天界から異世界に落とされた四級限定の駄目神

博を一人前にする事が天界へと戻れる唯一の方法である


【カンナ16歳】猫人族

元孤児院の心優しい女の子

今は博の第一夫人候補として常に側にいる

第二夫人候補のネーアとはある日を境に意気投合して姉妹のように仲良くなった


【ネーア13歳】竜人族

魔人領統括の魔王の四番目の娘、上には姉二人と兄が一人いる

成人の16歳を迎えると博と結婚出来るのでそれまでは側にいて悪い虫が付かないように牽制している


【ドーラ19歳】バンパイア族

博とネーアの使用人にして元警備兵隊長

代々魔王の城を警備する家系の子に生まれネーアとは年齢が近かった為、幼なじみとして共に育った、ドMの変態元騎士


紅葉(もみじ)】犬人族

先代領主からの使用人でありメイドを統括するメイド長である

炊事洗濯から暗殺まで何でもござれのスーパーメイド


【リズベリー】妖精族

山賊に捕らわれていたので故郷まで送り届ける事となった

愛の力で人間になる事が出来、仲間になった

因みに空を数分なら飛行する事も可能である

その夜、トイレの為目覚めた博は明かりの付いた居間で話し込んでいた紅葉一族に耳を傾けた


「紅葉済まない、不甲斐ない父を許してくれ」


「父さん狗影流存続の為に仕方の無い事です」


「済まない...あの時の借金がコレほどまで膨れ上がるとは思っていなかったんだ」


「父さん頭を上げて下さい、私1人犠牲になるだけで村の皆が助かるのですから安いものです

だから安心して下さい」


「あんな奴らに紅葉を私の可愛い娘をやるなんて...」


「大丈夫ですよ、父さん...」


「...あんな奴ら?...紅葉をやる?一体どういう事だ?」


そんな事を考えていると不覚にも博の足元がきしむ


「誰だ!?...領主様!!」


「すまない、盗み聞きする気は無かったんですが、たまたま2人の話が聞こえて来て...」


.

..

...

「あの差し支えなければ詳しく教えて頂けませんか?」


博の申し出に紅葉の父は語り始めてくれた

狗影流忍術、数百年の起源を持つと言われる暗殺を得意とする忍術部隊であり数々の要人達を影で支えて来た由緒ある一族です

しかし先々代と部下がとある任務で失敗を犯して莫大な違約金が発生しました

そして責任を取る形で先々代の長は任務を失敗した者と共に命を絶ったのです


「えっ!?任務失敗ぐらいで死ぬのですか?」


「領主様、お言葉ですがそれが我々影に生きる者の宿命です」


「じゃあもし紅葉が何か任務を失敗したら...」


「はい、私は娘共々命を絶つ覚悟はあります」


そのジッと此方を見つめる真剣な目は嘘を付いている様には一切思えなかった


「しかし長が死のうと違約金は無くならないので、村から何とかかき集め違約金の半分を支払い残りを少しづつ返済していたのですが...」


「だ、大丈夫ですか?」


嫌な事を思い出しているのだろうか?言葉に詰まる紅葉の父


「返済相手である人間族の貴族様は任務を失敗した我々に大変良くして頂きました

ですが、その貴族様が病で倒れられ息子に代替わりしてから無理難題を押し付けて来たのです

しかし我々はどうにかこうにか耐え忍んで来たのですが、奴はとうとうこの土地に手を出して来たのです

違約金の利息代わりだと言って土地の権利書を奪い取り

更に我が娘である紅葉を側室として迎えいれるから寄越せと言って来たのです」


「ふざけるな、紅葉は誰にもやらん!紅葉は私の物だ!」


博は立ち上がりそう叫んだ!

すると父はポカンとした顔を見せ紅葉は恥ずかしそうに顔を赤らめうつむいた


「りょ、領主様、それは一体どういう事なのでしょうか?

も、紅葉は私の物とは?

もしかして紅葉は既に領主様の、そ、その妻であらせられるのでしょうか?」


「ん!?違います違います!そう言う事では無くてですね、それ程に大事な人だと言う事ですよ」


それを聞いて父はホッと胸をなで下ろし紅葉の尻尾は少しションボリと垂れ下がっていた


「因みに違約金の残りは幾らなのですか?」


「白金貨2枚です」


「白金貨2枚か日本円で大体二千万位か、今は手持ちが無いが払える金額だな

わかりました、残りの違約金を自分が払いましょう!!」


「よ、よろしいのですか?そんな大金?」


「そうです博様、

私が側室に行けば済む話ですので博様がお支払になる必要は有りません」


「もし紅葉が側室に行った所で第二第三と要求はしてくるだろう

だったら根本的にその違約金を支払い終えるのが賢明な策じゃないのか?」


「ですがそんな大金、私達狗影流忍術が受け取る義理は有りません」


「大丈夫さ!」


そう言うと博は紅葉の頭を優しく撫でた


「これは俺とお前の結納金さ!!」


「領主様!!」「博様!!」


こうして俺は伝書鳩を使いドラザーヌに残して来たカンナちゃんとネーアに事の次第を伝え白金貨を運んで来てもらう事になった

作者のモチベーションが上がるため

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