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鈴木君たちは牢獄で頭を冷やしました。

少し量を減らします。

読者的にもその方が見やすいのではないかと知り合いに言われましたし、ですがお願いですから読み足りないしもう読むのやーめーよう見たいなのは、止めて下さい!見放さないで!

 鈴木達は現在手と足に枷をされ、牢獄の中に居た。

 牢獄に響くのは鈴木達の呼吸音と向かいの骸骨の中で蠢く鼠、そして隣の牢獄でキチガイの様に笑う老人の声だけである。

 何故、牢獄の中に居るのか? それは鈴木が自首をしたからではなく、鈴木達がパイルドライバーでやらかした事によって入れられているのである。

 具体的に何があったのかと言うと











「俺が虎鉄にされた事はだなぁー、アレは小学校四年生の夏に俺の部屋で虎鉄と一緒にゴロゴロしてたの事だ」


 龍平の番になり、龍平はまるで紙芝居を読むかのように語り出した。


「俺の家は、代々風習として二十歳になると自分専用の刀を一つ貰えるんだ、それで父はその刀を自室に飾っていたんだけれどその時に虎鉄が『これ、本物?』って聞いて来たから俺は『そうだ』と肯定したんだ」


 この発言を聞いた時鈴木は

(こいつの家色々とやっぱりやばいよな、銃刀法違反だよな、大丈夫なのか?)

 と思いつつも、微妙に後ろめたそうな顔をしている虎鉄を見てこの話は相当恐ろしいと察知した。


「それで、俺たちは暫く談笑をしていたところ、俺が尿意を感じ便所に行ってくると言って部屋を出たんだ。 そして俺が部屋に戻ってくると虎鉄と刀の姿は無く、探して回っていると大広間の方から大きな音がしたんだ。 その大広間にはうちの御先祖様が着けていた鎧兜と二十歳になった時に酒盛りをする大皿が飾ってあったから俺は慌てて廊下を走っていったんだ。 そして襖を開けて中に入るとそこには、大皿は割れ辺りに散乱していて鎧兜と刀は綺麗に分解され、プラモデルのキットの様に並べてあった。 俺が『何してんだ!』って声を荒げて聞いたらこいつ『ねぇねぇ、これ! 夏休みの自由研究にしようよ!』って笑いながら言ってきたんだ………俺たちはその後証拠隠滅の為に直しているところを発見され、何故か修理していただけの俺までもしばき倒された。」


 龍平がその溢れんばかりの殺意と一緒に語り出した内容は実に可哀想なものだった。

 だがそんな話を物ともせずにいる虎鉄は平然と言い返した。


「いやいやいや、アレは別に悪くないでしょ、結局あの後自由研究の評価学年でトップだったんだから」


「お前〜、お前のせいで俺はあの後親父に剣道の修業の時に防具をつけさせてもらえなかったり、森中の滝に突っ込まれたり断食させられたりしたんだぞ!」


 (最早、それって虐待なんじゃないのか?)と鈴木は思いつつも龍平の普段の虎鉄に対する辛辣な態度の訳を改めて実感させられた。


「何言ってんの? 僕のおかげで普通に生きていたんじゃ絶対出来ないような体験が出来たんだよ! 寧ろ賞賛されるべき行いだったよ」


 龍平が虎鉄に殴りかかるのを抑えつけている間に、先程頼んでいた料理がやってきた。


「羊のサンドウィッチが一つ、和食定食が二つ、オムライスが一つ以上でよろしいでしょうか?」


「はい」


「お、お会計は店長に!」


 注文を伺ったポニーテールの女の子がまた来たので朱羽は愛想よく笑いかけると慌てる様に走っていった。

 鈴木達の大失敗を気付かせるとんでもない発言をして。


「「「「………」」」」


 四人は視線を交差させ、目の前の店長を見る。

 その顔は自分達の焦りのせいか、まるでもうりょうの主の様に偉大でかつ凶悪な面構えに見え、四人はこの件がバレれば殺されると覚悟した。

 四人はとにかく、ご飯を食べ始めた。

 無口の四人は数十分すると、四人はご飯を食べ終え手に持っていた箸やホークを手元から落とし、音がなった。

 すると、朱羽の目が出口の方へ向かい他三人に分かるように顔をクイクイッ動かした。

 三人は少しすると朱羽の言いたかった事を悟り、首を振った。

(この店長なら例え人ごみに紛れても地平線の彼方まで俺たちを追跡してくるだろう)

