46【妖精の森】
人類みなニート~働いたら負けかなと思う~
・主人公「葉月博26歳」
・女神「ターニャ17歳」
・猫人族「カンナ16歳」
・竜人族「ネーア13歳」
・バンパイア族「ドーラ19歳」
若干26歳で亡くなり異世界へと飛ばされた博は何故か一緒に飛ばされた女神ターニャと共に旅をする事となる
しかしこのターニャは無能と言うなの二文字が良く似合う女神であった
為すこと全てが最悪の方向へと進む中、博達は仲間を集めてこの目的の無い異世界を旅するのであった
ようやく博達の前に妖精の森が見えてきたのは夕方になろうかという時間帯であった
【妖精の森】他の森に比べ木々はふた回り程大きいだろうか、それに良く手入れがされているか綺麗に真っ直ぐ伸びている
「ふふん♪私は森の妖精だからね~木についてはこれくらい当然よ~♪」
博が褒めたことによりリズベリーは上機嫌にパタパタと頭の周りを回っていた
「あれ?あー!この場所見覚えがあるよ~♪」
そう言うとリズベリーは一目散に馬車を飛び出して行った
「あっ!おい待てリズベリー!!」
博は後を追う形で森の中へ、十分程追いかけた所で湖のほとりにリズベリーと同じ姿をした妖精達が何やら楽しそうにしているのが見えた
「おーい皆ーっ!」
「あっ!リズベリーだ!」
「リズベリーだー!」
「久し振りだねリズベリー!」
「最近見なかったけどどうしたの?」
リズベリーの仲間らしき妖精が周りに集まりリズベリーとハグをしそこに博が何とか追い付く事が出来た
「おいリズベリー勝手に行くなよ迷うだろ」
「ごめーん、あっ!そうだ皆に紹介するね!この人はね、」
「に、人間だぁー!」
「うわぁー人間ー!」
「何でこんな所に人間がいるんだよー」
「みんな逃げろー!」
リズベリーが博を紹介する間も無く仲間の妖精達は一目散にその場から消え去っていった
「...リズベリー何かすまん」
「ううん大丈夫だよ、おーいみんなーこの人は私の仲間だから大丈夫だよーっ!!」
妖精達は木の影から恐る恐るこちらの様子を伺っている
「.......ほ、ほんとに?」
「大丈夫だってホラ!」
リズベリーは博の頭の上に乗り博が無害で有る事をアピールした
するとそれを見て安心したのか妖精達が再びリズベリーの周りに集まり始めた
「ねぇ?リズベリー本当に大丈夫?」
「リズベリーそいつ人間だよ?」
「お母様が人間には近付いたらダメだって言ってたよ!」
「博は無害の人間だよ、それどころ悪い人間に捕まっていた私を助けて、ここまで連れて来てくれたんだよ」
「すごーい!いい人間だー!」
「リズベリーを守ってくれたんだ!」
「ありがとー人間、ありがとー」
先ほどまでとは違い妖精達はかなりフレンドリーになった
「ねぇみんなお母様は私の事心配してた?」
「わかんなーい」
「お母様はリズベリーがいなくなった事も知らないんじゃないかなー?」
「どうだろう?何時もと変わんなかったよ」
リズベリーが聞くがよい返答は帰って来ず少し悲しそうな表情をリズベリーは見せている
「おいおい知らないって、そのお母様とやら酷くないか?」
「仕方ないよ私達はいっぱいいるから、それにお母様は何時もそんな感じの人だしね
だからそんな顔しないでよ博」
博は少し悲しそうな顔をしていたのかリズベリーが博の頭を撫でてくれた
「だけどリズベリーお前はそれでいいのか?」
「うーんもう慣れたかな、お母様は昔からずっとそんな感じだからね」
「いやいや慣れるってそんなものなのか?」
「うん、だから大丈夫だよ」
リズベリーが気を使っている事に俺はモヤモヤしながらも本人が気にしないと言っている以上どうする事も出来ずただそれを見守る事しか出来なかった
