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転生先の婚約者が彼氏だった件

作者: 凜
掲載日:2026/09/26





目を開けた瞬間、見知らぬ天井が視界に広がった。




……ここ、どこ?




天蓋付きの寝台。豪奢な刺繍が施されたシルクのシーツ。窓から差し込む朝陽が、深紅のカーテンを透かして柔らかな光を落としている。





鳴神摩耶は混乱した。確か自分は——イタリアンの店を飛び出して、外の空気を吸おうとしてそれから、大きな音がして。




車……そうだ、車が




ぶつかる、と思った瞬間の記憶がある。あれは夢だったのか。それとも。




ゆっくりと起き上がろうとして、摩耶は違和感を覚えた。自分の手ではない。白くて、細くて見慣れない指。爪は丁寧に手入れされ、淡い桜色に染められている。



「……え」



声も違う。低くも高くもない、けれど確かに自分ではない声。




摩耶は恐る恐る寝台を降り、部屋の中を見渡した。鏡台がある。吸い寄せられるように近づき、鏡を覗き込む。


そこに映っていたのは、見知らぬ少女だった。


深い真紅の髪が、ゆるやかなウェーブを描いて肩から腰へと流れ落ちている。金色の瞳は強気な印象を与え、左の目元には色っぽい泣き黒子。十六七歳といったところか。ドレスは寝間着とはいえ、明らかに高級な絹で仕立てられている。


「クレア……・クルーゼ?」


その名前が口から零れ落ちた瞬間、洪水のように記憶が押し寄せた。


クレア・クルーゼとして生まれてから今日までの記憶。公爵家の令嬢としての教育。王太子レイン・オーギュストとの婚約。月に一度の義務的なお茶会。


そして——前世、鳴神摩耶として読んでいたWEB小説の記憶。


「……うそ、でしょ」


摩耶は鏡の前で立ち尽くした。


あの小説は、確か『聖女の祝福』というタイトルだった。主人公のスピカが聖女として覚醒し、腐敗した神殿を改革していく物語。そこに悪役令嬢として登場するのが、クレア・クルーゼだった。


家格と年齢だけで結ばれた婚約者。王太子レインに近づくスピカを疎ましく思い、破落戸を雇って彼女を傷物にしようとする。けれど計画は露見し、クレアは平民に落とされ北の地の修道院に送られる。そして——


「一年と経たずに、流行病で死ぬ……?」


なんておまぬけで、あっけない幕引き。


摩耶は膝から崩れ落ちそうになった。けれど、寸でのところで踏みとどまる。




待って。私は今クレアの記憶もあるけど、摩耶としての人格も持っている




二十四歳の会社員として生きた記憶。高校の同級生だった雨宮高貴と七年間付き合ってきた記憶。そして——あの日、プロポーズの話をはぐらかされて悲しくなって店を飛び出した記憶。


「……高貴」


その名前を呼んで胸が痛んだ。けれど、今はそれどころではない。


摩耶は深呼吸をひとつした。クレアとしての記憶によれば、今は王宮のクレアの私室。今日は特に予定はない。静かに考えをまとめる時間はある。


「大丈夫。簡単なことよ」


自分に言い聞かせるように、摩耶は呟いた。


「破落戸を雇ってスピカを襲わせなければいいだけ。それで私は死なない。修道院にも送られない」


物語の強制力というものが存在するかはわからない。けれど、少なくとも自分から悪事に手を出さなければ、破滅のルートには乗らないはずだ。


「それに、スピカと会う機会があれば友好的に接して……レイン殿下とスピカの恋を応援すればいい」


原作では、レインとスピカは神殿の悪事を暴く過程で絆を深めていく。クレアはその邪魔をしようとして失敗するのだけれど、逆に応援すれば円満に婚約解消できるかもしれない。


