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47【お母様っ!】

この目的の無い異世界を旅する物語


葉月博(はづきはく)26歳】人種族

現世で死に異世界へと転生したごく普通の一般人である

カンナの婚約者で最近、ネーアとも婚約者となり領地ドラザーヌの領主と男爵を魔人王より任命された


【ターニャ17歳】女神族

天界で失敗続きだったので、神により天界から異世界に落とされた四級限定の駄目神

博を一人前にする事が天界へと戻れる唯一の方法である


【カンナ16歳】猫人族

元孤児院の心優しい女の子

今は博の第一夫人候補として常に側にいる

第二夫人候補のネーアとはある日を境に意気投合して姉妹のように仲良くなった


【ネーア13歳】竜人族

魔人領統括の魔王の四番目の娘、上には姉二人と兄が一人いる

成人の16歳を迎えると博と結婚出来るのでそれまでは側にいて悪い虫が付かないように牽制している


【ドーラ19歳】バンパイア族

博とネーアの使用人にして元警備兵隊長

代々魔王の城を警備する家系の子に生まれネーアとは年齢が近かった為、幼なじみとして共に育った、ドMの変態元騎士


紅葉(もみじ)】犬人族

先代領主からの使用人でありメイドを統括するメイド長である

炊事洗濯から暗殺まで何でもござれのスーパーメイド


【リズベリー】妖精族

山賊に捕らわれていたので故郷まで送り届ける事となった

妖精王に知恵を借り人間の姿になり以後、博達と共に暮らしている

因みに空を数分なら飛行する事も可能である

「あら?お客さんかしら?」


何とも美しい声を発する人なのだろうか、彼女の声が俺の心の中に一声一声浸透していき躍動していく

この声に命令されたら、どれほど危険な事でも犯してしまいそうだ

そんな気になりそうな博を横目にお母様の横からリズベリーがひょこっと顔を覗かせた


「あーもう二人とも遅いよ!」


「おいおいリズベリーが勝手にいなくなったんだろ?」


「あらあら~リズベリーちゃん?

お客様をここに連れてくるのなら、ちゃんと最後まで案内しないと行けないわよ~

お客様、申し訳ございませんね~

この子は昔からおっちょこちょいでして、どうか許してあげてくれませんか~?」


お母様は、その柔らかいボイスでリズベリーに変わり博達に謝罪をしたのだが、そのボイスが博への心に新たな心境を与え、博を思わぬ行動へと導いたのであった


「お母様!結婚して下さい!!」


俺は何故か分からないがお母様の前で片膝をつきプロポーズしていた


「「「ええーーっ!!!」」」


周りにいた妖精達も驚きを隠せずに声を荒げた


「あらあら~こんなおばさんでいいのかしら~?」


「構いません、それにそんな些細な事あなたの美しさの前では霞んでしまいますよ」


「あらあら~ありがとう嬉しいわ~

でもね駄目なのごめんなさいね~私はここを離れる訳にはいかないのよ」


「なら俺も一緒にここに住みますから何の問題も有りませんよ!」


「あらあら本当かしらねウフフフフッ」


お母様も博にプロポーズされ満更でもないようだった


「お母様なんでその気になっているのですか!駄目ですよ絶対に!お兄さんは私の....」


リズベリーが口をモゴモゴしてお母様の後ろに隠れた


「あらあら?リズベリーちゃんどうしたのかしらねー?」


「もう!お母様そんな事はどうでもいいの!それよりもお兄さんの仲間が森ではぐれたから助けて欲しいの!」


「あらあらそれは困ったわね~

直ぐに娘達を救出に向かわせるわね~」


そう言うとお母様は数人の妖精達を集め門を開き送り出した


「これでもう安心よ~しばらくしたらはぐれた仲間の子達もここに連れて来てくれるわ~」


「ありがとうございます」


「ウフフフッ~それよりリズベリーちゃん、私にこの方達を紹介してくれるかしら~?」


「うん、こっちのお兄さんが博であっちの皆と遊んでる人がターニャだよ」


いつの間にかターニャは妖精達とだるまさんが転んだを真剣な表情で行っていた


「それでねお母様、私が悪い人間に捕まってた所を助けてくれて、しかもここまで連れて来てくれたんだよ!」


「あらあら~そうだったのね~

私はカトレアよ~この子達からはお母様と呼ばれているから気軽に読んでちょうだね~

.

..

...えっ!?リズベリーちゃんあなたいなくなってたの~?それに捕まってたって、どういう事かしら~?」


「やっぱり私がいなくなってた事知らなかったのねお母様っ!」


博はお母様に事の経緯を話した


「そうだったのね~ありがとう娘を助けてくれて~」


お母様が博に近づきその柔らかな胸を博の顔に押し付けハグをする


「く、クソッ!なんていい香りなんだ!

