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48【またお前達かよ】

人類みなニート~働いたら負けかなと思う~


・主人公「葉月博(はづきはく)26歳」

・女神「ターニャ17歳」

・猫人族「カンナ16歳」

・竜人族「ネーア13歳」

・バンパイア族「ドーラ19歳」


若干26歳で亡くなり異世界へと飛ばされた博は何故か一緒に飛ばされた女神ターニャと共に旅をする事となる

しかしこのターニャは無能と言うなの二文字が良く似合う女神であった

為すこと全てが最悪の方向へと進む中、博達は仲間を集めてこの目的の無い異世界を旅するのであった

「お土産まで貰っちゃってなんだかすいません」


博は自分の鞄をポンポンと叩きながらお母様にお礼を述べていた


「あらあらお礼なんていいのよ~娘を助けてくれた事への感謝なのだから気にしないで~♪」


相変わらず終始ニコニコと穏やかな表情のお母様とは対照的にうつむき元気がないリズベリー


「ほらリズベリーちゃんもちゃんと別れの挨拶をしなさい」


「う、うん...みんな元気でね...」


そう言い放つとリズベリーはお母様の後ろに隠れた


「最後の別れって訳じゃないんだし暇が出来たらまた来るよリズベリー」


「.....うん、約束」


リズベリーはその小さな手をお母様の影から差し出し博はそれに応えた


「じゃあみんな元気でね、今度来る時は何かお土産でも持ってくるよ」


「本当に!?ヤッター」

「お菓子♪お菓子♪」


妖精達に見送られながら博達はゲートへ歩き始めた


「......ねぇお母様!一つお願いがあるの!一生のお願い!」


「ウフフッ♪何かしらリズベリーちゃん?」


お母様は全てを見透かしたかのようにリズベリーの話を聞いていた


「あ、あのね私やっぱり博達と、ううん博と一緒に居たいの!

だから、だから私を人間にしてお母様!」


「あらあらそれは大変ね~でもリズベリーちゃんを人間にはする事は私には出来ないの、ごめんなさいね」


「え?なんで?お母様の力だったら私独りぐらい人間にする事なんて簡単じゃないの?」


「ウフフフッ、私の力では意味がないのよリズベリーちゃん、自分の力で人間になりなさい」


「どういうことなのお母様?」


「それはね」

お母様がリズベリーに耳打ちで語りかける


「ありがとうお母様、行って来ます!」


「いってらっしゃい~気を付けるのよ~♪

フフフッあの子にも恋心が芽生えてしまったのね昔の私みたいに......

でもねリズベリーちゃんこれだけは覚えておいてね、私達は妖精いつか別れは来るものだと言うことを...」


ゲートは森の入口に置かれた馬車の目の前に繋がれていた


「おーい!みんなー!」


博が後ろを振り返るとゲートからリズベリーが勢い良く飛び出してきた


「ん?リズベリー?どうしたんだ忘れ物か?」


リズベリーはその小さな手で握り拳を作りながら勇気を振り絞り博に問いかけた


「あ、あのね私、博に付いて行ったダメかな?」


「へぇ?俺と一緒に?リズベリーが?」


「う、うん!ダ、ダメかな?」


「いや俺は別に構わないけど、皆はどう思う?それにお母様は?」


「お母様は行って来なさいって」


「私達はあんたに任せるわよ一応このパーティーのリーダーな訳だし」


「じゃあ決定だな、これからよろしくなリズベリー」


「うん!よろしくね博!」

チュ!