「うん。そうしよう」


摩耶は決意した。もう、誰も傷つけない。自分も傷つかない。そう心に誓った。


その時、コンコン、と扉がノックされた。


「クレアお嬢様、お目覚めですか?」


侍女の声だ。クレアの記憶によれば、朝の支度を手伝いに来たのだろう。


「……ええ、起きてるわ」


できるだけクレアらしい声を装って答える。まだ、完全に演技はできないけれど。


「入ってきて」


扉が開き、侍女が入ってくる。摩耶は鏡に映る自分の姿をもう一度見つめた。



これから、私はクレア・クルーゼとして生きていくのね



深紅の髪に、金色の瞳。絵に描いたような悪役令嬢の姿。


けれど、中身は鳴神摩耶。二十四歳の普通の会社員だった女。


「よろしくね、クレア」


小さく呟いて、摩耶は微笑んだ。







同じ頃、王宮の別棟で。


レイン・オーギュストは、自室の寝台の上で呆然と天井を見つめていた。


「……え?」


サラサラの金髪が枕に散らばっている。海のような碧眼は、今は焦点が定まらない。


「え? なんで?」


レインは起き上がり自分の手を見た。見慣れたはずの手。けれど、どこか違和感がある。




俺は……雨宮高貴だ




その記憶が、今朝目覚めた瞬間から脳裏に張り付いて離れない。


高校の同級生だった鳴神摩耶。大学に入ってから付き合い始めて、社会人になっても続いている彼女。交際記念日に、ちょっとお高いイタリアンで食事をした。そこで摩耶に結婚の話を振られて、俺は——。


「……最悪だ」


高貴は頭を抱えた。


あの時、摩耶に「結婚はどう考えてるの?」と聞かれて、俺はしょっぱい顔で変な言い訳をしてはぐらかした。摩耶は悲しそうな顔をして、店を飛び出して。


違うんだ。あれは……


実は、摩耶の誕生日にプロポーズするつもりだった。指輪もオーダーしてあった。だから、交際記念日に指輪もなしにプロポーズするわけにはいかなくて、咄嗟に誤魔化してしまった。


けれど、そんなことは摩耶には伝わらなかった。


そして——摩耶が店を出た後、俺は彼女を追いかけた。そして見た。制御不能になった車が、摩耶に向かって突っ込んでいくのを。




俺は、走った。摩耶を庇おうとして。でも間に合わなくて




抱きしめた瞬間衝撃が走った。それから、記憶が途切れている。





「俺、死んだのか……」




胸が締め付けられる。守れなかった。自分の変なプライドのせいで、摩耶を死なせてしまった。





「あの時、ちゃんと言えてれば…」





指輪は、もうない。けれど言葉ならある。想いならある。



ただ摩耶はこの世界に居ない…。



レインは静かに目を閉じた。






今日は、月に一度のお茶会の日だった。







王宮の庭園は、よく手入れされていた。


季節は春。色とりどりの花が咲き乱れ噴水の水音が心地よい。その中でも一際目立つ場所に、白いテーブルと椅子が設えられている。月に一度の、王太子と婚約者のお茶会の会場だ。




クレア——もとい摩耶は、ドレスを着てその場に立っていた。深紅のドレスはクレアの髪色に映え、金色の瞳を引き立てる。




今日、レイン殿下に会う




このお茶会はただの義務的なもの。二人は表面だけの会話を交わし、特に何も起こらない。




もし、レイン殿下が高貴だったら……




いや、そんなはずはない。そう思おうとしても、期待してしまう自分がいる。



今でも高貴が好きなのにこのまま結婚しなくちゃいけないの?



