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短い!
先に進まない!
=辛い!
私の方に近づこうとしていたりんちゃんは、小林さんは、私の小林さん発言にとっても驚いたみたいだけれど、すぐに気を取り直して、私をここまで連れてきた、例の偉そうな男の方を見て、まくし立てだした。
それはもう、ものすごい勢いで。
ズダダダダ!バババババ!
銃撃のように。
とまらない。
雨が降ったあとの川のように。
その言葉は、また、困ったことに私にはわからないものだけど、勢いから判断して、小林さんは先ほどの怒りを思い出したのかどうなのか、とにかくこの男に怒っているのだろう。
やっぱりりんちゃんは怒っていても綺麗だ。
そしてまた私に近づこうとして。
すっと、男に阻まれた。
男が私の目の前に立つ。
私の視界には男の背中しか映らない。
その背中は、大きくて。
しっかりとしていて。
今までじっと聞いていた男が何か言う。
ぐいっと自分の側に私を引っ張る小林さん。
良かった、少し安心。
だけど、男を睨んでいる。
さっき男が言ったとは何か良くないことなんだろう。
どう考えても、見知らぬ人よりも言葉の通じる元親友のほうが信頼できる。
小林さんに不利なら私にも不利だ!これはまずい!なんとかしなくちゃ!
ここから逃げなきゃ!
男に床に落とされて前を塞がれ、小林さんに引っ張られてもなお、床に座り込んでいた私は、立ち上がり、小林さんの手を取る。
行こう!逃げよっ!
そう叫びながら小林さんの手を軽く引っ張りながら、走り出そうとすると。
小林さんはまた驚いた顔をして、そして首を横に振る。
横に。
なぜ。
あんな、まりちゃん。こっちの世界ってばな、ここ以外安全な場所、ないねん。せやけど大丈夫!まりちゃんは絶対に無事やからな!絶対に守ったるからな!大丈夫やで!
そして綺麗な、ちょっぴり歪んだ笑顔を見せる。
意味がわからない。
こっちの世界?こっち?こっちって?
小林さんの手を握ったまま、固まって首を傾げる。
小林さんは苦笑いをしながらも、優しく手を握り返してくれる。
まぁ、落ち着いてぇや。ゆっくりお茶でも飲みながら話さん?まりちゃんこっち来てすぐでいろいろ不安やろ?言葉とかもわからんっぽそうやしなぁ。怖かったやろぉ、もう大丈夫やで。
また笑顔を見せる。
今度のはさっきよりもずっと歪みが少なくて、りんちゃんの可愛らしさ、美しさがよくにじみ出た、本当に綺麗な笑顔で。
人を魅了するその笑顔は、私に、私だけに向けられている。
思わず頷く。
世界が、私とりんちゃんだけならいいのに。
そうすれば。
なんて、到底叶わない願いすら心に浮かぶほど、その笑顔は美しかった。
なんでこんなに進まないのかを言い訳するとですね。
せっかく自分で書くなら、初めから順に、急展開なく、起こっていることをゆっくりかいてみようと思ったんですね。
結果としてありえないくらい何も起こらない、意味の分からない物になっちゃいましてね…。
多分まだまだ進まないです。あああ。辛い。