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極大魔法しか使えない残念な冒険者  作者: 白山月


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ボサ・テーラー

お城に到着すると、ボサ・テーラは応接室に通された。 アカリはノヴァを連れて、先に部屋から出て行ってしまった。 部屋には、プレストンと二人きり。


(うわっ! 「ワイプアウト」と二人きりになってしまった……!) 怖いなぁ……どうしよう。 ボサはプレストンの顔をチラリと見るが、怖くなってすぐにうつむいてしまった。


それに気づいてか、プレストンは場を和ませようと、精一杯優しい口調で語りかけた。 「アカリとは、どういう関係なんですか?」 (も、もしかして面接が始まってる!? 面接官がワイプアウトなんて、究極の圧迫面接だよー!)


「わ、私、近衛魔法師団にいたんです。入団式の時から初期研修、配属後も含めて、いろいろ面倒を見てもらいました」 プレストンは怪訝な表情をしている。 「あれ? 僕も近衛魔法師団だったのに、入団式も初期研修も知らないな」


「プレストンさんは通常とは違って、時期外れに突然配属されて、あっという間に出征して、戻ってきたら転属でしたから」 「そういえばそうでしたね。ほとんど誰とも話さなかったですから。アカリさんと知り合ったのも転属になった後です。同じ組織に所属していたのに。近衛魔法師団時代は、あっという間のジェットコースターのような日々でした」


「でも、私は知ってるんですよ。ミッドシップ遠征の時の国境までの護衛と、帰還時の救出、王都までの護衛をしていたんです。出発を見送って、だいぶ離れたところで極大魔法が巻き上がった時は、本当にびっくりしました」


「……あれ? 全然記憶にないな」 プレストンは少し遠くを見つめて言った。 「魔法はね、苦手なので。あんなのしか使えないんです」


(この人、あんなに凄い極大魔法が使えるのに、なんて寂しそうな顔をするんだろう……) それは予想外だった。 だいたい魔法使いという人種は、魔法を褒めればデレデレと喜ぶものだ。近衛魔法師団にいた頃は、大きな魔法が使えるというだけで、人を見下すような者もたくさんいた。 極大魔法の使い手なのだから、もっと「俺様系」でギスギスした人かと思い込んでいたのに。


◇◇◇◇


ほどなくして、ドアをノックする音がした。 すると、大勢がぞろぞろと入ってきた。 ジェーコフ司令、サンドラ副官、アカリ、ノヴァ、サムソン、オークリン。 ロイヤルヴァルトの全員だ。


近衛魔法師団時代に面識のあるジェーコフとサンドラが、懐かしそうに話しかけてくれた。 オークリンのおかげで両足が戻ったボサは、感謝しても感謝しきれない。 その場は急に、昔話や近況報告、オークリンへの謝辞など、色々な話題で盛り上がった。


一段落したところで、アカリが切り出した。


「ノヴァは、全方位に放たれる極大魔法の威力を、一方向に絞り込める能力を持っているの。その能力のおかげで、ロイヤルヴァルトは王国のために役立つことができる」 ゆえに、ノヴァは重要人物であり、何としても守らなければならない、護衛が必要な存在であるということ。


「……しかし、重要なのはノヴァ自身がまだ子ども(アホ)なので、『お守り』の役割も付いて回ること。行動は突拍子もないし、何かやらかした時は、代わりに謝りに回らなければならないわ」 それらを合わせ、アカリは丁寧に説明した。


(こんな役割、受けてもらえるだろうか……) アカリは、ボサの表情をチラリと伺った。 ボサ・テーラは、何とも言えない微妙な表情を浮かべていた。

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