 三人の頭にそんな考えが走り、他の策を考え出した。

 そうして、悩んでいると虎鉄が何かを企んだ様な顔をして、手を二、三回テーブルに叩きつける。

 三人の視線が虎鉄の手に集まると虎鉄は指を三本立て、一本を折り曲げまた一本を折り曲げた。

 虎鉄のてがグーになると虎鉄の手は消えた。


「え、え、えぇ〜! いや、えぇ〜」


 二人は意味が分かったが、鈴木だけは虎鉄の能力を忘れて一人だけ発狂寸前で青白い顔をしている。


「いや、幻覚だって忘れてないか? 大丈夫か?」


 朱羽のその言葉と共にハッとして思い出した鈴木はようやく事を理解する。

 要するに虎鉄は自分の能力で三人も透明にして、逃げようというのだ。

 そうして虎鉄は今度は声に出して、カウントダウンをし始めた。


「三」


「二」


「一」


 お店にカランカランッという音が響くとお店の中に鎧を来た傭兵達が入ってきた。


「お、おい、ありゃ確かたった5人でドラゴンを倒しちまった脱兎団じゃねぇか!」


「おいおい、5人でか! そりゃスゲーな!」


 何とも鈴木達にとって不都合な内容が聞こえてくる。

 どんどん鈴木達の顔色が青ざめていく。


「お客さん達、そろそろお会計いいかい?」


 そんな不都合な知らせの中、目の前の魑魅魍魎の主から死刑宣告をされた。


「………持って、ません」


「え?」


「お金、持ってません」


「………………」


「「「「………………」」」」


 その沈黙の中で何かを閃いた様に目を大きくした虎鉄は、龍平のポケットに手を突っ込みある物を取った。


「あ、あの! この指輪で勘弁してもらえませんか!」


「こ、この指輪………」


 虎鉄が門の前で隊長らしき人物からもらった指輪を、店長に見せると店長はその鬼の形相が外れ、動揺を露わにした。

 すると店長は指輪を掲げ上のランプの光に当てだした。


「ほ、本物だ! これは、ウェポンマスターの指輪だ! せ、世界に一つしかないハルダード隊長の指輪だ!」


 隊長の名前はハルダードと言うらしく、その指輪にはそれ相応の価値がある様で鈴木達が助かったと思った時、店長が叫んだ。


「盗人だぁー! 盗人が出たぞぉ〜!」


「落ち着け、おっちゃん! この坊主達が何を盗んだんだ!」


 狂気に満ちた叫び声を上げる店長を落ち着かせようと傭兵達が話しかける。


「こ、こいつら! ウェポンマスターの指輪を盗みやがったんだ!」


「はぁ! ウェポンマスターの指輪ー!」


 ウェポンマスターの指輪、という単語が連発する中虎鉄が透明化を四人にし、出口へ走り出した。


「あ、逃げる気だな〜!」


 虎鉄、朱羽、龍平、鈴木の順でドアに走ると傭兵達がドアの前に立ちはだかり、店長と話していた傭兵が鈴木の服を掴んだ。

 掴んだ途端に前に投げ飛ばし、四人はドアを突き破り重なって表通りに出る。

 そして四人の透明化が突然消えた。

 そう、四人は重なって扉を出たということは一番先頭にいた虎鉄は三人の真下に居るという事になる。

 虎鉄は急な衝撃と三人の体重により意識を失っていた。


「くそ! 行くズォォー!」


 朱羽が虎鉄を抱え、走り出そうとした時傭兵に殴り飛ばさせた。

 そうして朱羽も意識を手放した。

 龍平は何とか攻撃を避続けるも、傭兵の右足が振り上げられそれを顔面すれすれで避けると地面についた左足を跳ね上げさせ、傭兵は足を上げたまま中に浮き、龍平が踵落としを予測し腕をクロスさせガードしようとするも中に浮きながらの踵落としは受け止めきれずに龍平の脳天に直撃し、気絶。

