鈴木くんは酔っ払って道に迷いました。
えーと、数年ぶりの投稿です。
誤字脱字が御座いましたら言ってください。
どうか僕を身離さないでください!
お願いします!
「………あれ、ここは……」
一人の青年は草原に仰向けで転がりこんでポツリと呟いた。
(ま、不味い、全く状況が理解出来ない)
青年がポツリと言葉を零し辺りを見回すと、所々に木が生い茂った草原と大きな湖それ以外なく、他に目立つ物と言えば青年の真上に広がる清々しいまでに晴れた空だ。
まさに快晴というのは、こういう時に言うのだと青年はその時に思った。
そうしているうちに青年の起きたばかりの曇った思考も晴れてきて、段々と何があったかを思い出し始めた。
青年、鈴木 玄武は友人達と何時も通り会う約束をしていた。
日は落ち集合場所の焼肉店のドアをガラガラッと慣れた仕草で開ける。そのドアの開け方から何度も入り浸っている事が自然と分かる。
中に入ると焼肉店の独特な肉の焼ける音とおじさん達の話し声が聞こえてくる。
「あれ? いない……おっ! いたいた」
この人の多い中では直ぐには見つけられない鈴木だったが探せば案外ドアの近くに居た。
そのどんよりとした空気の三人はこの時刻だとより一層目立った。
「おせーよ、たくっ……そんなに俺等と会いたくないのか?」
鈴木以外に初めに口を開いたのは斎藤 朱羽
身長が高く顔は女子からの貢物の安定性が立証しているほど、髪は茶髪で染めてあり髪の根元には地毛の黒髪が覗く、目は黒目で全体的にチャラい印象がある。
「全く、龍平に彼女を知らずに取られた事をまだ妬んでたんだ」
そして今度は先程とは、逆に背は小さくつり目でその独特のニヒルな笑い方の為か何処か嘘っぽい雰囲気を醸し出しているこの男は孤杉 虎鉄。
髪は地毛で明るい茶髪だと言っているが真相は誰も知らない、つり目以外は可愛い顔つきをしており女子の間では隠れファンがチラホラといるらしい
「な! 本当か玄! 何でもっと早く言わなかったんだ!」
最後は江戸時代から抜け出た様なオーラを纏っているこの青年 東ヶ崎 龍平は家が剣道の道場をしておりその顔つきは真面目だと言わんばかりにキリッとしている。
黒髪黒目で染めておらずそれなのにか、それだからか女子からはモテている、正義感に満ち溢れており男女境なく愛されている。
「んな訳ねぇだろ、バーカ」
鈴木はそう言い靴を脱ぎ、虎徹をど突くとそっと腰を下ろした。
今のやり取りだけで四人の信頼関係はかなり深いのは火を見るよりも明らかだという事が分かる。
「はぁ、んでお前等どうするこれから先? もう大学の三回生だしやっぱ留年する?」
朱羽が心底面倒臭そうな顔をして溜息を吐くかの様に言葉を吐き捨てる。
鈴木達は今大学の三回生で留年をすべきかすべきじゃないかを考えている。
別にもうすぐ卒業という訳でもないのに何故そんな事で悩んでいるのかというと去年卒業していった先輩方から「留年もこのオープンキャンパスを過ごす、大事な1ピースだったのに何で留年しなかったかなぁ〜俺らは……はぁ」という何とも憂鬱な悩み事を話された為である。
「した方が良いんじゃないか? 俺はあんな未練ダラダラの卒業は嫌だからな」
鈴木がそう言うとみんなは一瞬顔を見合わせ「やっぱ、そうだよなぁ〜」と朱羽が言う
丁度店員さんが近くに寄ってきたのでビールを一つ頼み、目の前の焼かれた肉をタレに付け口に頬張る。
みんな憂鬱そうな顔をする中でもしっかりと焼かれた肉を口に運んでいった。
「もう今日はバァーッと飲んじゃった方が良いんじゃない? 僕的にはそれが嬉しいけど」
虎鉄はそう呟くといい焼き加減の肉を箸で摘み店特製のタレに付けると口に放り込む。
龍平もそれを見てか手に持っている日本酒を喉に流し込んでいく。
鈴木も朱羽も負けじと手に持っていたビールを流し込む。
「ぷぁ、もうシラフじゃやってらんねぇなこの歳になると! 昔はこんな悩み屁でもなかったのに今じゃすっかり弱気になって……」
「全くだ、親父は相変わらず道場を継げと言ってくるしこのままじゃ本当に継いじまいそうだ」
朱羽がおじさん臭い事を言うと龍平も便乗した。
