35【戦い後に変人】
人類みなニート~働いたら負けかなと思う~
主人公「葉月博、26歳」
女神「ターニャ、17歳」
元孤児院の子供「カンナ、15歳」
異世界転生を余儀なくされ転生するも何故か女神ターニャも一緒に転生
仕方なく一緒に旅をする事になったのだが転生時に初心者パックを渡すのを忘れたりと
長く旅をするにつれ女神ターニャのポンコツぷりが露呈し始めるのであった
そんな到底女神の行動とは似ても似つかないポンコツ女神ターニャとの異世界のんびり?転生珍道中物語です
祝賀会も無事に終了したその後客間に自分達を含む全員が集まっていた
「博殿、領地についてなのだが...」
「はい...」
そこには俺を睨みつける警備隊長がいたのだ
彼女の名はドーラ、バンパイア族である
年齢はネーアより六歳上のお姉さん的ポジションで元使用人にして幼なじみである
「これドーラよ、あまり博殿を睨みつけるではないぞ」
「も、申し訳ございません!ですが王よ彼は本当にネーア姫を助けたのでしょうか?もしかして人族のスパイかもしれません!是非に私自ら尋問をさせて頂きたく思います!」
「ドーラよ!いい加減にせぬか!博殿はネーアを守りこの街まで届け助けてくれたのだぞ!これ以上の何が必要だ?」
「ですが...」
そこへ助け船を出したのは意外にも兄のテームであった
「まぁまぁ二人とも落ち着いて下さい、二人が納得する簡単な方法が有るじゃないですか」
「?」
「決闘ですよ決闘!博君は実力を魅せれてドーラはそれを体験できる、それなら両方納得できるでしょ?」
「なる程よい案じゃ!早速用意させよ!」
「いやいや何でいきなり戦う事になるんですか?俺はイヤなのですが?」
その言葉を聞いた瞬間にドーラは俺に詰め寄って来た
「やはり姫様を助けたのは嘘なのだな!この腰抜けの人族目が!!」
流石にこの言葉には少しカチンときたのだが俺よりも怒っている者が二人いた
カンナちゃんとネーアである
「お兄ちゃん!あんな女やっつけちゃえ!」
「そうですわ!少し痛い目を見せて差し上げて下さい!」
俺達一行は隣の訓練所へ向かった
「止めるなら今だぞ?」
「流石にここまで来て戦わない訳にはいかないよ」
「そうかなら全力で行かせてもらう!」
「ルールを説明する!武器は練習用の物を使用し相手が降参又は失神したら負けとする以上!」
「両者とも問題ないな?」
「問題ない」
「何時でもいいわよ!」
「では始め!!」
瞬く間に間合いを詰められ反撃する余地さえ与えてくれない
カン!キン!キン!
「どうした?この程度か?さぁー私に一撃当てて見せろ!」
「スピードで負ける分パワーでは勝てると思っていたのだがパワーでも勝てる気がしないな一体どこにこんな力が有るんだ?クソッ!」
「フフフッ!この程度で姫様をお守り出来るのか?情けない男だ!」
戦いが始まって既に三十分程が経ち戦いは防戦一方となっていく
「ハァーハァー流石に防ぐだけじゃ意味が無いな、あれに賭けてみるか」
「ふん!そろそろ決着をつけようではないか!スゥーハァー行くぞ!」
ドーラは最短距離で剣を振りかざしてくる
「やはりな!隙を出せばここを突いて来ると思ったよドーラ!」
ドーラの軌道が変化する
「甘いな!剣術とは二手三手先を読む物なのだよ!」
「ああっその通りだなまったくフラッシュ!」
瞬く間に閃光が俺を中心に広がった
グハッ!
光が収まった時にはその場に倒れていたのはドーラの方であった
「降参だ!」
「そこまで!勝者、葉月博!」
「やりましたね、お兄ちゃん!」
ピコピコと嬉しそうに耳と尻尾を動かしていた
「おめでとうございます!あのドーラに勝利するなんてすごいです!」
「ハァーハァー、二人ともありがとう何とか勝てたよ」
「クソッ!こ、この私が...お前如きに負けるなんて...
