作戦会議
4話
サタンブレイカーズ内のとある森にて
「で、どうするんだ?」
海人がいきなりつっこんできた
「てか、なんでお前がここにらいるんだよ!」
「そんなの決まってんだろ俺もラギアに誘われたからだよ」
「貴様がログインする前に事情を話しておいた。こいつは即答だったがな」
「当たり前だろ!陸人がやるっていうなら俺もやる。昔からそうだろ?」
こいつは事の重大さがわかってんのか?
俺達がやろうとしてることはサタンブレイカーズという1つのゲームをぶっ壊しかねない事だっていうのに、まあこいつにそれを言ったところで意味ないだろうけど
「とりあえず海人の言うとおり最初にどう動くか決めようぜ」
「たしか悪魔みんね救おうとしてんだよな?
でもぶっちゃけそれって無理じゃね?」
やっぱりこいつはだめだ空気が読めてない
悪魔みんな救うのが難しいなんて百も承知なんだよ!こうしている今だって冒険者にやられているかもしれないのに
「最初から全員救おうとは私も思ってはいない。上級、中級、下級の悪魔は父上である魔王が存在する限りは復活する」
「もう発売から1ヶ月も経っているんだ、そろそろトッププレイヤーが魔王城を見つけてもおかしくないんじゃないか?」
「いや2週間程前に魔王城は一度見つかっている」
「えっ⁉︎そんな情報聞いた事ないぞ」
「そうだろうな、なんせ1人で見つけ出し乗り込んで来たんだからな」
「ひ、1人⁉︎」
珍しく俺と海人の息が合った。それくらいありえないことだ。トッププレイヤーが誰も見つけられなかった魔王城を1人で見つけ1人で乗り込むなんて無謀もいいところだ。
「そりゃトラウマになるレベルでボコボコにされただろうな」
いきなりラギアが深刻そうな面持ちになった
「いや違う...その1人の冒険者に壊滅されかけたんだ。焦った父上は魔力を振り絞って魔王城ごと他の場所へ飛ばしたんだ。その時はちょうど私以外の四天王のは出払っていたがそれでも圧倒的だった。思えばその時だろう人間との差を悟らされたのは」ラギアの言葉を疑った。そんなプレイヤーが存在するならそいつはすでにサタンブレイカーズをクリアできるだけの力を持っていることになる。だが1人だけ心当たりがある。
「ありえないだろ...そいつの名前はわかるのか?」
「奴の名前は...chronos」
「やっぱりか...」
「誰だよクロノスって?」
相変わらず海人はゲーム情報を見ていないようだ。トッププレイヤーの名前くらい知っとけと言おうと思ったがこいつに言っても無意味だからやめておこう。
「クロノスはサタンブレイカーズ最強のプレイヤーだよ、正直最強の定義はわかんないけど最前線の攻略組に勝負挑まれて一掃したっていう噂もあるくらいだし、まあ最強だろ」
クロノスは基本ソロでプレイしているらしい、恐らくあいつと連携取れるようなプレイヤーがいないからだと見受けられる。
「奴にもう一度魔王城を発見される前に手を打っておきたい。」
「悪魔勢の兵力強化、魔王城のカモフラージュ、対クロノスの修行、とか挙げるだけならできる。でも実現が難しい」
1つ目は多分運営にでも問い合わせなきゃ無理な上にそもそも話を聞いてくれなさそうだ。
2つ目はできるならやってるだろうからできないだろう。3つ目はそんな簡単にクロノス対策なんて立てられるわけがない。
そんな時海人が口を開いた。
「1つ目ならできんじゃねーの」
「こっちは真剣に考えてんだよ、簡単に言うなよ」
「空花の親父さんに相談すりゃいいんだよ」
「そうか!空花の親父さんなら何とかなるかもしれない」
「どうゆうことだ?」
ラギアがわからないのも無理はない。
空花の親父さんはゲーム会社のかなり上層部の人間だったはずだ、昔に俺、海人、空花の3人に未発売のゲームをモニターとしてプレイさせてくれたこともあった。あの人ならサタンブレイカーズの運営とも繋がりがあるかもしれない
「ラギアは待っててくれ、俺と海人で空花の家言ってアポ取れるか聞いてくるから」
そう言うとラギアは不服そうな顔をした
「私が行く」
「待て待て前に俺の姿で空花と会ってややこしくなっただろ」
正直空花に遅めの中二病だと思われたシャレにならない
「問題ない、会って間もないが私なりにお前のことは知ったつもりだ、ちゃんと安藤陸人を演じてみせる」
ラギアはそう言いながら俺を真っ直ぐに見てくる
「あーもうわかったよ!お前が行っていいよ!
