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鈴木くん達はやっと人に会えました。

ジャンジャン書きまーす。

だから応援してください。

お願いします。

見捨てないで!

 鈴木は追いかけっこをしていた。

 鈴木達は追いかけっこをしていた。

 鈴木達は猫と追いかけっこをしていた。

 鈴木達は猫と命がけで追いかけっこをしていた。


「龍平ー! お前家、剣道の道場だろ! 猫ぐらいそこら辺の棒切れで倒せよ!」


 朱羽の無茶振りに普段の龍平らしくない暴力的な口調で言い返した。


「できるわけないだろぉ! 俺はな、人と棒切れで叩き合ってきたんだ! それに俺は猫を引っ叩く為に今まで練習してきたんじゃない!」


「いや、だからってだろう! んじゃ何かお前はあのクソ猫を叩きたくないが為に俺達の命を危険に晒すのか⁉︎ お前俺達より猫の方が大事なのか⁉︎ 俺達のy「うるせー! んな事いいから走れ馬鹿たれ! 会話する暇があるなら死ぬ気で走れ! じゃないと死ぬぞ!」


 鈴木達の姿は客観的に見れば猫一匹に逃げ惑う変人集団である、だがそんな事を本人達が知る術はなく今は現状打破を優先し猫という問題を処理しないといけないのである。


「おい! 猫って水苦手だったよな! 早く水に飛び込むぞ!」


 朱羽は自分達の真横にある湖へ向かい走り出した。

(しめた、今のうちに逃げればこいつらから逃げ切れるんじゃないのか?)

 普通に考えれば直ぐに分かることだがイキナリ襲われ混乱状態の鈴木達にそんな事を咄嗟に思い付く冷静さはなかったが、暫くすれば嫌でも思いついた。


「おい! まってくれ! その湖は大丈夫なのか! 確かジャングルの湖や川は人間の皮膚を食い破って寄生する生き物とかが入ると聞いた事が有る!」


「嘘! そんなのいるの! 何それ、超痛そう」


 朱羽の出した提案に龍平が直ぐに最悪のケースを伝えると虎鉄が苦虫を噛み潰した様な顔をしながら便乗した。

 そうすると朱羽は何事も無かったかの様にこちら側に戻ってきて無言で俯いて走っている。

 その顔は良くは見えないが、何かブツブツと呟いていた。

 朱羽の異常さに虎鉄が近づいて何を言っているのかを聞きに行ったら朱羽は「危ない危ない危ない危ない」と復唱し続けていた。


「じゃあ、みんなでバラバラに逃げるのはどうですか?」


 鈴木が逃げる為にそう皆んなに提案すると龍平が即座に言い返してきた。


「ダメだ! もし逃げ切れなかった時、玄はあの猫と一対一で戦えるのか!」


 そう、龍平に言われ自分の論点がずれていた事を鈴木は知った。

 鈴木達が今考えなければならない事はどう生き延びるか、ではなくどの様にして損害を最小限に抑えるかである。

 そんな中、何故か周りをチラホラと見つつ走っていた龍平が急に腰を下げ何かを掴んだと思ったら振り返った。


「あぁ! くそ! 許せ、猫!」


 龍平がそう叫ぶと先程掴んだ木の棒を猫の腹に叩きつけた。

 その瞬間猫は「ぐぎゃっ」という苦しそうな声と共に宙に軽々と浮き上がりその時の龍平の姿はどんな例えをしてもヒーローには見えず、ナイスショットを打ったゴルファーの様なホームランを打った野球選手の様だった。


「ぐ! 感触が、感触が手から離れない! ざ、罪悪感が! 罪悪感が!「んなの、どうだっていいから早く逃げるぞ! ほら立て!」


 罪悪感に溺れて殺人をしたかの様な雰囲気の龍平を朱羽が強引に立たせ、猫が復活し追ってこない間に鈴木達は全力で走り続けた。






「はぁ、はぁ、はぁ、ここまで、来りゃ、大、丈夫だろ、」


 気が付けば樹海なんじゃないかと思うほど大きかった森を抜け草木のない手入れされた道を歩いていた。

 上を、空を見上げれば猫に追いかけられる前とは、一転しており多くの星たちを玉座にして居座っていた月は今はもう西に玉座を明け渡すかの様に傾いており、先程まで月があった東側に玉座を貰い受けるかのように太陽が着々と登ってくる。

 そして、その明かりに照らされる様にしてそびえ立つ鈴木達が待ち望んでいた物とは少し違うが、それは太陽の光に照らされ鈴木達を歓迎するかの様に光を反射している。

 鈴木達は草原の上少し夜の寒さが残っている風に吹かれそれがある事に感嘆の声を漏らしていた。


「やっと……やっと見つけた。やっと人に会える………助かった」


 鈴木達はそういい一歩一歩足に力を入れ、中世の西洋風な城の周りを囲むようにして壁がありその中には幾つもの建物が見える。

 鈴木達が一歩足を進めるたびに城は大きくなりそして近づいて来た。


「うわぁー、デッケーまだあんなに入り口まで距離あんのにもうこんなにデカイ、てか何で城なんだ? ここ、日本だよな?」


 朱羽が無意識に放ったその言葉に自然と四人の脈拍は速くなりドクンッドクンッという血液を循環させる音が、ざぁーっと夜の冷たさを残した風に草が揺れる音がその時の鈴木達にはここが日本じゃないという可能性を際立たせる様な残酷な音に聞こえた。


