表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
喰らう盾 護る矛  作者: シュガームーン
第二話:死と踊る双銃は禁忌を罰する
18/18

忍び寄る影

「……ねぇ、ほんとにレヴァナントが発生したの?」


「おかしいな。 確かに魂の反応があったんだが……」


「んじゃあ先越されたっぽいねぇ、残念」


 とある大通り。行き交う人達を見下ろす影が3つ、ビルの屋上にあった。


「というかぁ……仕事熱心だよねぇ………ま、それに付き合うウチラもあれなんだけどさ」


「仕事を承った以上、完遂することが私達の役目だ。 付き合う、付き合わないの問題ではない」


「はいはい、分かってるよ、分かってマスヨ。 仕事だからショーガアリマセンネーっと」


「もー おねぇちゃん! わたしもがんばるからねっ、いつまでもだらだらしてないで一緒に頑張ろーよ!」


「………はあ、だっる…」


 凛としたアルトの声、元気が良いソプラノの声、そしてやる気の感じられないアルトより少し低めの声。

 3つの声が騒がしいように響くが、下を歩く人達は全く気付いていない。


「ドロドロを見るためにっ、いざ!」

「ねぇ、コイツだけ外せない?」

「無理だ」


 ふと上を見上げる人も少なからずいた……が、その全員は背伸びをしたり、疲れた、と呟いているだけで、決して彼ら3人には目を向けなかった。


「とにかくだ、私達のやるべきことは1つ」


 また口論を始め出す2人を置いて、1人は地面へと飛び降り、着地。

 その人物は黒いフードを被っていた。

 ポンチョに似たコートの下には、シワがなくパリッとした黒いスーツ。


 道の傍らでその人物はしゃがみ込んだ。そこは数時間前、カナとそのクラスメイトの女子が異形…レヴァナントを倒した、死闘があった場所である。

 一見、何も無い無機質的なコンクリートはフードの人物の目にはどのように、何が映っているのか…。手を伸ばし、ちょん、と指先でそこへと触れる。すると、そこからポツポツと光の粒子が現れ、宙を舞った。微風が吹くだけで消えてしまいそうな、薄く、弱く、かすかな光。それが道に沿って続いているのである。


「後が詰まっている。 早く済ませるぞ」


 フードの人物の呼び声に、屋根に居た2人もようやく口喧嘩を終わらせる。そして、その人物の傍に同じくして降り立った。



 3人は今にも消えそうなそのかすかな光の後を追うように、その場から姿を消す。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