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L I M I T  作者: 植井 途央
6/17

第006話 組織の中で Ⅰ

闇に包まれた空間―――



幾つかの光が小さく灯る空間、

その中に据え付けてあるスピーカーから、声が響く。

「“SIMS”司令部最高指揮官様、緊急連絡が入っております」

空間から、機会の合成音のような声が、響く。

「Cブロック情報収集部長官か。どのような情報だ」

「は。こちらCブロックの空間管理統制部コアの惑星統括ワームホール郡に、爆発物が投入されました」

「外部か」

「…は。統制番号02、“地球”のワームホール郡からのようです」

「状況は」

「直径1mを超える大きさの爆発物が突然出現しました。個数は1です」

「形状、質量を報告せよ。共に推測で良い」

「形質は、歪みの少ない球形、質量は、プログラム感知によると約150kg。表面に、C文字№2郡61項“漢字”で“超大玉”と書き記されておりました」

「投入された場所を」

「…検索中です。……只今結果が出ました、統制番号02№61“日本”、371項“海枌市”の管理河川番号11928、“栄川”の河川敷より、投入された模様。“捜索兵(サーソル)”は、C-01、ゾルスの捜索範囲に属しております」

数秒置いて、返事があった。

「そうか。それなら問題はない。“選ばれし者”発見に関連している事項だ。こちらも、ゾルスに連絡を受けている」

答えは実に単純だった。しかし、スピーカーから出る声が微妙にトーンアップした。

「“選ばれし者”が見つかったのですか!?」

「ああ。ゾルスが発見した。本人の同意が出次第、こちらに参るそうだ」

「それはよ…………え、何だって?聞こえづらい。もうちょっと大き…………は?……………………」

スピーカーからは、嬉しそうな声から一変、暗い沈黙が出てきた。

「どうかしたのか」

不審に思ったのか、司令部最高指揮官が、訊く。

数秒間の沈黙の経過の後、さっきよりも大幅にトーンダウンした声が聞こえる。


「申し訳ございません最高指揮官殿。先程、監視中のゾルスから連絡が入りました。その“選ばれし者”は、偶然普通空間上に違法構成された空間断裂に紛れて、地球外の“どこか”へ、飛ばされたようです」


さらに長い沈黙の後、再び合成音のような声が響く。

「“どこか”とは?」

「……只今、ゾルスとCブロックで総勢力を挙げて捜索中です。宇宙空間上に放たれていたのなら、それこそ一巻の終わりです」

「…そうか。しかし、諦めないでくれ。君も、元々は“選ばれし者”として地球から連れられてきた身なのだ。そのとき起こった問題の事を考えると、今回の方がまだましだ。状況を、迅速に解決するよう努めてくれ」

「……」



再び、空間に沈黙が戻った。




自我の崩壊音ががががが

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