でももし殿下が高貴だったらあの小説ではレイン殿下はスピカと結ばれるんだから。


高貴がレインになってるなんて、そんな都合のいい話




けれど、もしそうだったら。もしあの日のはぐらかした理由を聞けたら。




……やめよう。今は、クレアとして振る舞わなきゃ




摩耶は深呼吸して椅子に座った。ほどなくして、レインが現れた。




サラサラの金髪。海のような碧眼。絵に描いたような王子様。けれど、その表情はどこか堅い。


「お待たせ、クレア」


「いいえ、殿下。私も今来たところですわ」


定型文の挨拶。摩耶は笑顔を作る。クレアとしての記憶が、自然と口を動かす。


「今日はいい天気ですね」


「ええ、本当に」


紅茶が運ばれてくる。摩耶はカップを手に取り、一口含んだ。アールグレイの香りが広がる。


こんなに美味しい紅茶なのに、クレアは味わう余裕もなかったんだろうな




原作のクレアは、レインの心を掴むことばかり考えていた。けれど、その想いが実ることはなかった。


「殿下、最近はいかがですか?」


「ああ、変わりないよ。クレアは?」


「私も、特に」


会話が途切れる。沈黙が流れる。摩耶は必死に話題を探した。けれど、クレアとしての記憶が邪魔をする。


どうしよう。何か、自然な話題……


その時、レインの手が滑った。


カチャン、という音とともにティーカップが傾く。残り少ない紅茶が、レインの左手にかかった。


「っつーーーーーーーー」


レインが声を上げる。摩耶は反射的に立ち上がった。


「大丈夫ですか殿下!」


本来ならば、控えの者が処理する場面。けれど摩耶の体は勝手に動いていた。ポケットからハンカチを取り出し、レインの手を拭う。


「殿下! 失礼致します」


そして、レインの腕を引いてすぐ側の噴水まで連れて行く。レインの左手を噴水の水につける。


「どうですか? 痛みはひきましたか?」


「ああ……」


レインが小さく答える。摩耶は水に濡らしたハンカチを軽く絞り、レインの手に巻き付けて結んだ。その結び目は、摩耶がいつも高貴のお弁当にしていたのと同じ独特の結び方だった。


