04【ウサ耳】
人類みなニート~働いたら負けかなと思う~
主人公「葉月博、26歳」
女神「ターニャ、17歳」
異世界転生を余儀なくされ転生するも何故か女神ターニャも一緒に転生
仕方なく一緒に旅をする事になったのだが転生時に初心者パックを渡すのを忘れたりと
長く旅をするにつれ女神ターニャのポンコツぷりが露呈し始めるのであった
そんな到底女神の行動とは似ても似つかないポンコツ女神ターニャとの異世界のんびり?転生珍道中物語です
「あれは廃村ですか?」
博が指差す方には荒廃した村が微かに見える
「んだ言い方は悪いが、戦争の負の遺産ってやつだべ」
「負の遺産か俺らの国に合ったな戦争の悲惨さを忘れないようにと
てか、昔戦争があったんですか?」
「んだあれは二百五十年ほど前にな」
魔人族の王バリューダ
その息子、長男ガリューダが反旗を覆した我々は魔人族では無く魔の神、魔神族だと
ガリューダは反乱分子を次々虐殺
そして父であるバリューダを処刑した
王の居なくなった魔人族は全ての勢力を魔神族に奪われた
さらなる領土拡大を模索し、近隣諸国を次々に制圧、その勢いのまま亜人族の帝都アルバーニュへと進軍した
亜人族は魔神族の力に惜しくも及ばず、帝都アルバーニュを明け渡した
アルバーニュを制圧したガリューダは次の標的を人族へと向けた
しかしこれが間違いであった
魔神族を待ちかまえていたのは、人族と亜人族そして魔人族バリューダ王の息子、次男ダリューダと長女、サイーダ達による連合軍で合った
この最終決戦により13年物長き戦争は集結した
帝都、アルバーニュを失った亜人族は新たな場所に帝都アルベニュートを建設し、見事に復興を成し遂げたと言う訳よ
だが噂に過ぎないが、今もなお魔神族は生き残っていて、王であるガリューダを蘇らせようとしているらしい
「まぁーあくまで噂だべな」
「へぇーその後、魔人族はどうなったんですか?」
「次男ダリューダが王を引き継ぎ、三種族は今も連合軍の条約を結び平和に暮らしているわけだべ、っていっても亜人族どうしでも仲の悪い者もいるけどなガハハハ!」
「へぇー亜人同士でも仲の悪い奴は居るんだな」
「当たり前よ人が集まれば必然的に争いは起こるものなのよ!」
「まぁー今から向かう兎人族は、温和な種族だから安心せい」
「そうですか、、、」
博は何やら少し思い詰めたような表情になっていたのだった
それからしばらくして大きな分かれ道に差し掛かった
「ほれあれがキャレットだ」
そう指差す方向に見えたのは、木の外壁で覆われた町が僅かに見える
「「おおー!」」
「オボイさんお世話になりました」
「んだんだオラも色々な話が出来て楽しかっただ」
「いえいえこちらも色々勉強になりました、ありがとうございます」
「もしドルネスに寄る事が合ったら家の店に寄ってくんろ、その時はサービスするだばよ」
「はい是非寄らせて頂きます!」
「んじゃのー!」
「本当にありがとうございました」
軽く手を振りながらオボイは馬車と共に進み出した
「よし、行くか」
「そうね」
一時間程歩いたら大きな木で覆われた門が見えてきた
「いらっしゃい!キャレットにようこそ!身分証の提示をお願いします!」
警備員らしき男が話かけてきた
「うさ耳だーーー!」
「はぁー当たり前でしょ!?兎人族の町なんだから、あんまりはしゃがないでくれる?私まで変人の目で見られるじゃない」
「いやいやうさ耳だぜうさ耳!!」
俺はうさ耳に夢中になっていた
「何かありましたか?」
「い、いえ別に大丈夫です。」
そう言うとターニャは俺を肘でど突いてきた
「あの身分証の提示をお願いします」
「あの持ってないのですがどうすれば良いですか?」
「あーそうですか、でしたら入国料として一人銅貨五枚頂きます」
俺は懐から二人分の大銅貨一枚を渡した
「ではこちらを持って2日以内にギルドに提出して身分証を作ってください」
渡されたのはウサギがあしらわれたコインであった
「無くされた場合、再発行には銅貨五枚かかりますから気をつけて下さい」
俺達はギルドへ向かった
【ギルド前】
「ここがギルドか、俺みたいな新人は十中八九冒険者に絡まれるのが定番のギルドだな
だか取り合えず入らない事には何も始まらないな覚悟を決めるか!
「なにひとりでブツブツ言ってるのよ気持ち悪い!早く入るわよ!」
そう言うとひとりでそそくさっと入って行った
「ちょまてよ!」
「いらっしゃいませウサ」
「!?ウサ?!ぬぁ~~~!!」
そこにはうさ耳メイド服の少女が居た!
なんて眩しいんだ!!俺は思わず頬が緩む
「チッ!」
何処からともなく舌打ちが聞こえる
「いいから早く渡しなさいよ!」
「ああっそうだったな、あの~」
「はい!いらっしゃいませウサ!」
ウサ耳メイドがニコッと笑う
「のぁ~~~!!心臓が心の臓がはちきれそうだ!!死ぬ!異世界に来てまた死ぬ~!」
「チッ!チッ!チッ!」
悶え苦しむ俺を蔑む顔でターニャがこちらを見ていた
顔こそ笑顔だが目が汚物を見ているようだった
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