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極大魔法しか使えない残念な冒険者  作者: 白山月


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ノヴァ 護衛を雇わなくてはならないそうだ。

◇◇◇◇ダルフの思考

ダルフは考えている。「密偵が私のことを探っているのだな。」


オークリンは外部と接触していないな。 きっと、内偵の指示を出したのはジェイコフだろう。 しかし、アカリから聞いたところ、ジェイコフがオークリンから何らかの報告を受けている様子ではない。 ジェイコフがロイヤルヴァルトの部屋から外部に連絡している様子もない。


おそらく、国王直属の暗部による内偵が行われているのは間違いない。 だが、オークリンはそこには参加していない。 思いつきの行動か? 子どもの探偵ごっこだな。 警戒しすぎるのは藪蛇かもしれない。 こちらからアカリにコンタクトを取ったのも軽率だったか? これからはもっと慎重にならなくては。 オークリンに対する警戒レベルも過剰にならないようにしよう。


◇◇◇◇ロイヤルヴァルトの部屋

王都でのオークリンの評判は良くなっている。 しかし、ロイヤルヴァルトへの風当たりはあまり変化しない。


オークリンの魔法のために、南門の外を遊歩道化するための森の開墾を、プレストンとノヴァの二人でやる計画が上がると、すぐに反対する議員が現れる。 「王都近くで極大魔法を使うな!」 オークリンだって超弩級の極大治癒魔法なのに……! 「なくなった腕が生えてくる」んだぜ! 足だってそうだ! 人間の理を逸した、えげつない魔法なのに、この差は何だ!


「そりゃ、人望でしょう♪ それとも可愛いからかな?」 満面の笑みを浮かべ、勝ち誇ったような表情のオークリンがいる。 生まれて10年ちょいで、何が人望だ。どう見てもまだ子どもだし。


「別にオークリンに怒っているわけじゃないですよ。 俺が怒っているのは、理不尽なことを言い出す議員と、それに連動してすぐにでも抗議を始める連中だ。子ども相手に怒ったりしません。」


カチン! この「子ども」の部分がオークリンの気に障ったようだ。 オークリンはプンプンと怒って、サンドラ副官に言いつけに行った。


「そういうわけじゃなくて、オークリンさん!オークリン嬢!レディ・オークリン!」 ピタッと歩くのが止まった。 「レディ・オークリン」が気に入ったのだろうか? 「何か御用かしら?」のニンマリした目つきが、イラッとする。


「最近、若者に大人気っすね。」 プレストンがカタリーナやオークリンに翻弄されることが多くなって、それを面白そうに見ているノヴァが語りかけてきた。


よし、話題を変えよう。 「護衛の候補はリストアップできた?」 「それなんすよ、城になんて知ってる人誰もいないし、お金がないから教会にも行けなくて。 条件が厳しいからなかなかいい人がいないんですよね。」


「条件?」 「『礼儀作法を心得ていること』、『国王主催の式典に列席可能な身なりのもの』。こんな条件をつけておいて、護衛ができる技能があるって、絶対無理っす! プレストンさんやオークリンはどうやって副官を選んだんですか? アカリさんやサムソンさんみたいな人、どこか落ちてませんかね?」


僕やオークリンは、ジェーコフ隊長が探してきたからな。 隊長はどうやって探したんだろう?


サンドラ副官に聞いてみた。 「二人の副官は、事務仕事兼護衛で、なおかつ式典に出ないとだめなので、ほとんど適任者なんていないのよね。 アカリは自分から志願したし、サムソンはオリビエ隊長からの推薦よ。 いろいろ難しいとは思うけど、自分の背中を任せられるくらい信頼できる人じゃないとね。 オークリンのイベントで、今まで候補に上がらなかった人が、たくさん(職安に)復活していると思うから、職安にでも行ってみたら?」


「そんなところで見つかるのかな?そんなところで探していいのかな?」 とりあえず、行って雰囲気を掴んでこよう。

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