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第三章 戦う理由 9
「むにゃ……うぅ……」
顔面を赤くした雄一が布団をはがしながら気持ち良さそうに寝返りを打つ。
「ふぅ……」
瑠衣はその布団を掛け直してやり、そのまま雄一の枕元に座った。
(本当にこの男がお父様の言う様な力を持っているの?)
「えい」
瑠衣は眠っている雄一の頬を突付く。すると雄一はにへらと笑って寝返りを打った。
「ふふ。こんなのが最強の精神の持ち主ですか……やっぱりちょっと信じられ無いです」
隙だらけで雄一に格闘家らしい風格は無い。だが、それだけに修行漬けの毎日を過ごして来た瑠衣が出会った事の無いタイプの人間だった。
「はぁ~何か私も眠くなっちゃった」
気が抜けた様に息を吐いた瑠衣はそう言うと隣に敷いてあった布団に入った。




