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21【ドルネス】

人類みなニート~働いたら負けかなと思う~


主人公「葉月博はづきはく、26歳」


女神「ターニャ、17歳」


孤児院の子供「カンナ、15歳」


異世界転生を余儀なくされ転生するも何故か女神ターニャも一緒に転生


仕方なく一緒に旅をする事になったのだが転生時に初心者パックを渡すのを忘れたりと


長く旅をするにつれ女神ターニャのポンコツぷりが露呈し始めるのであった


そんな到底女神の行動とは似ても似つかないポンコツ女神ターニャとの異世界のんびり?転生珍道中物語です

今回のターニャは酔い止めの薬を飲み準備万端だ、まぁ流石に俺もゲロを吐く女神は見たくないしな


「ドルネスにも美味しい物があるといいわね」


「食事は旅の醍醐味って言うしな」

 

「有名料理は何が出るんでしょうか」


そんな会話をしていると乗り合わせたおじさんが語りかけてきた


「ドルネスには初めてで?」


「はい」


「そうですか、あの町はきつい仕事が多いのでその分味が濃い物が多いですよ」


「そうなんですか?」


「鉱山の中は蒸し暑くてよく汗をかき中には脱水状態になる者も居ますからね、塩分などを料理で補う為に味が濃いのですよ」


「なる程理にかなってますね」


「味は美味しいので気になる程ではありませんよ」


「他には何かオススメってありますか?」


「後は温泉です温泉」


「おおっ!いいですね温泉、最高じゃないですか」


「私も仕事終わりに入ってます」


「お姉ちゃん、温泉って何?」


「温泉ってのはね言わば自然に出来たお風呂よ」


「すごーいそんなのがあるの?入ってみたい」


「じゃあ一緒に入りましょうカンナちゃん」


「うん!お兄ちゃんも一緒に入ろうね」


「「!」」


「だ、ダメよそんなの」


「何で?カンナお兄ちゃんと一緒に温泉入りたい」


ふふっ俺も一緒に入りたいさ、でもそれは叶わない夢なのさカンナちゃん


「そんなの私だって一緒に入りたいわよ」


ターニャは小さい声で呟いた


「どうしたブツブツ言って?」


「な、何でも無いわよ!」


そんなこんなで数日後、俺達は無事にドルネスに到着した


【ドルネス】


「うわぁー凄いね」


「本当ね」


山沿いに町が出来ている、まるで要塞のようだ

あっちこっちで大きな煙が上がっている

これは鉱山から排出された貴金属を加工するために使われているらしい

その為町の中心地は空気があまり良くない


「ケホケホ!クサーイ!」


「ケホッ!確かに空気が良くないわね」


「町から外れれば少しはマシになるらしいからそっちに行こう」


【町外れ】


中心地から離れているがそれなりに宿がある少なくとも非難している人達もいるみたいだ


チリンチリン♪


「いらっしゃいませ」


「すいません宿泊なのですが三部屋空いてますか?」


「カンナお兄ちゃんと寝る」


「ダメダメ、ちゃんと自分の部屋で寝なさい」


「ええーっ!」


「じゃあ私と寝ましょ」


カンナちゃんは渋々OKした


「そういう分けなんでシングルとツインに変更してくれますか?」


「あいよ...一泊二食付きで二部屋で銀貨大銀貨一枚ね」


「意外とするな」


「すまないな、一年程前に領主が替わってから税収が倍に上がったんだ」


「倍ですか?」


「ああ払え無い者は問答無用で金銭奴隷行きさ、あんた達も気をつけるんだな」


「はいありがとうございます」


「シングルが305ツインが206だよ、あんた達は温泉に入るだろ?」


「そのつもりですが」


「ならこの木札を持って行きな、番頭に見せると入浴料が無料になる」


「ありがとうございます」


「何いいさ、その分風呂上がりに何か飲み物でも買ってやってくれ」


俺達は部屋へ向かう


「いい人でしたね」


「あの顔とは裏腹にね」


「確かにあの顔は反則だ」


店主の顔は某任侠映画に出ていても不思議ではない程の凄い見た目とドスの利いた声だった


「お~風呂お風呂おふおふお風呂♪

お~風呂お風呂♪」


「相変わらずいいセンスの歌だ、心に染み渡っていく」


「どこが?耳腐ってんじゃないの?」


「な!言い過ぎじゃね?」


「うわーすごーい!」


温泉の見た目は湯○婆が出てきてもおかしくない程立派な施設であった


「これは確かに期待できそうだ」


「早く早くー!」


カンナちゃんが俺の手を引っ張り走り始めた


「いらっしゃ~い」


「子供一人と大人二人です後これも」


木札を出すと番頭は震えた手で確認した


「どうぞ~男性は右に~女性は右に~」


「ハーイ!」


「ちょっと!番頭さん!のれんが赤と青2つあるんだけどどう言うこと?」


「男湯と女湯です~」


「じゃあ男湯は右、女湯は左よね?」


「そうですが~何か~?」


「さっき両方とも男湯に案内したわよ」


番頭「あれ~?そうでしたか~申し訳ないです~」


番頭はプルプルと震えながら頭を下げた


「男湯は右~女湯は右~」


「また間違えてる」


「はっ?」


「もういいわ入りましょう、じゃあまた後でね」


「お兄ちゃん後でねー」


ガラガラガラ


「凄ーいーひろーい!」


「カンナちゃん走ったら危ないわよ」


「ごめんなさーい」


「洗って上げるからこっちにおいで」


「はーい」


ゴシゴシゴシ


「それにしてもカンナちゃんは綺麗な髪ね」


「お姉ちゃんも綺麗な髪だよ」


「フフッありがとう」


バシャー


「さぁ湯船に浸かりましょうか」


「うん」


「はぁーー気持ちいい」


「心の汚れが落ちていくみたい」


「ふにゃー」


「カンナちゃん知ってる温泉にはね効能があるのよ」


「効能?」


「そうそう確かここは関節痛、腰痛、切り傷などに効果があるみたい」


「すごーいそんなのがあるんだ」


「後は汗をかいてデトックスね」


「デトックス?」


「汗をかいて体の毒素を外に出すの簡単に出来るわよ」


「どうやるの?」


「体の半分をお湯につけて半分はお湯から出すの、そうすると汗をかきやすくなるのよ」


そう言うとターニャはンーと背伸びをして夜空を見上げた

そこには暗闇のなかに輝く満点の星空が迎えてくれた


「綺麗」


もうこれ以上の言葉が出なかった


「ボネイヂャン、ゴンボンナブブシイゴドベキブベ」


「?」


湯船を見るとカンナちゃんが溺れかけていた


「カンナちゃん!」


急いで助けるとどうやら溺れていたわけでは無かったみたいだ


ザバァー


「カンナちゃん大丈夫?」


「うん、でも半身浴って難しいね、カンナにはまたまだ経験不足だよ」


「カンナちゃん半身浴って言うのはね下半身をお湯につけて上半身を湯船から出すのよ」


「ええっ!そうなの?右半身と左半身を交互に入るんじゃないの?」


「ごめんなさい、もっとちゃんと説明するべきだったわね」


「大丈夫だよ」


「ありがと、じゃあそろそろ上がりましょうか博も待っている頃でしょうしね」


「うん」


ロビーで二人を待っていると先にカンナちゃんが出てきた

少し話をしているとターニャもやってきたのでフルーツ牛乳をご馳走した

カンナちゃんは飲んだ事が無いらしく最初は少し警戒していたが一口飲んだ瞬間にはもう目が輝いていた

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