 鈴木は、まずパンチ一つ避けられずに気絶し、最初の状況となる。


「せめて………自首をして入りたかった…」


 鈴木はそう恨めしそうに漏らした。


「なぁ、どうせだからこれから起こり得る全ての可能性を視野に入れ今後に付いて話そう」


 龍平が小難しい言い方をし、そういう話大の苦手な虎鉄と鈴木はしかめっ面になり目に見えるような溜息を吐いた。


「まず第一に俺たちのここでの立場だ、誰か挙手を」


 龍平がそう言うと虎鉄が手を挙げる。

 手に枷を付けているので万歳をしている体制になり、何とも間抜けな格好である。


「はい、孤杉くん」


「はい、僕が思うに何処からともなく現れた変な服を着た魔法使いだと思います!」


 虎鉄の意見に皆が同意をした世界初の日であるとこの時鈴木達は思った。


「それにしても、俺たちは異世界に来たんだよな多分、でさ、その、するとな、「早く言え」俺たちはあの店長の話していた勇者なのかもしんないぜ!」


「「「………」」」


 朱羽のモジモジとした態度にイラつきと吐き気を覚えた鈴木が朱羽を急かすと予想以上にしょうもない事を言い出したので三人はたちまち黙り込んでしまう。


「え、何? 朱羽って元々本当に義妹が居るのに義妹好きとか言ってたり、ラッキースケベ率高い漫画で見えそうなシーンだけ異常に読了時間多かったりしてキモかったけど、まさか等々小説と現実まで一緒にするなんて流石に病院もんだよ」


 朱羽の勇気を振り絞った言葉に虎鉄が返した言葉は余りにも辛辣でその目は『僕だって真面目に考えてるんだからさ』という感情が裏表に溢れ出ている。


「い、いやさ! ほらよく言うじゃん、現実は小説より奇なりって「奇怪なのはお前と虎鉄の脳味噌だけで十分だよ」………」


 朱羽の必死の反撃も鈴木の冷たい言葉によりあっさりと、切り捨てられる。


「でも、あながち間違ってないかもしれんぞ」


 朱羽への蔑んだ空気をお爺ちゃん言葉で打ち破って龍平が喋り出した。


「へ? 龍平のウチってWi-Fi繋がってないからネット小説とか読めないんじゃなかったけ? 金で親に負担かけるのは嫌だとか前も言ってたし」


「いやな、前に一度朱羽の話に耳を傾けたら四時間以上も話されてな、流石にその時の事は参ったが内容は何となく頭に入っていてな」


 朱羽には語り癖があり、一度語ると止まらなくなる。

 その語る時間はとある変身する超人が居れば、怪獣を2000体は倒し正体がバレ星に帰っている程だろう。


「お前、また拷問したのか? 確かに好きな物を友達に語って共有したいのはひっじょ〜うに良く解るがお前のは話が長過ぎて最早拷問だ!」


「まぁまぁ、今はコレなんか置いておいて話を戻すと龍平はあながちコレの言っている事は間違ってないって事?」


「あぁ、状況的にはそうだ、でもここで今重要なのはこの後俺たちがどうなるのか、何を求められるのかだ」


 龍平のその言葉に先程までの馬鹿馬鹿しい空気が一変した。

鈴木達の初の牢獄デビュー、僕もこの間初の六本木デビューしました!イェーイ

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