36【セブンスソウル】
人類みなニート~働いたら負けかなと思う~
主人公「葉月博、26歳」
女神「ターニャ、17歳」
元孤児院の子供「カンナ、15歳」
異世界転生を余儀なくされ転生するも何故か女神ターニャも一緒に転生
仕方なく一緒に旅をする事になったのだが転生時に初心者パックを渡すのを忘れたりと
長く旅をするにつれ女神ターニャのポンコツぷりが露呈し始めるのであった
そんな到底女神の行動とは似ても似つかないポンコツ女神ターニャとの異世界のんびり?転生珍道中物語です
王様にまんまとしてやられたその日の夜
俺は城の書庫でカンナちゃんと二人でとある調べ物をしていた
「何だか大変な事になっちゃいましたね」
「ほんと王様にはまんまとハメられたし、こんな事になってしまってごめんねカンナちゃん」
「別に私は大丈夫ですよ...たぶん」
「どうしたの?何か嫌な事でもあった?」
「いえ何でも無いです」
その時のカンナちゃんの表情は少し何か思い詰めていたんだと思う
「おっ?たぶんこれかな」
【五勇者の伝説】
作者は文字が掠れて読めない
「五勇者?確か三人のはずしゃ?それに賢者じゃ無くて勇者?」
「俺も聞いた話だと三人だったはずだけどな、とりあえず読もう」
かつてこの世界には人族と亜人族が暮らしていた
そんなある日、地獄より魔王率いる魔族が現れ瞬く間に世界は滅ぼされていった
人々は魔族の家畜とされ逆らう者は子供であろうと容赦なく殺された
困り果てた国王は数千人の民を生け贄にして異世界より五人の勇者を召還した
金のハヤテ、銀のカケル、光のメグミ、闇のサトル、無のシズク
五人は我々では到底思いもつかない高度な技術を持っていた
そして彼らはそれらを駆使して魔王討伐を開始した
魔王は彼ら五人には敵わないと悟り死ぬ間際に自分の命を七個の魂へと分け世界各地へ転移させた
これがいわゆるセブンスソウルである
このセブンスソウルには人を魅了させ支配する力が有るとされている
魔王討伐後、勇者達はセブンスソウルの存在に気付き破壊したのだが何故か一つだけ見つからなかった
そんな中ある事件が起こった
闇のサトルが無のシズクを殺害したのである
シズク「サトル何で...こんな事を...」
サトル「すまない、すまないシズク!だけどお前を殺せと俺の心が叫ぶんだ!
毎夜、毎夜、誰かの声でお前を殺せと...そうか...あの声は...」
そう残りの一つはサトルの心の中に存在していた、サトルの聞いていた心の声は魔王その者の叫び声だったのだ
物音に気付きハヤテ達がやって来た
メグミ「イヤー!シズクー!」
カケル「そんなシズクが...」
ハヤテ「何があったんだサトル!?」
サトル「俺を殺してくれ!頼むお願いだ!」
ハヤテ「だから何があったんだ?」
サトル「セブンスソウルの残り一つの魂が俺の心の中にあるんだ、だからお願いだ殺してくれ!」
ハヤテ「だとしてもそんな事出来る訳ないだろ!」
サトル「頼む!このままでは俺の心は奴に魔王に乗っ取られてしまう!だからその前に早く!」
ハヤテ「俺には出来ない!」
カケル「なら俺がやろう」
涙を流しながらカケルはサトルに刃を向ける
メグミ「待って!何か他に殺す以外の方法はないの?」
カケル「あったとしても時間がない」
メグミ「そんな...」
サトル「これはあの時に出来た俺の心の闇が原因だ、だから早く俺を殺してくれ頼む!魔王に支配される前に!」
カケルはサトルの心臓目掛けて刃を突き刺した
サトル「グハッ!ハァーハァー!すまない皆こんな事になってしまって」
メグミ「サトル...」
サトル「すまな...いシ...シズ...ク」
カケル、ハヤテ、メグミ「......」
ハヤテ「二人を葬ってやろう」
カケル「ああっ...」
メグミ「...なんでなのよバカ!!」
二人の墓は丘が見渡せる山の中腹に建てられた、向こう何百年何千年とその景色を守っていて貰うために
この事件を機に彼らは自分達を見つめ直し
その結果、彼らは力を指輪に封印し二度と再会しない約束をした
そして彼らは別々の道を進み始めた
ハヤテは人々に豊かな世界をもたらす為に
メグミは人族達の奴隷となっていた亜人族を解放する為に
だがカケルだけ消息は不明である
この本を読んでいる未来の担い手に幸あらんことを
「こんな事があったのか...彼らは無事に元の世界に帰れたのだろうか?」
「お兄ちゃんは元の世界に帰りたいですか?」
カンナちゃんは心配した顔で聞いてきた
「いや俺にはもう帰る場所が無いからなだから大丈夫だよ」
俺は苦し紛れに笑いながらカンナちゃんの頭を撫でた
「.....」
「それにしてもこの作者は一体誰なんだろうな?ほら見てみなよ掠れて読めないだろ?」
「あのお兄ちゃんその文字カンナには読めま...」
王様が突如現れカンナちゃんの声にかぶせてきた
「まさか博殿はその本が読めるのか?」
「読めるも何も普通に日本語で書かれて...そうか、この本は日本語で書かれているのか、俺は異世界転生のお陰が文字全てが日本語に変換されているのだろう、だから何も疑問に思わなかったのか」
「やはり博殿は文献にある異世界転生者なのですな!」
「ええっまぁーそうですね自分は異世界からやって来ました」
「やはりそうでしたか!」
「王様、この事は皆には秘密にしておいて欲しいのです!」
「なぜじゃ?」
「目立ちたく無いからです、それに自分の周りに迷惑がかかるかも知れませんから」
「ふむ博殿らしいな!わかったこの事は皆には秘密にしておこう、いつか博殿の口から話してくれる事を待つとしようかの」
「ありがとうございます」
「なにドーラの件では世話になるからな、この位安いものである」
「そうだ本に夢中で忘れていた」
「それで博殿はいつ頃領地に向かわれるのだ?」
「そうですね準備が出来次第直ぐにでも立つつもりですね」
「なら馬車を進呈しようではないか」
「いいのですか?」
「なに迷惑料だよ迷惑料」
「なる程、わかりました有り難く頂戴致します!」
「うむ大事にしてくれよ」
そして数日後、領地へ向かう日となった
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