秋花の恋心
愁里は学校に慣れるのが早かった。
すぐにみんなと馴染んで友達が増えていった。
人数も少ないためクラス替えなどないから、6年間同じメンバーだし友達が出来ることはいい事だよね。
いつからだろう、愁里との間に距離を感じるようになった。
「転校生を紹介します」
それは、わたし達が小学校5年生になった時から…
「初めまして光森愛です。」
ショートカットの少し暗めの女の子だった。
「席は愁里の隣だ。」
愁里はわたしの前の席。
だから光森さんはわたしの斜め前。
「よろしくね、光森さん」
「……よろしく」
小学校高学年にもなるとお互いに意識し始める年頃になってくる。
その感情は、わたしにもやって来た。
光森さんが転校してきてから1週間
いつもは一緒に帰る愁里が光森さんと帰るからということで1人で家に帰っている。
「まぁ、わたしなんかと毎日帰ってたら嫌だもんね」
愁里と話すのは家のみになっていた。
それでも話してても光森さんの話が必ず出てくる。
「それでね光森さんがね───」
「……」
「秋花?」
「……」
「どうしたの?」
「……なんでも無いわ」
自分の部屋と言っても、部屋は愁里と同じ。
2人きりのときにそんな話されたらリビングなどに逃げるしかない。
わたしは気付いてしまったのかも知れない。
──────愁里に対する、恋心に。