03【商人】
人類みなニート~働いたら負けかなと思う~
主人公「葉月博、26歳」
女神「ターニャ、17歳」
異世界転生を余儀なくされ転生するも何故か女神ターニャも一緒に転生
仕方なく一緒に旅をする事になったのだが転生時に初心者パックを渡すのを忘れたりと
長く旅をするにつれ女神ターニャのポンコツぷりが露呈し始めるのであった
そんな到底女神の行動とは似ても似つかないポンコツ女神ターニャとの異世界のんびり?転生珍道中物語です
「あんたらこんな所で何やってんだ?」
150cm程の小柄で無精ひげを生やしそれでいてガッチリした体型の男が俺達の目の前に現れた
話を聞くと彼の名はオボイ、行商人らしく馬の休憩がてら水を汲みに来たらしい
「いやーこんな所で人間に会うなんて珍しいな」
「そうなんですか?」
「んだぁアルベニュート地方は亜人の国だからな」
「へぇー」
と頷きながら俺は女神様の方に視線をやるが女神様は合わそうとすらしない、完全に目が泳いでいる
またやったな駄目神め!
「オボイさんここから町まで近いんですか?」
「馬車で半日程かのー」
「馬車で半日」
流石に空腹で持たないのか腹の音がなる
グーー!
「んだぁ、おまえさんら腹減ってんのか?」
「はい、もう三日もろくなもの食べていません」
「そうか、なら飯を分けてやっても構わんのだが、儂は商人タダと言う訳にはいかん」
「ターニャ様、お金持ってますか?」
「いきなり飛ばされたのにそんなの有るわけ無いじゃない」
「クソ!やっと飯にありつけると思ったのに」
「それにしても兄さん、珍しい服を着ておるの?人間でもそんな服着てる奴は見たことないの?」
「ターニャ様こちらの世界の水準はどれくらいですか?馬車から定するに中世位ですか?」
「そうね中世位ね、こっちは科学より魔法が進化した世界よ」
「オボイさん、この服にご興味が?」
「そうじゃのー珍しい物は商人魂を燻りよる」
「でしたらこの服を買い取っては頂けないでしょうか?」
「ほぉーその服か!ふぅーんそうじゃのー全部で金貨八枚でどうじゃ?」
「「金貨八枚!?」」
「それって高いのか?」
「そうね、パン一個が銅貨一枚、宿で一泊朝晩ご飯付きで銀貨三枚程よ」
「なる程、節約すれば当分は飢える事は無いな」
「で、どうするんじゃ?」
「う、売ります!」
「んだぁんだぁ、売れ残りで悪いが替えの服もサービスでつけてやるべ!ほれ金貨八枚!」
金貨、大きさは百円玉程でその上の大金貨は五百円程の大きさだ
魔法が発達してるからか綺麗に細工が施されている
「やったー!これでやっと飯にありつける、本当に良かった」
「そうね本当に良かったわ」
こうしてオボイが料理を振る舞ってくれた
お世辞にも旨いとは言い難い料理だったが何せこっちは三日も食べてない
俺達はガッツくように頬張った
固くパサパサの黒パン
具のなど殆ど無い野菜スープ
それでもひとくち食べた瞬間に涙がこぼれた、ああっ生きているんだと
「おめぇ達はこれからどうするんだ?」
「そうですね取りあえず近くの町に行こうかなと」
「この近くならキャレットだな」
「キャレットですか?」
「んだ兎人族が収める小さな町だ」
「ほう兎人族か、、、」
俺はぼそりと言うとニヤリと笑った
「何その笑み、気持ち悪い!」
「はっ?別に笑って何かいねぇーし!」
「兎人族と聞いてニヤニヤしてたじゃない!この変態!」
「なんだとー!変態とは失礼な!」
何なんだこの駄目神は、人の心が読めるのか?
クソっ、平常心だ平常心、落ち着け俺!
ニヤニヤするな!
「んんっ!オボイさんはどちらまで行かれるんですか?」
「ワシか?ワシは、ドルネスに帰る所だ、ここからだと十日程かかるがなガハハハ!」
「ドルネス?」
「んだオラ達ドワーフ族の町だ」
「ドルネスは鍛冶産業がとても発展してる町で、ありとあらゆる鉱石で武器、防具から装飾品まで多種多様!!
「こいつ装飾品の所で目がキラキラと輝いてやがるぜ」
「んだば途中までになるが近くの村まで乗せっては行ってやろうか?」
「えっ?良いのですか?俺らは有り難いですが」
「んだんだ方向は一緒だから別に構わんさ!まぁータダと言わんがなガハハハ!」
「さすが商人でも助かります」
「んだばそろそろ出発するべ!」
「「はい!」」
こうして俺達は、一路キャレットへ向かった
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