「ま、まぁまぁ、今はひとまずあの城の中に入ってから考えよう」


 虎鉄がそう言うと龍平も「考えてても変わりはしないし、進もう」と言った。

 鈴木達は唯々無言で城へと歩き続けた。

 暫くすると鈴木達の後ろから馬車がやって来た。

 馬車は後ろに何か鉄の箱を付けていて人の移動時に使うものではなかった。


「玄! 馬車がやって来たぞ、乗せてもらおう」


 龍平が鈴木にそう伝えると馬車に向かい小走りで向かっていった。

 だがある程度近づいたら龍平は踵を返し鈴木達の方へ戻ってきて


「玄! 朱羽! 虎鉄! 奴等何かおかしい! 服装からして………み、密猟者か何かだ! 隠れろ!」


 龍平はその時悩んだ、馬車に乗っている奴等の服装は賊の様な服装だったがそれを伝えればまた一つ希望が小さくなってしまうからだ。


「はぁ! 密猟者! 銃とか持ってないよな!」


「あぁ、パッとしか見てないが全部で3人! 前に2人棍棒みたいな物とナイフを持った奴、後ろに曲刀を持った奴が1人だ!」


 鈴木は龍平に「なんで、パッと見ただけでそこまで分析できんだよ、怖いな!」とツッコミをいれ、ひとまず近くの茂みの濃い草の中に身を潜めようとしたその時


「おい! そこのテメェ等! 見えてんだよ、早く出てこい!」


 賊共が乱暴な口調で怒鳴りつけてきたが無視し鈴木達は冷静に茂みに潜った。


「おい! テメェ等無視してんじゃねぇよ! 速く出ねぇと殺すぞ!」


 賊共の声に一切耳を傾けず鈴木達は一向に出てこない。

 暫くして賊共が痺れを切らし馬車から後ろの1人を残し降りて茂みの中に入ってきた。


「早く出てきた方が身のためだぞ、あんまし手間掛けさせると体のどっか切り刻むぞ」


 賊の一人がナイフを舐めながらそんな事を言う、が鈴木達は一向に出てこない。

 段々と賊がこちらに近づいてくると龍平が石を少し遠くを草むらに投げた。

 さぁっと一瞬だけ草が揺れる音がしその音に賊達は反応し「こっちから音がしたぞ〜」っと叫び声をあげ近づいていた賊もそちらに向かった。

 はぁっと一件落着したかの様に息を零した。


「おい、このままやり過ごすぞ」


 朱羽が鈴木に小声でそう告げた。

 鈴木は今がチャンスだ、と思い朱羽達に背を向けず後ろに下がっていった。

 すると突然鈴木は後ろからの衝撃で前に倒れた。

 鈴木は何事かと思い目を開けると先程まで顔があった場所の草が切れていた。


「へっへっへっ、見つけたぜ」


 賊の下卑た笑いにゾッとし、鈴木は朱羽を退かし賊の腹に蹴りをいれ急いで茂みから走り出した。


「何で場所がばれたの! 賊は脳死しているのは全世界どこでも共有じゃなかったの!」


 虎鉄が何とも酷い事を口にしているが鈴木達も心の何処かで賊共を侮っていた。


「待て! テメェ等もう容赦しねぇぞ」


 賊が叫ぶと持っていたナイフを降りかかってきた。

 龍平が賊の腕を受け止めそのまま殴り飛ばした。


「うわ、容赦ないな………」


 流石の虎鉄を引くほど龍平のその時の攻撃は容赦なかった。

 だが賊も当然一撃ではやられず殴られた頬を抑えながら更に怒っている。


「お前等! 引っ捕まえて売ろうと思ったがもう止めだ! ぶっ殺してやる!」


 そう言うとナイフを持った賊通称ナイフ賊は龍平に向かってタックルをし、そのまま龍平と転がり組み合いになった。

 ナイフ賊が龍平の喉にナイフを突き立てようとしているが龍平もその手を握りさせまいとしている。

 鈴木は朱羽に助けを求めようとしたが朱羽は棍棒を持った賊の通称棍棒賊の攻撃を避けるので手一杯だった。

 鈴木は虎鉄を探していると龍平との組み合いが解けこちらに向かってくるナイフ賊に気が付いた。

 だが鈴木はガタイも良くなければ武術を嗜んでいるわけでもないだから当然、ナイフ賊の攻撃を避けきれずに体の表面の皮を切られた。


「痛ってぇ! くそ、待って待って! な! 大人しく言う事聞くから冷静に話し合おう! 俺お前とは他人な気がしないんだよ! だからナイフなんて置いて友達になろ!」


 鈴木は殺されるかもしれない状況下で腰をつきながら後ろに下がりつつ、こんな苦し紛れの言葉しか出なかった。


「あぁ! 許すわけねぇだろ! 大人しく死ね!」


 ナイフ賊は鈴木の言葉に耳を貸さず着々と一歩一歩迫ってきた。


「く、来るな! あっち行け!」


 鈴木はナイフ賊から逃げる為に立ち上がろうとするが既に腰は抜けており立ち上がる事が出来なかった。

 鈴木は何か無いかと辺りを確認するも石ころしか見つからずその石を掴みナイフ賊の顔に向かって投げつけた。

 鈴木はこれが目に当たったとしても多分殺される、そう諦めた。










 だが、だが運命は鈴木にまだ生きろと言った。

 ブゥーンゥというまるでスポーツカーが走った様な音がし鈴木の投げた石は光を帯び出しナイフ賊の顔を吹き飛ばした。

イエイ!続き投稿したぜ!イエイ!これからの展開に超悩んだぜ!イエイ!

これからもジャンジャン投稿するので見てください!イエイ!

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