消えたダルフと、森からの極大魔法
「誰が魔法を発動させた!」 「どこからだ!」 あんな大魔法を使える魔法使いなど、ごく少数だ。 この国では、近衛魔法師団に二人しかいない。 そして今、その二人はともオークリンの横にいる。 どっちだ! 二人の魔法使いは、即座に衛兵たちによって羽交い締めにされ、押さえつけられた。
一方は叫んだ。 「私の『メテオ』は、隕石が赤く光り、着弾点に赤いサークルが表示される! あれは違う!」 自分の魔法ではないと主張し、遠回しにもう一人の魔法だと言いたいようだ。
注目は、もう一人の魔法使いに注がれたが、彼も大きな声で否定した。 「自分は行使していない! 魔法を使うなら必ず『詠唱』が必要だ! 私が詠唱していないことは、近くの人なら誰でもわかるはずだ!」 確かにそうだ。彼の近くにはロイヤルヴァルトのサムソンとプレストンがいた。 彼らが詠唱を聞き漏らすはずがない。
彼らが嘘をついていないか確認するため、精神反応で考えを読み取る魔法が使える魔法士が近づいてきた。 その時、突然――。 捕らえられていた魔法士が口から炎を吐き、瞬く間に焼け焦げて死んでしまった。 現場は騒然となった。 口封じだ。 イベントは、なんとも後味の悪い結末となった。
◇◇◇
数日後、事件の追加情報が寄せられた。 王子が演説していた舞台の下に、呪いのアイテムが設置されていたというのだ。 そのアイテムに、『メテオ』の魔法が封じ込められていたらしい。
魔法の出所は、先日疑われた魔導師の一人のものだった。 何者かが彼の魔法を呪いのアイテムに封じ込め、持ち歩き、あの場所で発動させたのだ。 これにより、実行犯があの魔導師だとは特定できなくなった。
他人の魔法を封じ込めることができる人物。 それが可能な立場。 そして、呪いのアイテムに関する深い技術。
今、想像できるのは――ダルフ隊長しかいない。
しかし、そのダルフ隊長は行方不明だ。 ダルフ隊長には、以前から怪しいところがずっとあった。 問いただしたいところではあるが、捜査は難航しており、一向に見つかる気配はない。 いろいろな組織が全力でダルフ隊長の行方を捜索したが、成果はなかった。
◇◇◇
ダルフが行方不明になってから、数ヶ月が過ぎた。 大規模捜索は未だ続いているが、全く足取りはつかめない。
そんな中、ロイヤルヴァルトに別の指令が届いた。 『ヤエイズル方面の森で、魔物が大量発生している。原因を探り、魔物を討伐せよ』 かなり大規模な魔物の活性化だ。 ロイヤルヴァルト全員で出動することとなった。
◇◇◇
ヤエイズルの西部に広がる森林地帯に到着した。 早速、魔物の群れが現れ、こちらに向かって進行してくる。
プレストンとノヴァは息を合わせて『フェニックス』を撃ち出した。 それと同時に――。 森の中の全く別の場所から、もう一羽の『フェニックス』が発動された。
極大魔法……。 誰が、どうやって!?




