19【どれが正解?】
人類みなニート~働いたら負けかなと思う~
主人公「葉月博、26歳」
女神「ターニャ、17歳」
孤児院の子供「カンナ、15歳」
異世界転生を余儀なくされ転生するも何故か女神ターニャも一緒に転生
仕方なく一緒に旅をする事になったのだが転生時に初心者パックを渡すのを忘れたりと
長く旅をするにつれ女神ターニャのポンコツぷりが露呈し始めるのであった
そんな到底女神の行動とは似ても似つかないポンコツ女神ターニャとの異世界のんびり?転生珍道中物語です
カンナちゃんが俺の腕を掴みながら聞いてくる
「お兄ちゃん、次はどこに行くの?」
「馬車停だよ、次のドルネス行きの日時を聞いておかないと」
それを聞いた途端カンナちゃんはうつむき元気が無くなった
【馬車停】
おじさんに話を聞いたところ遅くても明日の夕方には馬車が帰ってくるそうだ
もし明日の夕方に帰って来たら発車は明後日の昼前になるらしい
「じゃあ明日の夕方にまた来ます」
「カンナちゃんどうしたの?元気無いけど」
「ううん、何でも無いよ」
カンナちゃんを送るため孤児院へ向うが、その道中カンナちゃんは一言も話さなかった
【孤児院】
「お兄ちゃん、あの...」
「んっ?何?」
「ううん何で無いじゃあね」
「ああっじゃあね」
そう言うとトボトボと中庭の方に歩いて行った
「元気無いわね」
「早ければ明後日には別れる事になるからな」
「連れて行ってあげないの?」
「遊びに行く訳じゃないんだから流石に無理だな」
「そうよね」
孤児院の扉が開き先生が出てきた
「葉月さん、カンナちゃんの元気が無いのですが理由をご存じですか?」
俺は先程までの話をした
「そうですか明後日には町をでるのですか冒険者の方ですから一つの場所に定住するのは無理だと言うことはカンナちゃんも分かっていると思いますよ」
「あの俺達が居なくなった後の事よろしくお願いします」
「任せて下さい」
俺は深々と頭を下げその場を立ち去った
【食堂】
「カンナちゃんのことを考えると酒が回らん」
「じゃあ私が飲んであげる」
俺のマタタビエールを取り上げた
「てか、そんなに悩むくらいなら連れて行ってあげればいいじゃない」
「お前なぁーここは日本みたいに安全じゃ無いんだぞ、一歩町の外に出たらモンスターがいつ襲ってくるか分からない世界なんだ、自分の事で精一杯なのにおいそれと連れて行けるかよ」
「あら意外と真面目に考えてるじゃない」
「当たり前だろペットじゃ無いんだから、もういいや先に寝てる」
「お休みー」
【次の日】
カンナちゃんは宿に来なかった
「珍しいわねカンナちゃんが来ないなんて」
「そうだな」
「何なのよもーあんたまで暗くならないでよ」
「すまん」
「買い物はどうするの?旅の準備しなきゃいけないでしょ?」
「そうだな」
「あーもうあんたは今日寝てなさい買い物は私がしておくからいい?」
「ああっ」
「カンナちゃんが来たらちゃんと話合うのよわかった?」
「わかった」
「もうほんとに」
ブツブツと怒りながらターニャは独りで買い物に出かけた
【夕方】
起きると雨が降り注いでいた
カンナちゃんは夕方になっても現れない
「濡れたーもう急に降るんだから」
「おかえり」
「馬車は明日の昼前には出るってさ、それでカンナちゃんは来たの?」
「来なかった」
「そう孤児院にも寄って見たけど居なかったわ、どこに行ったのかしら」
「.....」
「ほらもーウジウジしないでよ!鬱陶しいわね」
「すまない」
何者かが階段を勢いよく駆け上がるくる
ダダダダッガチャ!
お兄ちゃん!
それはカンナちゃんでは無く孤児院で見た男の子であった
「そんなに急いでどうしたの?」
「お兄ちゃん、ターニャ様、カンナちゃんが朝から森に行って帰ってこないの」
「「!」」
「どういう事、説明して」
「朝、お兄ちゃんに薬草を渡すから森に行くって出て行ったきり帰ってこないのどうしよう?」
「森って南西の森か?」
「そうだと思う」
「ターニャお前はここにいてくれ!行き違いになったら困る」
「わかったわ」
「行ってくる」
「夜はモンスターが活発になるから気をつけてね」
「必ずカンナちゃんを連れて帰ってくるよ」
俺は南西の森に走り出した
よろしければ感想、ブックマークお願いします。