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1話1話が自分がimageしてるより短い。
私と彼女は、幼稚園からの仲だ。
私と彼女はひとりっこで、この辺りに同じ歳の女の子は彼女だけだったから、よく二人で遊んだ。
親同士も知り合い以上の仲だ。行事はよく、お母さん同士で連れ立ってきていたし、お母さん同士が長い時間喋って、二人で遊んでいることもあった。
当然、小学校も同じで、同じ登校班だった。六年生のときにはどちらか一人が班長、もう一人が副班長になるのだが、私たちはどちらも班長になるのを嫌がったので、じゃんけんで決めた。
結果は。私のグーが、彼女のチョキを砕いたから、彼女が班長になった。
班長といったって、大した仕事はないのだけれど、私たちは班長会議というものが面倒だと噂に聞いていたのだ。
副班長は本当に仕事がないので、よく他の子たちとお喋りしていた。
それを見て彼女は、遠くから少しだけ、怒って見せるのだ。
そして、その日の帰りにはぶつぶつと私に文句を言ってくる。でも、学校を出て三分もたたない内に愚痴を言うのをやめるのだから、やっぱり彼女は優しい。
そして、彼女は怒っている顔でさえ、かわいらしいのだ。
中学生になって、彼女は部活に入った。
陸上部だった。放課後は勿論、朝練もあるし、土日だって練習のある、大変なほうに分類される部活動だ。
彼女は背が高かったから、高跳びやハードルなど、色々チャレンジしてみたようだった。
そして、色々な大会で結果を残し、たくさん集会で表彰されていた。先輩や後輩もたくさんできたようで、明るい彼女はさらに人脈が広がったんじゃないかと思う。
クラスでも、彼女は人気者で、いつも彼女の周りには人が絶えなかった。
スカールカーストでも間違いなくトップに君臨していて、それでいて、気取るような人ではなく、キラキラと自分でひかる、太陽のような人だった。
私は、帰宅部だった。
自分で言うのもうぬぼれのように聞こえるかもしれないが、勉学はそこそこできた。
運動は下の下。さっぱりだった。目が悪くて眼鏡をかけていて、典型的な真面目な子だった。
明るいか暗いかで聞かれれば、間違いなく、暗い、と十人が十人答えるだろう子で。カーストで言えば、一番下になるだろう私は、彼女の友達だった、ということで、下から二番目のゾーンに所属していた。
次の進路を選択する中学三年。
私は地元の学校を第一志望にしていて、合格し。
彼女は、どうやら陸上で、遠くの学校に行くと言った。お父さんが、そっちの出身らしいので家族ごと引っ越して行ってしまった。
最初の三ヶ月は二週間に一度ほど、新しく買ってもらったスマホで、ラインやらメールやらが届いた。
だけど、彼女もむこうで、私もこちらで新しい生活に忙しく。
だんだん、手軽に出来るはずの連絡すらもとり合わなくなってしまった。