秋花の恋心②
「秋花、愁里くん知らない?」
「え、なんで?」
「見当たらないんだよね。先生から渡してほしいっていうプリントがあるんだけど」
「愁里ならさっき光森と図書室行ったぜー。」
よく愁里とサッカーして遊んでいた男の子も、光森さんが来てからは遊ばなくなったみたい。
「ありがと。あー、悪いけど秋花これ愁里くんに渡してもらえない?」
「うん、分かった! 」
図書室にいるのか……少し重い足取りで図書室に向かった。
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「愁里あそこの本取って」
「ん?これ?」
「そう」
「ありがとう」
「いえいえ。愛って分厚い本ばかり好むね」
「そうかな。普通よ普通」
しばらく2人は無言だった。
わたしが図書室のドアを開けたことにも気付いていない
「ねぇ、愁里」
「どうしたの?」
「この間のドラマ見た?」
「秋花と見たよ。ラブシーンの時凄いニヤニヤしながら見てた。」
「どんなんなのか、気にならない?」
「気になるって?」
「……キスよ。」
そう言って光森さんは立ち上がり愁里にキスをしたんだと思う。
わたしが居る位置だとしてるのかどうか分からない。
「……」
わたしはそっとドアをしめ、教室に走って行った。
2人きりになると、いつもそんなことしてるの??