「……ま、や」


レインの口から、小さな声が漏れた。


摩耶は手を止める。心臓が跳ねる。


「……え?」


顔を上げるとレインが摩耶を見ていた。その碧眼には、驚きと確信と、そして——懐かしさが浮かんでいた。


「摩耶……なのか?」




摩耶は息を呑んだ。まさか、本当に。そんなことが。


「……高貴?」


「ああ」


レイン——高貴が、ゆっくりと頷いた。


「俺だ。雨宮高貴だ」


摩耶の目から、涙が溢れた。けれどそれは悲しみの涙ではなかった。安堵と、喜びとそして——あの日の想いが蘇る。


「なんで……なんで、あの時」


「ごめん」


高貴が、摩耶の手を握った。紅茶で濡れた手が冷たい。


「あの時、結婚の話をはぐらかしたのは……摩耶の誕生日にプロポーズするつもりだったからだ」


「……え?」


「指輪をオーダーしてあった。だから、交際記念日に指輪もなしにプロポーズするわけにはいかなくて。咄嗟に、誤魔化してしまった」


摩耶は言葉を失った。そんな理由だったなんて。知らなかった。ただ、悲しくて。悲しくて店を飛び出して。


「摩耶が店を出た後、俺は追いかけた。そして見たんだ。車が、摩耶に向かって突っ込んでいくのを」


高貴の声が震える。


「走った。摩耶を庇おうとして。でも、間に合わなくて。抱きしめた瞬間衝撃が走って……そこで、記憶が途切れた」


「……高貴も、死んだの?」


「ああ。多分、一緒に」


摩耶は、高貴の手を強く握り返した。守れなかった。自分のせいで。そんな想いが、伝わってくる。


「ごめん。守れなくて。俺の、変なプライドのせいで」


「……ううん」


摩耶は首を振った。涙が、頬を伝う。


「私も、悪かった。勝手に飛び出して。勝手に悲しくなって」


「摩耶」


「高貴」


二人は、しばらく見つめ合った。庭園の花々が静かに揺れている。噴水の水音だけが、二人の間を流れていく。


やがて、摩耶が小さく笑った。


「……なんか、すごいことになってるね」


「ああ」


高貴も、苦笑した。


「まさか、異世界転生するとは思わなかった」


「しかも、悪役令嬢と王太子だよ」


「はは……。俺、こんな事が現実に起こってびっくりしてる」


「私、この世界に原作があるって知ってる。というか、読んでた」


摩耶は、原作のことを高貴に話した。クレアが破落戸を雇ってスピカを襲わせようとすること。それがバレて、平民に落とされ北の地の修道院で死ぬこと。


「……ひどいな」


「うん。でも、私はもう、そんなことしない」


摩耶は、しっかりと高貴を見た。


「スピカが現れる前に、神殿の悪事を暴こう。そうすれば原作の流れを変えられる」


「神殿の悪事?」


「うん。神殿長を筆頭に、汚いお金のやり取りが横行してる。聖女のための資金も、不正に使われてる」


高貴は、しばらく考え込んだ。そして頷いた。


「わかった。協力する」


「ありがとう」


摩耶は微笑んだ。もう一人じゃない。高貴がいる。それだけで、心強い。


「じゃあ、まずは情報収集からだね」


「ああ。俺も、王太子としてできることをやる」


二人は、静かに誓い合った。破滅の運命を変えるために。







それから、二人は動き始めた。


高貴——レインは王太子として神殿の調査を開始した。表向きは「聖女の出現に備えて」という名目で。けれど、その実神殿長の不正を暴くための調査だった。


摩耶——クレアも公爵家のネットワークを使って情報を集めた。クレアの記憶には、貴族社会の裏事情が詰まっている。それを活用しない手はない。


「神殿長は、聖女の資金を私腹を肥やすために使ってる」


「ああ。癒しの見返りとして受け取った金も、不正に処理されてる」


「ひどい……」


「でも、証拠はある。帳簿が二重になってるんだ」


高貴の調査は着実に進んでいた。王太子としての権限を最大限に活用し、神殿の内部に協力者も得た。


「あとは、王様に報告するだけだな」


「うん。でも、その前に……」


摩耶は、少し迷った。けれど伝えておくべきだと思った。


「スピカが、そろそろ現れる」


「聖女の?」


「うん。原作では、スピカが聖女の力を発現して神殿に召し上げられる。そして、レインと協力して神殿の悪事を暴くの」


「……俺と、スピカが?」


「そう。だから、私は思ってた。スピカとレイン殿下の恋を応援しようって」


摩耶は、少し寂しそうに笑った。高貴はそんな摩耶を見て、首を振った。


「俺は、スピカを好きになったりしない」


「……どうして?」


「俺が好きなのは、摩耶だけだ」


その言葉に、摩耶の心臓が跳ねた。前世でちゃんと言ってもらえなかった言葉。それが、今、聞けた。


「……ずるい」


「何が?」


「そんなこと、言われたら。私もっと高貴のこと、好きになっちゃう」


「それでいい」


高貴は、摩耶の手を取った。


「今度こそ、守るから」


摩耶は、涙を堪えて頷いた。









原作通り、彼女は神殿に召し上げられた。けれど神殿はもう、以前のような腐敗した場所ではなかった。高貴と摩耶の働きにより、神殿長をはじめとする不正に関わった者たちは、すでに王命で捕らえられていた。


