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極大魔法しか使えない残念な冒険者  作者: 白山月


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オークリン移籍?

「オークリンを近衛魔法士団に移籍!?」「合わせて、ノヴァも一緒に移籍する」という提案だ。


ダルフは自信満々である。


しかも、その提案はオークリンとノヴァだけで、プレストンは近衛魔法士団には向かないので、ロイヤルヴァルトで頑張ってほしいとのことだった。


オークリンはダルフの悪巧みをすぐに思い出した。 だが、逆にこれはチャンス! 私が近衛魔法士団に潜入捜査をして、ダルフの悪巧みを暴くのだ。


オークリンは潜入捜査にやる気満々だ。


そこへJCOM指令が割って入った。 「ノヴァは今や、極大魔法の使用方法を研究するための中核となっている。唯一無二の存在である。オークリンともども、絶対に出すことはできない。」


ダルフもだいぶ食い下がった。 ロイヤルヴァルトはイメージが悪く、神聖系のイベントにはそぐわない。 「過去の噂で、住民が恐怖する」等々……


だが、結局オークリンとノヴァはロイヤルヴァルトで活動を継続することで決着した。


結局、オークリンとノヴァの護衛は、サムソンと近衛魔法士団が務めることとなり、その護衛の指揮はクエルクスが行うこととなった。 元々、ダルフはここを落としどころに考えていたのだろう。 回りくどいやり方だ。


◇◇◇◇


実験の日になった。


クエルクスは大勢の護衛を連れて、オークリンを迎えに来た。 魔物察知、動作察知、物理攻撃シールド、魔法攻撃シールド、反撃のための各種属性の攻撃魔法など、多彩な能力を揃えたメンバーだ。


北門の上には、オークリン、ノヴァ、サムソン以外は、近衛魔法士団がびっしり勢揃いしている。 これから発動される回復魔法の儀式は、まるで近衛魔法士団が執り行うような雰囲気に見える。 中央通りには多くの怪我人、病人が集まり、北門の上を見上げて祈っている。


時が満ちたので、ノヴァはオークリンの力を借り、魔法を発動した。 街中のいたるところから、歓喜の声が上がり、回復魔法の儀式は終了した。


その日の帰りから、変化が始まった。 城に帰り、ロイヤルヴァルトの転送陣に乗るまで、近衛魔法士団が護衛についてきた。 オークリンが遠慮してもお構いなしだ。 ロイヤルヴァルトの部屋から出ると、転送陣の前に近衛魔法士団の護衛が待っている。


姉のクエルクスにやめるように頼みに行くと、クエルクスの上官が出てきて、「護衛は重要任務である」と言い、全く譲歩しない。


これじゃまるでいつも見張られているみたい。 オークリンの護衛をしている人たちは、クエルクスの上官に、誰と会話をしたか、何を会話したか等を報告していた。


きっと全ての情報がダルフに届いているのだろう。 これでは、ダルフの動向調査どころではない。


「見張られているのは私だな」 オークリンは思った。

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