妖精達と少し話込んでいると森の中から博の後を追ってターニャが駆けつけてきた
「やっと見つけた!もー二人とも勝手に行かないでよね!」
「ごめんごめんリズベリーが一目散に出て行ったからついな」
「ごめーん」
「に人間だー!」
「逃げろー!捕まるぞー!」
「わぁー逃げろ逃げろ!」
先程のと同じ再現を妖精達はしている
「みんなーこの人も仲間だから大丈夫だよーだから出てきてー」
リズベリーの言葉に再度集合する妖精達
「ねぇ博、何なのこれ?」
「一応、妖精達は人間が悪い奴って教わっているみたいで、人間=妖精を捕まえるらしい」
「ふーんなる程、危機管理がちゃんとしてるのね、あっ!それよりもみんな、博達居たわよ!」
ターニャは後ろを振り返るがそこには誰の姿も無くターニャに付いて来ている者はいなかった
「ええっ!?あれ?みんなは?ねぇ博?みんなは?」
「いやいや俺に聞くなよ」
「どどどど、どうしよう博!?みんなとはぐれちゃった!」
ターニャは慌てふためきながら博に聞く、その表情はまるでアホの子だ
「いやいやだから俺に聞くなよ、何処まで一緒だったんだよ?」
「わかんない、みんな一緒に森には入ったんだけど、どうしよう博?」
「とりあえず探さないとどうしようもないだろ?」
「そそそ、そうよねみんなを探しましょう」
「ちょっと待って!」
探しに行こうとする二人をリズベリーが制止する
「もう日が暮れるからむやみやたらに歩き回るのは危険」
「じゃあどうすればいいの?」
「取りあえずお母様に協力してもらおう」
リズベリーが木に触れ呪文を唱え始めると木が変形し扉が現れた
「さぁ入って入って!」
リズベリーに促されるように博達は扉を開と中から花の香りが充満した
「いい匂い」
「ああっそうだな、心が落ち着くな....じゃないよ落ち着いてる場合じゃない!リズベリー!?」
余りの香りに博達は我を忘れる所であった
「おーいリズベリー!」
扉の中はまるでミニチュアセットの様な作りの街が広がる
建物の高さは腰ほどの高さしかなくその建物内に妖精達は住んでいるみたいだ、それに外に比べて妖精達の数も多く人間の博達を見て驚く所か向こうから話かけて来るほどである
「ねぇーねぇーお兄さん達は何でここにいるのー?」
「ねぇーねぇーお兄さんは良い人間?悪い人間?」
「ねぇーねぇーお兄さんお花あげるー♪」
「森の妖精とは全然印象が違うな」
「そうね、全然警戒されていないものね」
「ねぇーねぇーお兄さん遊ぼー」
「ねぇーねぇーお姉ちゃんも遊ぼー」
「お母様って人を探してて今は遊べないんだよ、ごめんね」
「お母様を探してるの?」
「こっちこっち」
妖精達は博達の手を引きお母様の元へ案内してくれる
「ねぇーねぇーお兄さん達はどこから来たの?」
「俺は妖精の森を抜けたずっと先の街だよ」
「すごーい!行ってみたーい!」
「いいないいな!」
「私も行ってみたーい」
道案内されながら妖精達とお喋りをしていると目的地が見えてきた
「あの噴水にお母様はいるよー」
「いるよーいるよー」
目の前には人間の俺達が腰掛けても大丈夫そうな頑丈な作りの大きな噴水が現れた
「あっ!お母様っ!人間連れてきたよ」
「お母様っ!来たよ!来たよ!」
「お母様っ!お母様っ!」
お母様と呼ばれる人物は見た目は博達とそう変わらなかった透明な羽が生えている以外美しい長い髪に吸い込まれそうな瞳透き通る肌艶、全てが完璧であった
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