「スピカさん、お会いできて光栄ですわ」


摩耶は、笑顔でスピカに挨拶した。スピカは少し緊張した面持ちで、けれどしっかりと頭を下げた。


「クレア様、お噂はかねがね」


「あら、どんな噂かしら」


「えっと……とても、素敵な方だと」


「まあ」


摩耶は、くすりと笑った。原作ではクレアとスピカは敵対関係にあった。けれど、もう、そんな関係にはならない。


「スピカさん。これから、大変なことがたくさんあると思うけれど。頑張ってね」


「はい。クレア様も、お体に気をつけて」


スピカは、立派な聖女だった。神殿を改革し多くの人々を癒した。摩耶と高貴は、そんなスピカを陰ながら支えた。


やがて、スピカはレイン——高貴と協力して神殿の更なる改革を進めた。けれど、それは恋愛感情ではなくあくまで仕事としての関係だった。










季節は巡り、クレアの誕生日が近づいていた。


高貴は、密かに準備を進めていた。前世で渡せなかった指輪。それを、今度こそ摩耶に贈るために。


「高貴、何をそんなに慌てて?」


「いや、別に」


高貴は、必死に隠していた。けれど摩耶は気づいていた。クレアとしての記憶と、摩耶としての勘がそう告げていた。




期待しないように。そう思っても、心は躍った。


誕生日の当日。


高貴は、摩耶を庭園に連れ出した。春の花々が満開に咲いている。噴水の水音が、心地よい。


「摩耶」


高貴が、真剣な顔で摩耶を見た。


「前世で、渡せなかったものがある」


そう言って、高貴はポケットから小さな箱を取り出した。開けると、中には美しい指輪が収められていた。シンプルだけれど、上品なデザイン。摩耶の好みをよくわかっている。


「あの日、これを渡すつもりだった」


高貴の声は、少し震えていた。


「摩耶。俺と、結婚してくれ」


摩耶は、涙を堪えることができなかった。前世で聞けなかった言葉。それが、今、聞けた。


「……うん」


小さく、けれど確かに頷く。高貴が指輪を摩耶の指にはめた。


「愛してる、摩耶」


「私も、愛してる。高貴」


二人は、抱きしめ合った。庭園の花々が祝福するように揺れている。








クレア・クルーゼとレイン・オーギュストの結婚は、王国内に広く祝福された。


公爵令嬢と王太子。家格も年齢も、釣り合いが取れている。けれど何より、二人が愛し合っていることが人々の心を打った。




結婚式には時期神殿長として忙しくしているスピカも参列してくれた



「クレア様、お幸せそうで」


「ええ、スピカさん。今日はありがとう。」


「ふふ、おめでとうございます」


スピカは、聖女としての務めを全うしながら自分の道を歩んでいた。摩耶は、そんなスピカを心から応援していた。







それから、数年。


クレアとレインの間には二人の子供が生まれた。上の子は、レインに似て金髪の男の子。下の子は、クレアに似て真紅の髪の女の子。


「まあ、高貴に似て強気な目をしてるわ」


「摩耶に似て、美人だな」


「当たり前でしょ」


二人は、時に喧嘩もしながら仲睦まじく暮らした。レインの治世は、良い意味で長く続いた。神殿の改革も進み人々の生活は豊かになっていった。


ある夜、子供たちが寝静まった後。


摩耶は、高貴の隣で、静かに呟いた。


「ねえ、高貴」


「ん?」


「私たち、死んじゃったのに。こうしてまた一緒にいられるんだね」


「ああ」


高貴は、摩耶の手を握った。


「あの日、守れなかったから。今度こそずっと守るよ」


「うん」


摩耶は、高貴の肩に頭を預けた。


「私も、ずっと一緒にいる」


窓の外では、星が瞬いていた。前世で見た星とは違う星空。けれど、隣にいる人は同じ人。


「愛してる、高貴」


「愛してる、摩耶」


二人は、静かに口づけを交わした。


破滅の運命はもう、どこにもない。ただ、愛する人と共にある穏やかな日々だけが、これからも続いていく。




++++++++++++++++++



後に、この時代のことを記した歴史書には、こう書かれている。


『レイン・オーギュスト王と、クレア王妃。二人の治世はまさに黄金時代であった。王妃は、その強気な美貌と聡明さで王を支え、多くの改革を成し遂げた。そして二人の間には、深い愛があった』


けれど、歴史書は知らない。


二人が、前世で出会い別れ、そして再び巡り会ったことを。


それは、誰にも知られない二人だけの秘密。


けれど、確かにそこにあった永遠の愛の物語。

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