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常在戦場! 武林高校  作者: 徳田武威
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最終章 戦う心 5

「あはっ!」

 龍拳は開始と同時に飛び出した。それは飢えた獣が眼前に食べ物を見つけた様な本能的な動作だった。

 龍拳の鋼拳が雄一の腹に突き刺さる。それは剣崎をも破った必殺の拳。

『メリメリィ……』

(き、きもてぃ……)

 恍惚した表情を龍拳は浮かべた。人の体に重大なダメージを与える瞬間は龍拳にとって至上の瞬間だった。

「ふふ……お兄さん。これで終わっちゃやだよ?」

 龍拳が雄一の顔を見上げた時だった――。

『ドン』

 龍拳の鼓動が一度大きく高鳴る。見上げた先、そこには龍拳の事を鬼の形相で睨みつける雄一がいた。

「はっ……」

 龍拳はその場から一歩大きく遠のいた。それは本能的な物だった。

(僕が…………引いた?)

 自分のした事に龍拳自身が一番驚いていた。自分は恐れなど知らぬはず。自分は常に相手を壊す側のはず。

 しかし、目の前に居る雄一から感じた感覚は紛れも無く脅威だった。

「こんな……物か」

 雄一はポツリ呟く。それに龍拳がぴくりと反応した。

「ふふ、強がっちゃって、確実に体にはダメージが有るはずだよ?」

(そう……確かに僕の攻撃に手応えは有った)

 だが雄一の表情からはダメージを全く感じない。

「これなら剣崎君の拳の方が硬かったぞ」

 雄一はそう言うと一歩踏み出した。そして体をギチギチと捻る。

「松尾流……飴細工」

 雄一は捻転を利用して拳を突き出す。

(あはっ! 遅いよこんな攻撃当たる訳が無い)

 龍拳はそれを余裕を持ってバックステップによってかわす――。

『バチン!』

「あ? あはっ?」

 しかし、かわしたはずの攻撃は龍拳の腕に触れた。そしてその威力はバックステップをしていなければ龍拳を倒していたほどの威力だった。

(どうして……完全にかわしたはずなのに)

 龍拳は理不尽な状況に怒りの籠った目で雄一を睨みつけた――。


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