もう、もうこのまま死んでもいい!」


博が心でそんな事を叫んでいるとリズベリーがお母様に怒りをぶつけた


「お母様何やってるんですか!」


「あらあらどうしたのかしらリズベリーちゃん?」


「お母様は卑怯です!私だって大きければお兄さんとハグしたかったのにー!」


「あらあら~?それはどういう事かしらね~?」


お母様とリズベリーが俺を挟み言い合いを始めたその時、近くからカンナちゃん達の声が聞こえてきた


「お兄ちゃん~!!」

「博様~っ!!」


俺はとっさに我に返りお母様のハグを解くがすでに遅かった皆にその一部始終を見られていた


そして今、俺は正座をしている皆の前で


「ちょっとお兄ちゃんさっきのハグはどういう事ですか?」

「博様そもそもあの方はどこの誰なのですか?」


「リズベリーのお母様です」


「ふ~ん、なんでそのお母様とハグをしてたんですかね~?」

「そもそもハグする必要はあったのですか博様?」


カンナちゃんとネーアが博をまくし立てる


「いやあの何て言うか向こうから強引にされて」


「向こう強引にね~?へぇ~?随分嬉しそうな顔をしてましたけどね~?」

「そうですわね、顔がニヤケてましたわね余程嬉しかったのでしょうね」

「本当お兄ちゃんは女性だと誰でもいいんですね~」

「そうですはね~博様はお胸さえ有ればそれでよいのですわね~」


流石にこの状況を見かねてお母様が助け舟を出してくれた


「あらあらごめんなさいね~私が強引にハグをしてしまったから~」


「いえいえ防がなかったお兄ちゃんが悪いんです」


「そうです博様が悪いんです」


そう反論して来た二人をお母様は優しく包み込む様にハグをした


「あれ何だろうこれ?んーそうだお兄ちゃんに頭を撫でて貰っている時の感覚だ~」


「なんでしょうかこの優しい包容力は、もう全てがどうでもよくなります~」


五分程ハグは続き二人は解放されるとその場にへたり込んだ


「ウフフフッ、どう?少しは落ち着いたかしら?」


「はいお母様~」

「落ち着きました~」


「何故だろか?お母様にハグされただけで二人が落ち着きを取り戻している、やはりあの包容力、いやあの胸は伊達では無いと言うのか!?」


その直後二人は博に謝罪し博も謝罪して何とか丸く収まったのであった


【次の日】


「じゃあそろそろ帰ります」


「「「ええっ!!」」」


周りの妖精達に交じってターニャも声を上げる


「リズベリーも送り届けたし手紙の返事も貰ったし、もうここにいる必要が無いんだよ!それに長いすればそれだけ書類が貯まるんだよ!領主の仕事がな!!」


「確かにお兄ちゃんの言うとおりですね」


周りの皆は賛成してくれたターニャ独りを除いて


「何でよ何で帰るのよ!いいじゃないここの生活、日がな一日遊んで暮らせるなんて最高じゃないのよ!」


「じゃあお前だけ残ればいいよ

別にお前だったら抜けても問題無いし、他の子達なら引き止めるがお前なら別にだしなー」


「ちょっとそれどういう事よ!ふざけんじゃないわよ!必要でしょ私?ねぇー?!」


「いや特にドーラとお前は必要ないかな」


「何で何でよー!このバカ博!!」


流石に言い過ぎたのかカンナちゃんとネーアがターニャのフォローに回る


「な、何故です旦那様!?私は旦那様に尽くしているつもりですが!私の何がいけませんか?」


「全部」


「ナハッ!!ハァーハァー!この私をゴミを見るような目で見るなんて、見るなんて、最高だ!!もっと見ろ!いや見て下さい旦那様!!」


「博様、もう少しオブラートに包んで差し上げないとダメですよ」


紅葉にも注意されたので流石にターニャの機嫌を取りに行く


「まぁードーラはほっといていいか

ターニャさっきは済まない言い過ぎたよ、やっぱりお前が居ないとさびしい

それに帰ったらマタタビエール奢ってやるから帰ろうぜ」


「......」


「ちっ!ダメか」


「......何杯?」


「はっ?」


「......だから何杯奢ってくれるの?」


「この駄目神よりにもよって集る気だぞ」


「ねぇー何杯?」


「さ、三杯位かなーなんて」


「......ここに残る」


コイツ調子に乗りやがって帰ったら覚えてろよ、ご飯に激辛ソース混ぜてやるからな!


「わかったよ好きなだけ呑んでいいから一緒に帰るぞ」


「うん、わかった帰る」


おいコイツ嘘泣きかよマジ覚えてろよ!ビールにも激辛ソース追加してやるからな!


「ハァーハァー!旦那様さま私にも何かご褒美を下さい」


「お前はとりあえず帰りは歩きな」


「歩きですか?」


「そうだよ、何ならロープで引きずって行ってやろうか?」


「ご、ご褒美だ!」


うん、こいつは正真正銘の変態だな


「ご褒美だぁーー!!」

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