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第四章 二人の同棲生活 4
白い壁に畳敷きの部屋。その部屋に有るのは机だけ。そんな殺風景な部屋の中心に布団を敷き瑠衣は横になっていた。その枕元には今日雄一が買ったうさぎの人形が置いて有る。
『ピシ……』
瑠衣がうさぎにデコピンをするとうさぎはコテンと倒れた。それを見てふふふ、と瑠衣は笑う。
「本当に……変な人」
最初は全く興味が無かったはずなのに、寧ろ目的意識の無さに嫌悪感すら抱いていた雄一を瑠衣は今思っていた。
(何だろう……あの人と居ると……不思議と落ち着く)
瑠衣にとっては理解し難い感情だった。しかし、雄一から不思議な感覚を瑠衣は得ていた。そしてそれを好意だと思えるほどには瑠衣は大人では無かった。
「そうです。これはきっと不甲斐ない早坂君が心配なのです。もっともっと私が守るに値するほど強くなって貰わなければ。明日からどんどん鍛えますからね!」
そういって瑠衣は優しくうさぎの頬をつねる。うさぎは何処か間抜けな顔で頬を伸ばした――。




