33【ドラゴネーア】
人類みなニート~働いたら負けかなと思う~
主人公「葉月博、26歳」
女神「ターニャ、17歳」
元孤児院の子供「カンナ、15歳」
異世界転生を余儀なくされ転生するも何故か女神ターニャも一緒に転生
仕方なく一緒に旅をする事になったのだが転生時に初心者パックを渡すのを忘れたりと
長く旅をするにつれ女神ターニャのポンコツぷりが露呈し始めるのであった
そんな到底女神の行動とは似ても似つかないポンコツ女神ターニャとの異世界のんびり?転生珍道中物語です
「あっ!いや見ないでください!」
「す、すまない」
俺は直ぐさま上着を脱ぎ渡した
「ありがとうございます」
「誰か娘に衣服を」
「はい!お嬢様こちらへ」
「よかった無事に成功したみたいだな」
「ありがとう娘を救ってくれて君は私達家族の恩人だ」
コンコン!ガチャ!
「お嬢様がお着替えになられました」
美しいドレスを着飾ったキューが入ってきた
「お父様」
「おおネーア!似合っているぞ」
「お父様、お母様達は何処でしょうか?」
「帰省で隣街に行っておるが心配するな早馬を向かわせたので明日の朝には帰って来れるだろう」
「そうでしたか」
そんな些細な会話を聞きながら俺はそっと席を外そうとした
「待って下さい」
キューが俺の手を引っ張る
「博さまどちらに行くのですか?まだお礼をしていません!」
「うむ娘の言うとおりだ何処へ行こうとゆうのかね」
「いえ依頼も無事に達成出来たのでそろそろお邪魔しようかと」
「ならぬぞ博殿、明日は貴族達を集め娘の無事を祝う祝賀会を開催する予定でな、もちろん出席してくれるな?」
「自分はちょっとそういう場には不釣り合いと言いますかなんというか」
「博さまはお嫌ですか?」
ウルウルとした目でこちらを見つめてくる
「いやそんなことないですけど、、」
「よかったです」
キューがにっこりと笑いかけてくる
何だか上手く丸め込まれているように感じるのだが
その日はキューに説得され王城に泊まる事となった、食事は今まで食べた事の無い豪華な物であった
【風呂場】
「ふぅー生き返るー!それにしてもなんちゅー広さの風呂だ、こんな風呂が何時でも入れるなんて少し羨ましいな」
「なら何時でも好きに入りに来るが良いぞ」
湯煙の中から王様が突如として現れる
「王様!?ビックリさせないで下さいよ!てかいつから居たんですか?」
「ハハハッ!最初からいたぞ!」
「えっ!?ってことは」
「うむ博殿が鼻歌混じりで体を洗うところもバッチリと見ていたぞ」
俺は恥ずかしさの余り悶え苦しんみのた打ち回った
カポーン♪
「博殿、君には感謝してもしきれない本当にありがとう」
王が頭を下げた
「王様、頭を上げて下さい」
「ならぬ、ワシがこうやって頭を下げれるのもこの様な場所でしか出来ぬ事なのでな、だから王としてでは無く父としてもう一度礼を言わせてくれ、娘をネーアを救ってくれて本当にありがとう」
その言葉はまさしく王では無くネーアの父としての感謝の言葉だった
その後、俺は湯あたりぎみの体に夜風を当てる為中庭へと出ていた
サァーーー
「ふぅー夜風が火照った体に染み渡るな」
「博さまっ!」
「うん?ああキューか?どうしたんだ?」
「いえいえお風呂帰りに近くを通ったら博さまが見えたもので、博さまはどうなされたのですか?」
「夜風に当たってるだけだよ」
「そうですか」
そう言うとキューは俺の隣に座り込んだ
「こっちの夜空はこんなにも星が綺麗なんだな」
「博さまの故郷は星が見えないのですか?」
「そうだな空気が汚れているのか街が明るすぎるのだろうか全然見えないよ」
「へぇーそんな場所もあるのですね一度でいいから博さまの生まれ故郷に行ってみたいです」
「生まれ故郷か...」
その時の俺の顔はどんな表情をしていたのだろうか?ただキューが少し心配した顔で俺を見つめていたのは憶えている
「それにしてもキューが姫様でこんな美少女だなんて思わなかったよ」
「そんな美少女だなんて嬉しいです」
「ドラゴンの時の行動が余りに男勝りだったので俺は教えられるまで雄だと思ってたからさ」
「それは言わないで下さい恥ずかしいです」
キュー少し照れくさそうな顔をする
「あれは呪いの影響で人間の時の記憶が封印されていて仕方がなかったのです、ですからこうしてもう一度家族と再開出来たのは博さまのおかげです、ありがとうございます博さま」
その笑顔に俺は少しドキっとしてしまった
俺にはカンナちゃんが居るんだ!俺にはカンナちゃんが居るんだ!
「博さまどうかされましたか?」
「いや何でもないよキュー」
「あのー博さま、私の事はキューではなくてネーアとお呼び下さい、親しい者達は皆そう呼んで貰っていますから」
「いいのか?」
「はい!お願いします!」
「わかったよネーア」
「はい!」
「そういえばネーアは何故あんなダンジョンに居たか憶えているのか?」
「余り憶えていませんが何者かにあそこまで連れて来られてあのダンジョンに放置されたのは憶えています」
「なる程、ダンジョン内ならモンスターは狩られればその場で消滅するから証拠も残らないし万が一逃しても他の冒険者やモンスターに狩られる可能性は大きいからな、しかしそこまでするか普通?殺す気が有るなら何故わざわざあんな場所まで出向いたんだろうか?犯人の意図が分からないな」
「そうですね誘拐目的なら何か条件を出してきますけどそれも無かったようですし何が目的だったのでしょうか?」
「ネーア犯人に心当たりは無いのか?」
「有るとすればお父様を嫌っている一部の貴族もしくは我々の種族を根絶やしにしようと思っている人族位ですかね?亜人種族とは仲が良いですから」
「王様の失脚を目論む貴族かそれとも人間至上主義かどちらも怪しいな」
クシュン!
「すいません」
「いやいや流石に話し過ぎたな、そろそろ部屋へ戻ろう」
「はい」
ネーアは俺の腕を取り部屋へと戻っていった
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