リズベリーが博の頬に口づけをすると体が光り出し見る見るうちに大きくなっていった


「ホントだお母様の言った通りだ!ヤッタヤッター!人間になれたー!」


目の前には服が破れ裸の高校生ほどに成長したリズベリーが嬉しそうにピョンピョンと飛び跳ねていた


「うむ!素晴らしい!」


リズベリーがピョンピョンと飛び跳ねるたびにその胸が上下左右に揺れるのを博は嬉しそうに眺めている


「博ありがとう!私、博のお陰で人間になれたよー!」


リズベリーは嬉しさの余りそのまま博に抱き付いた瞬間、後ろから無数の殺気が博へと向けられた

その殺気は勿論、カンナちゃん達であるが


「ちょっと待て待て裸で抱き付くな、せめて服を着てくれ」


「あっ、ごめんなさい嬉しさのあまり忘れてたよ~」


馬車で着替えをすませている間に博はカンナとネーアからのキツーイお説教タイムがあった


「じゃあ改めて自己紹介するね

妖精族のメアリー・エフ・リズベリーです気軽にリズと呼んで下さい

不束者ですがどうぞよろしくお願いします」


「はい拍手~」


パチパチパチパチ


「てか何で博はそんなにボコボコになってるの?さっきまで何も無かったよね?」


先程のお説教タイムというなの折檻によって出来たケガであるが言える訳がない


「気にするな、さっきそこで転んだだけだから」


「ふーん、わかったわ」


こうして妖精族リズベリーを仲間に迎えた帰り道、崩落していた橋が木の桟橋に建て替えられていた


「仕事が早いね~♪」


博達は疑う事もせず橋を渡ると、どこからともなく聞き覚えのある声が聞こえてきた


「アーハハハハッ!待っていたぞ」

「来た来た~!」

「目標発見~!」


目の前に例のドライアド集団が現れた

そんなドライアド達を見て博はタメ息混じりで馬車から降りて行くのであった


「はぁーおいおい今度は何のようだ?もう木は傷付けていないぞ?」


「ダーハハハハッ!今回は違うのだ~!」

「いまさっき橋を渡ったな!」

「渡った渡ったー!」


「渡ったけど何か問題か?」


「フハハハハッ!

あの橋はな私達ドライアドが建てた物なんだよ」


「へぇーすごいじゃないか!助かったよありがとう!じゃあ俺達先を急いでるから」


何か有ると悟った博が華麗にスルーパスを決める


「じゃあねー!.....って待たんかい!」

「逃げられへんで~!」


「ちっダメだったか!で一体何のようだ?」


「兄ちゃん払うもん払って貰おうか?おう?」

「そうやそうや払うもん払わんかい!」

「そうやちゃんと通行料払って貰いましょか~」


「通行料?」


「そやでーあの桟橋建設するのに地元の住人とエラい揉めましてなーぎょうさん銭掛かりましてん」

「私らも慈善事業とちゃいますさかい出て行った分の銭回収しなあきませんねや」

「わてらも銭回収せんとな兄貴にどやされてしまうんですわ!」

「と言うことで払うもん払ってくれまっか?」


「金か?いくらだ?」


「銭はいりまへんねや、それよりも兄ちゃんの体で払って貰いまひょか~」

「はよ払った方が楽やで~」

「大丈夫やでおっちゃんは上手いさかい優しくしたるからの~」


「やっぱり俺の魔力目当てか、てかこの前二度と手は出さんって言ってなかったけ?」


「あ、あれでっか?さぁー何のことやら?」

「....」


嘘を付くのがどんだけ下手なんだよこいつら、仕方がないな

博が鞄からとある小瓶を取り出した


「そ、それはまさか...」


ドライアド達が唾を飲み込む


「そう、不思議花の蜜だ!」


博が取り出しのはお母様ことカトレアからこんな事も有ろうかと渡されていた不思議花の蜜が入った小瓶であった


【不思議花】

通常この花から摘出された蜜は30分もしない内に腐り始めて駄目になるが、カトレアのみが知る特別な抽出方法で摘出した不思議花の蜜は一生腐る事がない

かつて一度だけ貴族向けのオークションに出品された事があり、その時には大白金貨30枚の値が付いたとされる超高級品

そのため模造品が後を絶たないとか


「も、もしかしてくれるのか?」


期待の眼差しで見つめるドライアド達に博は非情な返しをする


「いや見せびらかしてるだけだけど?」


「ええっ!?そんなー後生な!」


膝から崩れ落ちるドライアド達を横目に博は小瓶から蜜を一掬いし味わう


「何じゃこりゃー!うんまぁー!!」


余りの美味しさにこれ以上の言葉が見つからなかった、そんな博を見てドライアド達は口をパクパクさせて縋ってくる


「ひとくちひとくちだけ!」

「なぁーひとくちー!」

「くれよー!」


「約束事を守らない奴らにあげる物など存在しないんだよダァーハハハッ!」


博はそう言い放つともう一掬いし蜜を味わった


「かぁー美味い!サイコー!」


尚もドライアド達を煽る博にドライアド達はよだれを垂らしながら何とか踏みとどまっている状態であった


「頼む頼むよ~!」

「お願いだー!一滴一滴だけでいいからさぁー」

「蜜蜜蜜蜜」


そんな彼女達に博はゲップで応えた


ゲップー


すると博の口内から蜜の芳醇な香がドライアド達を襲う

しかしこれが間違いであった


「も、もう我慢できるかぁ~!!」


独りのドライアドが博を襲い口内に微かに残った蜜を舐めとった


「ちょ、止め、や、止めろ、止めて、止めてー!」


これに触発されたのか他のドライアド達も加勢し博の唇は奪い合いになっていた


「んー!んー!!んんっ!ぷはっ!ちょっと止めろって!止め、んんっ!んーっ!」


この奪い合いはターニャ達が助けに来るまで続いたのであった


もうお嫁に行けない...

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