その代わりちゃんと変なことしないか見張っとけよ海人!」
「おう任せとけ!」
こいつに任せるのは不安しかない
「さて、話もついたところで入れ替わるぞ」
2回目の入れ替わりとはいえ少し緊張する
ラギアを疑ってるわけじゃないが万が一このゲームから出られなくなったらと思うと...
「どうした、不安そうな面持ちをして」
「あ、いや大丈夫だ、さっさとやってくれ」
ラギアが構えると足元に魔法陣が現れた
「マインドチェンジ!」
「ふう、無事に入れ替われたみたいだな」
「無事に入れ替われないことあんのかよ」
「ああ、相手の精神魔法の耐性値が高ければ効かない。だから私は耐性がない初心者のお前を狙ったんだ」
なるほどこれで合点がいったなんで俺が最初に狙われたのか疑問だったが耐性値なんてものがあるなら初心者に目をつけるだろう
「じゃあ海人にもマインドチェンジが効いたのは精神魔法の耐性値が低いからなのか?」
「そりゃそうだろ、耐性値ってのはレベルが上がると一定値もらえてそれを好きな魔法に振り分けるんだ。でも精神魔法はラギアしか使える悪魔がいないから精神魔法に耐性値を振るやつは少ないんだよ」
こいつにゲームのこと教わるのは癪に触るがいいことを聞いた、ラギアの魔法は当たりさえすればダメージが大きいということだ、そもそも当てるのが難しいが。
「ラギア、1つ聞きたいんだけどお前って冒険者と戦う時どうやって精神魔法当ててんの?」
やっぱりこれを聞いておかないと次に強い冒険者と遭遇した時に今度は対処できないかもしれない
「そもそも私は基本的には戦わない、もし戦うとしても兄上と共闘する形だからな、兄上が足止めした所を精神魔法でとどめを刺すという戦い方だ」
「えっ?お前四天王なのに戦わないの?」
「私の本来の役割は精神魔法で冒険者から情報を抜き取ることだ。だから一人の時に冒険者と遭遇した際は逃げろ。もし逃げられない場合は...マインドブレイクを使え」
「マインドブレイク?」
「マインドブレイクは極力使わないでほしい、精神を破壊する強力な魔法だから相手の精神に異常をきたす可能性がある。現実にもならないな」
「現実にもだと⁉︎」
「何故かはわからないが精神魔法のほとんどはは現実に干渉できるようだ。前にマインドコントロールという精神操作の魔法を使った時もゲーム内の情報だけでなく現実の個人情報も聞き出すことができた」
現実にも干渉できる魔法...なんで運営はそんなものを作ったんだ?それともAI持ちであるラギアが意図せずに作り出してしまったか、どちらにしろ危険な魔法であることに変わりはない
「よし決めた!俺は冒険者には精神魔法は使わない、さすがに未知の部分が多過ぎるからな」
「それがいいだろう」
「じゃ陸人留守番頼んだぞ」
そう言うと2人はログアウトしていった
「さてとこっちは冒険者と遭遇しないようにしつつマップ探索でもするかなー」
「こんなところで何してるの?」
突然後ろから声が聞こえ振り返ると
「お前は...」




