11【可愛くてもモンスター】
人類みなニート~働いたら負けかなと思う~
主人公「葉月博、26歳」
女神「ターニャ、17歳」
異世界転生を余儀なくされ転生するも何故か女神ターニャも一緒に転生
仕方なく一緒に旅をする事になったのだが転生時に初心者パックを渡すのを忘れたりと
長く旅をするにつれ女神ターニャのポンコツぷりが露呈し始めるのであった
そんな到底女神の行動とは似ても似つかないポンコツ女神ターニャとの異世界のんびり?転生珍道中物語です
ドコまでも広い青い空、地平線まで続く緑の平原
「だだっ広いなこんだけ広いんだから一面畑にすれば良いのに」
「無理よ塀で囲ってないとすぐにモンスターが来て荒らされるわよ」
「さすが異世界、日本で言う猪や鹿だな」
「ほらさっさと採取するわよ」
「おっ!この草だな確か五本で大銅貨三枚か安いな」
「だから討伐の方にすれば良かったのよ」
「いや死にたくねーし」
俺達は二時間ほど汗を流した
「キャ!」
「どうした?」
「ねぇー見て見てこの子!可愛い!」
そこにはターニャの足にすり寄る猫がいた
ニャー♪
「どうしたの?迷子かな?」
ニャニャー♪
「何々?抱っこして欲しいのかしら?よいしょっと!」
ニャニャーン♪
「フフほんと人懐っこいわねこの子」
猫はしきりにターニャの首にスリスリしている
「フフもう!くすぐったいわよ猫ちゃん」
一瞬猫の目が光ったように見えた瞬間
「ギャー!」
猫は見事にターニャの首筋に噛みついていた
「取って取って取って!」
俺は慌てふためくターニャから猫を引き離した
シャー!
口の回りは見事に血で赤く染まっていた
「シクシク!なによ!やっぱりモンスターじゃないのよ!」
「えーとなになに」
俺は先程貰った図鑑を片手に調べ始めた
【ブラッドキャット】
小型の猫、動きは俊敏で可愛い猫の見た目とは裏腹に血が大好物のモンスター
可愛い仕草を分かっているのか、よく初心者冒険者が騙されて噛みつかれている
血の匂いに敏感で数キロ離れた血の匂いを嗅ぎつけ襲ってくる場合もある
Eランクモンスター
なお集団で狩りをする場合がある為気をつけないといけない
「ん?集団で狩りをする?」
「そ、それってまさか!」
ギラン!
「「ぎゃー!」」
「走れー!追いつかれるぞ!」
「待ってよー!」
ニャー!ニャー!ニャー!
【町入り口】
「ハァーハァーハァー何とか戻ってこれたな」
「グスグス、猫怖い猫怖い!」
「おいあんたら大丈夫か?」
「はい、なんとか大丈夫です」
「ハハハッブラッドキャットにやられたんだろ?」
「そうです」
「まぁー新人の通過儀礼みたいなものだからな」
「いやいや殺されるかと思いましたよ!」
「なに言ってんだ?あんたら冒険者だろ?猫なんて可愛いもんだオークやオーガに追いかけられてると思ってみな?」
ドスドスドス!待ちなさーい!ドスドスドス!
「おぞましいですね」
「だろ?だから猫ぐらい討伐出来ないと話にならんぞ!」
「はい気をつけます!」
「シクシク!」
二人は集めた薬草をギルドへ持って行った
「おめでとうニャ初クエスト達成ニャえーと賞金の銀貨二枚と大銅貨一枚ニャ」
「ありがとう、ほらターニャもそろそろ泣き止めよ」
「だってだって怖かったんだもん!シクシク!」
確かにいくら猫好きでも数十匹の猫に追いかけ回されたら悪夢だよな
「ほら泣き止めよマタタビエール飲ませてやるからな?」
「え!ほんとに?」
「現金なやつめ」
「エールエール♪マタタビエール♪」
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