そんな訳が有るか...私は今まで誰にも負けたことが無かったんだぞ!クソッ!クソ ッ!クソッ!...クッ殺せ!
ここでお前に辱めを受けるくらいなら死んだ方がましだ!!」
「辱め?何を言っているんだお前は?」
ド「分かりきった事を敗者は勝者の言いなりになる、それがこの決闘と言う物だ!」
「そんな事聞いてないしする気もないんだが」
「ハハハッ放置プレイか!なかなかやるなハァーハァー」
「大丈夫か?頭でも打ったのか?」
「今度は言葉責めと来たか!ハァーハァー」
「こいつもしかしなくてもドMなのか?」
「ハァーハァーもっと私を罵ってみろ!もっと辱めてみろ!さぁーこい!!」
「ヤベーよ!コイツ変態じゃねぇか!どうするんだよ一体」
俺はキョロキョロと助けを求め視線を向けるが誰一人として目を合わせてくれる者は居なかった
「さぁーその手に持っている武器で私の体を打ってくれ!敗者の私に罰を与えてくれ!!だがな体は好きにできても心までは好きには出来んぞ!ハァーハァー」
「クソッ!もうどうなっても知らんからな!」
俺は大きく振りかぶりドーラの尻目掛けて振り抜いた
バチーン!!
「ああっ!最高だぁーー!!」
ドーラは快感の余り気を失った
場所は変わり客間
「博殿すまないな、この様な事になってしまって」
「そうですね」
「ドーラは娘の幼なじみ同然に育って来たのでほっておく訳にもいかんのでな早く結婚して欲しいものであるが、なんせあの様な正確ゆえ恋人など出来た事がないからの」
「確かにあの性格じゃまともな男は寄って来ませんよね」
「誰が変態だって?」
「おおっ気がついたか!」
「先程は申し訳ありません、あの様な痴態を晒してしまって」
「うむ以後気を付けるようにと言いたい所じゃが無理であろう?」
「善処致します、それでですね王様決めました私ドーラはこの博殿と結婚したいと思います!」
「!?」
「まことか?」
「はい!博殿こそ私が求めていた殿方そのものです!私を倒す力量を含めあの様な責め!堪りません!」
体をクネクネさせながら言い放つドーラ
「そうだなお主が娘の使用人を止め警備兵になったのも自分よりも強く逞しい結婚相手を探す為だったな」
「ですので何とぞ博殿との結婚をお許し下さい!」
「だそうだが博殿は如何かな?」
「嫌です!」
俺は満面の笑みで拒絶した
「なに即答だと!ハァーハァーなかなかやるではないか!ますます夫に相応しいな!」
「博殿理由を聞いてもよいかな?」
「そもそもこんな変態と結婚なんか出来ますか普通?」
その場にいた全員がウンウンと頷いた
「博殿何故だ?何故嫌なのだ?こう言っては何だか私は容姿には自信が有るぞ!ほら胸もこの通り巨乳だぞ!見てくれ!いや触って確かめてくれ!ホラ!ホラ!」
「そう言うガツガツしたところが無理です
まぁー確かに顔もタイプだし体も申し分ないけど性格がなぁー」
「なっ!何だと!フフフッ!ならもうこうするしかない実力公使だ!!」
「これ止めぬか!」
「ハッ!申し分けございません!」
「博殿どうだろうか結婚とまでは行かぬと候補としてはいかがだろうか?」
「無理です!」
「父上これはどうでしょうか?」
二人は耳打ちでゴニョゴニョと何かを話している
「うむなる程それは名案じゃな!
よしドーラよ今日にてお前の警備隊長としての任を解き第四王女ドラゴネーアの使用人に着いてもらう以上異論は認めん!」
「ハッ!謹んでお受けいたします!」
何かを感じ取り即答で返事をするドーラ
「クソッ!やられた!ネーアはこれから俺の領地で暮らす事となるから使用人となれば必然的にこの変態も付いて来る事となる、完全にハメられたなこりゃ」
王様達はニタニタと笑っていた
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