龍平は最近元々継げと煩かった親が更に煩くなっている状況に不満をもっていた。
(このままじゃ人生を親に決められそうだ)
と龍平はちょくちょく悩み苦しんでいた。
この時鈴木は親の職を引き継ぐ子の辛さを何となく理解していた。
「はぁ、お前等は暗い!折角酒飲んでんだもう少し明るく行こうぜ!」
そう鈴木が口にすると店員に半ば乱暴にビールを注文し手に持っていたビールを一気飲みした。
例えこれでアルコール中毒になろうが知ったこっちゃない! という勢いでみんな酒を飲んでいく。
「あぁーもう! もっとだ! もっと酒を寄越せ!!」
酔っているためか言葉使いが乱暴になった龍平が店員に怒鳴る様にして頼むと店員は態度の急変に驚き、逃げる様にして注文を伝えにいった。
「もーう………何やってんの、あの子怖がって逃げてったじゃぁないか」
クスッと笑いつつ龍平をおちょくり始める虎鉄、それを見て笑っている鈴木とこんな状況に呆れている朱羽。
「お前等………酒は飲んでも呑まれるなって言うだろ悪酔いし過ぎだ」
朱羽がそう言うと何故か鈴木と虎鉄はニヤニヤとし始める。
その不気味さに朱羽は若干引き気味である「食らえ!」っと突然鈴木が言い虎鉄が朱羽の背後に回り込み取り押さえると口を強引にこじ開ける、すると鈴木が頼んだビールを朱羽の口の中に流し込む。
「ごぅほぉごっほ、テメェ等いい加減にしろぉ!」
突如朱羽が叫ぶ、その目はトロッとしており完全に酔いが回っている「お返しだ!」と朱羽が言い鈴木の口にジョッキを捩じ込もうとする。
それを愉快愉快と言わんばかりに肉を摘みながら見ている龍平と何故か外野側にいる虎鉄、この二人は店員にまた酒を頼んだ。
「そうだ、ここら辺で記憶が飛んだんだ」
鈴木は冷静に状況を整理しようと考えていたら急に体を起こし焦った様にポケットに手を突っ込む。
「良かった」と言い安心したのかそっと溜息をつく、どうやら財布と携帯の確認をしていた様だ。
そして携帯を取り出しGPS機能を使おうとすると何も表示されない。
壊れたのか?と焦り原因を探すと携帯の隅に圏外と書いてあった。
「おいおい、俺は一体何処まで酔っ払って来ちまったんだよ……」
鈴木は携帯が壊れていない安心と電波が圏外の場所まで来てしまった事への不安で脈拍が速くなる。
だがそうしても何も始まらないので一度深呼吸をしようとすると突然鈴木の背後から「うぅ…」と聞こえた。
その呻き声に鈴木は興奮を隠せずに居た。
(不味い、こんな状況下でする呻き声なんて化け物に決まってるヤヴァイ!)
鈴木は後ろを振り向くか振り向かないかを真剣に悩み苦しんでいると唐突に背中に何かが当たる、ビクッと鈴木の背は震え上がり後ろを恐る恐る向くと
「なんだ、人かよ……ん?」
鈴木は一度は安心するもののその人物の異様さに嫌でも不安に塗り替えられる。
鈴木の目の前に倒れている人っぽい何かは髪が真っ赤なのだ。
普通の染めた様な赤色とは違い完全に根元から赤くなっており、何よりも赤みがすごく濃いのだ。
そしてその図体のデカさは180センチ以上ありこれには鈴木も驚きを隠せずついつい辺りを見回すと先程は真後ろだったから気付かなかったが赤色(仮)以外にもあと二匹人っぽい何かが居た。
一匹は鈴木と同じ背くらいの奴、髪の毛は先程とは逆に濃い藍色をしている。
そしてもう一匹は鈴木より背は小さく髪の毛は黄土色をしている、残念ながら全員男だった。
「おいおい、こういうのは女の子だと相場が決まっているだろうが」
鈴木はそう言うとより一層顔を強張らせた。
女の子だったなら、疚しいこと関係なく何かされた時に勝てるだろうがコイツ等だと戦っても勝てる気がしない。
(又々不味いぞぉ、何かで縛り上げたいが何も紐の様な物は無いしそもそもあの赤色(仮)にはそんなの効かずに殴り殺されそうだしうーんどうしたものか?)
主人公
鈴木 玄武
21歳 身長174センチ
誕生日 6月8日
斎藤 朱羽
21歳 身長182センチ
誕生日 9月15日
東ヶ崎 龍平
21歳 身長175センチ
誕生日 8月21日
孤杉 虎鉄
20歳 身長167センチ
誕生日 12月1日